国連によると、会合において、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、アサド政権崩壊から4ヵ月半が経ったシリア情勢が依然として「きわめて脆弱」だと警鐘を鳴らし、事態に対処するには、べてのシリア人が政治的未来の形成に実質的に参加できる真の政治的包摂、過激主義とテロの撲滅、そして国際社会による実質的な支援であると強調した。
また、3月の沿岸部でのアラウィー派住民らに対する虐殺について、アフマド・シャルア暫定大統領と「長く話し合った」としたうえで、加害者を処罰すべきだと訴えた。
イスラエルのシリアへの侵攻についても、以降プロセスを不安定化させていると非難した。
米国代表は、外国人テロリスト戦闘員の排除、大量破壊兵器の除去、イランの影響排除、すべてのシリア国民の安全確保を求めるとともに、3月の虐殺に関して関与した者を裁くべきだと主張した。
ロシア代表は、クルド人を含む少数民族コミュニティの包摂がシリアの将来に不可欠であると強調した。
トルコ代表は、シリアの未来がダーイシュ(イスラーム国)、クルディスタン労働者党(民主統一党(PYD)、人民防衛隊(YPG)、シリア民主軍)といったテロ組織に左右されるべきではないと警告した。
中国代表は、「テロ対策に二重基準は許されない」と述べ、トルキスタン・イスラーム党などすべての国連テロ組織と戦う必要性を強調した。
一方、米ニューヨークを初めて訪問し、会合に出席したアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は以下の通り述べた。
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SANAによると、シャイバーニー外務在外居住者大臣が安保理会合に先だって、米ニューヨークの国連本部でシリア国旗(シリア革命旗)を掲揚、世界に対してシリア国民の要望に耳を傾けるよう呼びかけるとともに、シリアに対する制裁の解除を訴えた。
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ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は安保理会合に先だって、ロシア、中国、トルコの国連大使と会談した。
ペデルセンは、一連の会談に関して、Xで、アフマド・シャルア移行期政権が状況改善のため、今後の政治プロセスにおいて真の政治的参加を実現するために、さらなる措置を講じるとともに、外国人戦闘員を含むテロ問題に関する加盟国の懸念にも対処しなければならないと綴った。
また、国際社会に対しては、制裁の軽減と人道支援の供与に向けてさらなる取り組みを行う必要があると付言した。
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シリア・クルド国民評議会のムハ…