イナブ・バラディーなどによると、スワイダー県スワイダー市で6月17日から開催されていた総会が、アフマド・シャルア移行期政権に対する勧告に合意し、閉会した。
勧告は以下3つの主要な軸からなる。
1. 政治方針
- シリアの国土と国民の統一という国家原則の再確認
- スワイダー県住民のシリア国家全体への統合と関与の促進
- いかなる外国からの干渉にも反対し、国家主権と独立意思の尊重
- 国旗の掲揚をすべての政府機関に義務づけ、宗教的シンボルは礼拝所内に限定
- 文民国家、正義、法、権利を保障する国家を建設するため、すべてのシリア人およびシャルア移行期政権と協力
- 国家の形態(中央集権・地方分権など)に関しては、将来、制憲議会または国会ですべてのシリア人の参加のもとに決定するものとし、暫定措置として2011年法第107号(地方行政法)の修正適用を提案
- 移行期政権との権利、義務、市民権の原則に基づく均衡関係の構築
- 総会で選出された事務局は専門委員会を通じて移行期政権および関係省庁と連絡を取り、スワイダー県に関する重要課題の解決を図る
- 国民対話の呼びかけ
- 憲法宣言の見直し、シリア国民の願いに応える現代的で先進的な恒久憲法を起草する憲法制定
- 委員会の設置に取り組むこと、そして最終的に議会選挙の実施につなげること
- 市民社会の活性化、女性・若者の参画、政党法の制定、政治活動の制度化の必要性
2.生活・サービス
- スワイダー県内の生活・公共サービス問題への対処と尊厳ある生活の保障
- 停止中の「巡礼街道整備プロジェクト」の再開(地元雇用と投資の促進)
- 給与・賃金の改善要求(全国的な共通要求)
- 不当解雇された職員の補償、2015年12月8日以降に退役した兵士の年金支給(個人の権利として保障)
- 農業支援、化学肥料・設備の輸入、農産品輸出、井戸掘削などの法的整備
- 保健、水道、電力、衛生、戸籍・入国管理などの公共機関の再活性化と有能な人材による管理、汚職幹部の再登用防止
- 大学生の安全な通学・居住・学習環境の確保、過去の治安問題の再発防止、学業損失の補填
3.社会的和解と平和の構築
- 地元出身者による警察署と司法警察の強化と装備の整備
- 宗派対立や扇動的言説の禁止と刑事責任の追及
- 最近のスワイダー県で発生した一連の事件に関する透明な調査の実施
- 武器の無秩序拡散や違法武装集団の取り締まり、5月1日合意(移行期政府・地元勢力・宗教指導者間の合意)の履行
- ダルアー県、ダマスカス郊外県との地域連携と対話強化、国民的な包括的和解プロセスの基盤構築
- 移行期正義の実施と加害者の法的責任追及(ただし報復に基づく正義ではなく、平和の維持を目的とした真の正義の実現)
(C)青山弘之 All rights reserved.