シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会は公開書簡を発表し、国際社会に沿岸部のアラウィー派の保護、とりわけ女性の誘拐・制的奴隷化阻止を求める(2025年5月8日)

シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会は公開書簡を発表し、国際社会に対して、沿岸部のアラウィー派の保護、とりわけ女性の誘拐・制的奴隷化阻止を求めた。

公開書簡は、国連事務総長、安保理諸国代表、シリア問題担当国連特別代表、国際司法裁判所、女性および人権にかかわる国際機関に宛てられており、そのなかで、沿岸地域でのアラウィー派女性を標的とした内務省総合治安局などの治安機関や武装勢力による継続的な違反行為を強く非難した。

声明によると、こうした違反行為のなかでもっとも顕著な事件が、2025年4月28日にヒムス県タルカラフ市近郊のマフタビーヤ村出身の20歳女性ミーラー・ジャラール・サーバートさんの誘拐で、過激派によって拉致された彼女は、シャーム解放機構の司令官と強制的に結婚させら、数日後に青いニカーブを着用されられ、釈放された。

釈放時、彼女には総合治安局の関係者が同行しており、同局の関与を裏付ける証拠となっている。

公開書簡はそのうえで、以下を国際社会に呼びかけた。

シリア沿岸地域の住民、特にアラウィー共同体の保護のための即時的な国際措置
加害者および共犯者(治安機関関係者を含む)に対する責任追及と訴追のための実効的な仕組みの導入
女性の誘拐・性的奴隷化を防止し、自由と人間の尊厳を守るための国際的保護機構の設置
沿岸地域を含む国際保護枠組みへの組み込み、および地域住民が関与する分権型治安・保護制度の採用
外国人戦闘員のシリア全土、特に沿岸地域からの撤退

(C)青山弘之 All rights reserved.

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