ヒムス県西部の国境地帯でレバノンの部族民兵(親ヒズブッラー)と国防省部隊の戦闘続く:国防隊部隊はレバノン領内で2人を拉致殺害、戦闘による国防隊兵士などの死者数は11人に(2025年3月17日)

シリア人権監視団によると、レバノン軍は暫定政権当局に、16日のヒムス県のシリア・レバノン国境地帯要撃で殺害された国防省部隊の兵士3人を含む4人の遺体を引き渡した。

シリア人権監視団によると、レバノンの部族民兵(親ヒズブッラー)と国防省部隊の戦闘で、国防省部隊の兵士4人が新たに死亡、また複数が負傷した。

これにより、16日以降の死者は、処刑された3人を含めて8人、負傷者は少なくとも13人となった。

シリア人権監視団によると、国防省部隊はサイイド・アリー村を制圧したものの、戦闘で兵士3人が死亡、死者総数は11人となった。

**

アラビーヤ・チャンネルによると、現地を取材していた記者らが攻撃を受け、アラビーヤ・チャンネルおよびハドス・チャンネルのカメラマンルストゥム・サラーフ氏が負傷したと伝えた。

**

ナハール・ネットによると、ベカーア県のファドリーヤ村で若い男性2人(M.N.M.氏とA.N.M.氏)が暫定政権の治安部隊によって自宅で拉致され、殺害された。

2人は喉を切られて死亡した。

**

ヒムス県のレバノン国境地帯で16日に始まったレバノンの部族民兵(親ヒズブッラーの民兵)とシャルア暫定政権の国防省部隊による戦闘に関して、SANAは以下の通り伝えた。

県の広報総局は、ズィーター・ダム近くの国境地帯で、ヒズブッラーの民兵がカメラマンとジャーナリストを地対地ミサイル1発で攻撃し、負傷させた。

これに関して、情報省は、ヒズブッラーの民兵が報道関係者を直接狙ったことを国際法、国際慣習への違反として非難、報道関係者の保護を訴えるとともに、レバノンに加害者の処罰を呼びかけた。

ヒズブッラーの民兵は、アイン・タンヌール村の揚水施設を砲撃した。

国防省は、クサイル市西の国境地帯で掃討作戦を開始、ヒズブッラーのアジトと化したフーシュ・サイイド村を標的としたうえで、ヒズブッラー民兵の集結地や動きを標的とすると発表した。

その後、国防省部隊は、フーシュ・サイイド村からヒズブッラーの民兵を放逐し、これを完全制圧した。

また、国防省部隊は、フーシュ・サイイド村のヒズブッラーのアジト複数ヵ所で武器弾薬、麻薬を発見した。

国防省部隊は、フーシュ・サイイド村に再び進攻しようとしたヒズブッラーの民兵を迎撃した。

国防省広報局は、レバノンの国防省との間で、国境地帯での停戦と連携・協力の強化にかかる合意を交わしたと発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts