シャルア暫定大統領は2025年大統領令第7号を施行し、高等ファトワー評議会を設置:共和国大ムフティーを復活させ、ウサーマ・リファーイー議長をこれに任命(2025年3月28日)

シリア・アラブ共和国大統領府によると、アフマド・シャルア暫定大統領は2025年大統領令第7号を施行し、高等ファトワー評議会を設置した。

高等ファトワー評議会は以下のシャイフから構成されている。

ウサーマ・リファーイー議長
ムハンマド・ラーティブ・ナーブルスィー
ムハンマド・アブー・ハイル・シュクリー
ムハンマド・ナイーム・アルカスースィー
アブドゥルファッターフ・バザム
ハイルッラー・ターリブ
アブドゥッラヒーム・アトゥーン
マズハル・ワイス
アナス・アイルート
アナス・ムーサー
イブラーヒーム・シャーシュー
イブラーヒーム・ハッスーン
アラーッディーン・カスィール
ムハンマド・ワフビー・スライマーン
サフル・ジュナイド

評議会は、①新たな事案、緊急事態、一般的問題に関するファトワーの発出、②委任された案件に対するシャリーア上の判断の提示、③各県におけるムフティーおよびファトワー評議会の任命とその職務範囲の明確化、④各県のファトワー機関の監督と、必要な支援および助言の提供、を行う。

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シリア・アラブ共和国大統領府によると、アフマド・シャルア暫定大統領は、高等ファトワー評議会の設置に合わせて、委員らと会合を開き、そこで以下の通り演説を行った。

シャームは、常に学術、文明、伝道の中心地で、そこから全イスラーム共同体に善が発信されてきた。だが、シリアが腐敗した悪党の手に落ちたことで、悪が現れ、災厄が広がった。そしてシリアは、一柱ずつ破壊されるように、計画的に崩されていった。
本日、我々は皆、シリアの再建に向けて、その人材、ウラマー、国民を挙げて取り組んでいる。ファトワーの責任とその信託性、新たな国家建設における役割が極めて重要であることは、誰の目にも明らかである。とりわけ、ファトワーの権威が、本来の担い手でない者たちによって侵害され、ふさわしくない者がそれを担おうとした状況を経た今、その重みは一層増している。
崩壊した体制があらゆる分野で破壊したものを再建することは、我々にとって義務だった。そのなかでもっとも重要なものの一つが、シリア・アラブ共和国大ムフティー職の復活である。本日、この職責を担うのは、シャームの最良のウラマーの1人であるウサーマ・ブン・アブドゥルカリーム・リファーイー師である。
ファトワーは、高等ファトワー評議会の設置を通じて集団的な責任体制に移行されるべきであり、ファトワーはこの評議会を通じて、徹底的な調査と検討を経てに発せられるべきである。なぜなら、ファトワーとは、アッラーからのきわめて重大な信託であり、アッラーを代表して署名する行為だからだ。
ファトワー評議会は、宗教的言説を適切に統制することを目指しており、その言説は伝統と現代性の調和を図りつつ、イスラーム的アイデンティティを保持し、分裂につながるような対立を収束させ、争いや悪の扉を閉ざすことを目的としている。
私はこの尊いラマダーン月において、偉大なるアッラーにこう願う。愛するシリアを、正義に満ち、慈愛にあふれ、強く、信頼される国家、国民にとって誇りと尊厳を備えた祖国として再建できるよう、我々を助けてくださいますように。万世の主であるアッラーに讃えあれ。
万物の主であるアッラーに、すべての称賛あれ。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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