シリア国内で活動する反体制組織「民主的変革諸勢力国民調整委員会」と連立与党連合「変革解放人民戦線」が開催を予定していた共同記者会見が、情報省によって禁止された。
シリア人権監視団によると、この措置は、大統領府広報局の命令に従い、情報省が下したもので、「ダマスカスで活動する反体制派の記者会見を報道しないこと」が要請されたという。
これに関して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、8月11日の12時に、記者会見を開き、委員会と変革解放人民戦線との間で「相互理解覚書」が交わされたことを発表する予定だったことを明らかにした。
しかし、治安当局が記者会見の開催を阻止、会見が予定されていたダマスカス県サウラ地区の戦線本部への記者の立ち入りを禁止したという。
アブドゥルアズィーム代表はこの動きに対し「反体制勢力統一への道を絶とうとする危険な措置」と批判した。
委員会メンバーの一人サフワーン・アッカーシュ氏は、相互理解覚書の内容に関して、連立与党であった変革解放人民戦線の反体制勢力への実質的な転換を意味しており…、そのことが政権にとって不愉快だったのだろう」と述べた。
なお、変革解放人民戦線は、6月の大統領選挙に際して、マーヒル・アブドゥルハフィーズ・ハッジャール人民議会議員の擁立をめざす人民意思党党首のカドリー・ジャミール前副首相(モスクワで事実上亡命生活)らと、アサド大統領を支持するシリア民族社会党インティファーダ派が対立、後者が脱会することで事実上崩壊していた。
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クッルナー・シュラカー(8月11日付)は、アレッポ市地元評議会が8月4日の声明で、アブドゥル・アズィーズ・マグリビー氏(「マグリビー」はアラビア語でモロッコ人の意味)を議長に選出したことを発表した、と批判的に報じた。
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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、連立と自由シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と「犯罪者アサド体制」双方のテロと当初から対決していたと自賛、国際社会に対して「この組織(ダーイシュ)の脅威への抵抗は、イラク国内で限定されてはならない」と主張、支持を求めた。
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シリア国民評議会は声明を出し、トルコ大統領選挙で勝利したレジェップ・タイイップ・エルドアン首相に祝辞を送った。
AFP, August 11, 2014、AP, August 11, 2014、ARA News, August 11, 2014、Champress, August 11, 2014、al-Hayat, August 12, 2014、Kull-na Shuraka’, August 11, 2014、al-Mada Press, August 11, 2014、Naharnet, August 11, 2014、NNA, August 11, 2014、Reuters, August 11, 2014、SANA, August 11, 2014、UPI, August 11, 2014などをもとに作成。
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