シャルア暫定大統領は、首都ダマスカスの人民宮殿でクナイトラ県およびゴラン高原の地域代表・部族長らと会談:「イスラエルの侵害を停止させるために国際的な仲介者を通じた間接交渉を継続している」(2025年6月25日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、首都ダマスカスの人民宮殿でクナイトラ県およびゴラン高原の地域代表・部族長らと会談を行い、同地における公共サービス、生活環境、安全保障の状況について意見を交わした。

会談のなかで、住民代表らは地域の具体的な要望や苦境、とりわけイスラエルによる度重なる越境侵入と攻撃による被害について訴えた。

これに対して、シャルア暫定大統領は、こうした侵害を停止させるために国際的な仲介者を通じた間接交渉を継続していることを明らかにした。

大統領はまた、地域の長老や有力者が担う国家的結束の強化、ならびに住民の声を中央に届ける役割の重要性を強調した。

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SNSなどで公開された映像のなかで、シャルア暫定大統領は以下の通り述べた。

我々は、大統領の出身地の住民すべてが大統領であった時代を生きてきた。我々はこの光景を、シリアでもう繰り返したくない。大統領はすべてのシリア人のものであり、大統領の出身地はシリアそのものであり、他のどの地域とも同等の重要性を持っている。それどころか、大統領の出身地の人々には、他の地域以上に模範的であるという重い責任が課されている。その一挙手一投足、活動や発言などは、厳しい監視の目に晒されている。
我々は革命を起こし、過去60年の犯罪や行動、社会の振る舞いのすべてに対峙した。この瞬間が新たな歴史の始まりとなることをアッラーに願っている。新しいシリア、そしてそのあらゆる選ばれし者が、道徳や行動、そしてすべてにおいて誇り得るものであることを願っている。それこそが革命であり、すべての場面に新たな光を当てる試みだ。アッラーの御許しのもと、すべての人が希望を持てるような明るいシリアを、我々は作っている。

一部の外国勢力は、シリアで起きた変化に不快感を示している。そして残念ながら、シリア国内にもこの不快感に同調し、反応を示している者がいる。地位を失った勢力が、国民の団結を壊そうと挑発を仕掛け、宗派間の分断を煽っている。こうした手法は周辺諸国で多用され、シリアでも旧体制によって何度も使われてきた。
しかし、私はこう言いたい。シリア国民は、そうした分断の企てをはるかに超える強さを持っている、と。キリスト教の教会やシーア派の廟を標的にした一連の攻撃や、宗派的な挑発は確かに起きている。だが、この国民の意識の高さをもってすれば、恐れることはない。我々はこの国民を信じている。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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