北・東シリア地域民主自治局は声明を出し、シリア軍事作戦総司令部による29日のシリア革命勝利宣言大会について、軍司令官しか参加しておらず、シリアの多様な社会成員が求めるものを表現していないと非難した。
声明の内容は以下の通り。
すべての階層と社会集団を含むシリア国民全体の勝利とみなされるべきバアス体制崩壊後のシリアにおける急速な事態の展開において、そしてまたシリア国民が合意に基づく憲法の起草準備と議会・大統領選挙の実施に向けた包括的なシリア国民会議の開催を待ち望んでいるなか、ダマスカス当局は、シリア武装組織諸派の指導者を招いた大規模な会合を開催し、いくつかの決定を下した。この点について、我々北・東シリア地域民主自治局は、シリアのすべての社会集団・宗派・階層、さらには女性や若者を含むかたちでの全国規模の大会について決定がなされるべきだったと考えている。
我々は、今回の大会の開催自体を批判するとともに、その参加者のなかにテロのブラックリストに掲載された人物が含まれ、シリア国民の血に手を染めた者がいることを強く非難する。なかでも、アブー・ハーティム・シャクラーことアフマド・イフサーン・フィヤード・ハーイスは、シリア未来党のハフリーン・ハラフ書記長を殺害した人物だ。また、アブ・アムシャことムハンマド・ジャーシムは、特にアフリーン地方でシリア国民に対する数々の犯罪を犯してきたことで知られている。こうした大会は違法であり、シリアを構成する社会集団が求めるものを表現していない。
また、我々は、シリア国民大会の枠組みを外れた動きや、政治・革命・人民諸勢力を排除したかたちでの大会は「不完全」でと考える。現在のシリアの不安定な状況を終わらせ、国民を安全な未来へ導くための最善の方法は、すべての勢力や社会集団を排除せずに開催される国民対話会議の実施です。いかなる勢力や社会集団の排除も、シリア国民の革命の目的を達成できなくする要因となり、結果として旧体制と何ら変わらない現状を生み出すことになるだろう。それゆえ、我々は、ダマスカス当局に対し、誤りを正し、シリアのすべての集団と政治勢力を結集させる包括的な国民大会を開催することを求める。そうした大会こそが、国の新たな憲法の起草に向けた準備の場となる。
こうした情勢のなかで、ダマスカス当局は、いかなる勢力や個人に対しても憎悪扇動を許容してはならない。シリア国民の特徴である友愛と共生を損なおうとする試みを阻止し、特定の民族や宗派を標的とする扇動的言動を排除することが不可欠だ。こうした言動は、数日前にダマスカスのウマウィーイーン広場や他の都市で見られたように、一部の活動の中に明確に表れている。こうした行為は、シリア国民の間に分裂と対立を生じさせるだけであり、我々が目指す統一された民主的シリアの建設、法の支配、移行期正義の実現という目標に反するものだ。
改めて、我々北・東シリア地域民主自治局は、愛国的な共通項に基づき、シリアの統合と主権を維持し、シリア国民全体が民主的かつ分権的な基礎のもと、未来のシリアの諸相を共に描くことを呼びかけます。
殉教者たちに哀悼の意を、負傷者たちの1日も早い回復を。自由で民主的、多元的、分権的なシリア万歳。
北・東シリア地域民主自治局
2025年2月2日
(C)青山弘之 All rights reserved.
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