アサド前大統領のいとこでビジネスマンのマフルーフ氏は6月を「変化の始まり」と位置づけ、「ハーフィズ・アサドのような偉大な人物が設計した体制」の再興を主唱(2025年5月28日)

アサド前大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏は自身のフェイスブックで声明を出し、6月を「変化の始まり」と位置づけ、「ハーフィズ・アサドのような偉大な人物が設計した体制」の再興を主唱した。

声明によると、攻撃や虚偽の告発を受けている理由は二つあり、第1の理由は、トルコの仲介のもとで行われた交渉において、マフルーフ氏の事業や会社にかかる和解案を同氏が拒否したことにあるという。

マフルーフ氏は、沿岸地域の人々にとっての救済につながることを条件に和解に応じる用意があったが、拒否され、以降、各方面から脅迫が行われるようになった。

第2の理由は、沿岸地域のアラウィー派住民らへの虐殺の背後に、アナス・ハッターブ内務大臣がいることを移行期政権側に告発したことにあるという。

声明では、「殺戮の加害者たちを見逃し、その罪を画像・映像付きで晒されながらも処罰せず、虚偽の功績を自慢する」内務省のありようを「恥」と非難した。

そのうえで以下の通り表明した。

お前たちが沿岸の若者に沿岸地域を委ねることを拒否した今、6月には変化の始まりが訪れる。派閥間の対立や小競り合い、戦闘が起こり、7月、またはその後数週間には、重大な出来事が始まる。それは、地位は高いが人格は卑しい某人物の失踪によってもたらされるだろう。
7月はスフヤーニー(イスラームの終末に出現するとされる暴君)の時代の終わりの始まりとなり、沿岸の若者の時代の幕開けとなる。これは沿岸のみならず、シリア全土に広がるアッラーの意思によるものである。
私は全世界、とくに近隣諸国に伝える。今、必要なのは、旧体制の構造に立ち返ることである。ハーフィズ・アサドのような偉大な人物が設計した体制である

また、シャルア移行期政権打倒後の新体制について以下のような構想を示した。

  • 軍・武装部隊をアラウィー派に委ね、多宗派をこれに参加させる。
  • 過激派は排除され、穏健な多数派(スンナ派)は他宗派と協力しながら経済の全権を握る。
  • 現実を反映し、真の代表性を保障する自由で公正な選挙を実施する。

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