前政権時代の国防隊司令官の1人ファーディー・サクル:「国防隊の司令官に任命されたのはタダームン区での虐殺の後だった」(2025年6月12日)

2023年4月にダマスカス県タダームン地区で発生した虐殺に関与したとされ、アフマド・シャルア移行期政権の司法当局に拘束された前政権時代の国防隊司令官の1人ファーディー・サクル氏は、『ニューヨーク・タイムズ』の取材に応じ、自身が国防隊の司令官に任命されたのは、虐殺の後だったとして、事件への関与を否定した。

発言は、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員(シャーム自由人イスラーム運動元司令官、シリア解放戦線元司令官)が10日の記者会見で、サクル氏が釈放されたと発表したのを受けたもので、サクル氏は「内務省が私に不利な証拠を持っていたなら、私は今でも現政権とともに働いているはずがない」と容疑を否定、そのうえで「正当な法的手続きを前提に、いかなる司法判断にも従う用意がある」と表明した。

サクル氏はまた、自身がアラウィー派で、国防隊の指揮官であったことで、前政権の支持者を説得し、シャルア移行期政権から離反させないようにする「信頼の裏付け」になっていると述べた。

そのうえで、「革命派が、彼ら(旧政権側)をパートナーとして受け入れるかどうかが、根本的な問題だ…。ファーディー・サクルという名前こそが、紛争の当事者どうしが共存可能かどうかを測る試金石なのだ」と付言した。

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