SANAによると、ヌールッディーン・バーバー内務省報道官は、大統領府の直接の指示を受け、内務治安部隊が民間人の保護と無秩序を抑制することを目的として、スワイダー県への展開を開始したことを明らかにした。
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SANAによると、ハムザ・ムスタファー情報大臣は記者会見を開き、スワイダー県をめぐる停戦合意について説明した。
ムスタファー情報大臣は会見のなかで、停戦合意には、交戦状態の解消と戦闘再発の防止、国家の枠組みの下で問題の政治解決を目的とし、国家と仲介国との間で合意された了解事項が含まれていると述べた。
了解事項は以下の3段階からなるという。
第1段階:スワイダー県の西部および北部地域の多く、そして都市部周辺の主要幹線道路に内務治安部隊を展開し、偶発的な衝突の防止を図る。
第2段階:ダルアー県とスワイダー県の間に人道回廊を開設し、民間人や負傷者、希望者の安全な退避を確保するとともに、政府各省庁と関連機関による緊急対応委員会を設置、医療・人道支援の搬入、基本サービスの提供、インフラ復旧などを担う。
第3段階:治安の定着後に国家機関の機能を回復させ、合意に基づき治安部隊の漸進的な再展開を行う。
ムスタファー情報大臣はまた、ベドウィン系住民がドゥルーズ派武装勢力の支配地域に拘束されていることを受け、彼らの解放と捕虜交換を優先事項として取り組むと述べた。
一方、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部の声明について、「残されたベドウィンに安全な退去を認める」との文言があったことを指摘し、これはベドウィンとその家族(女性や子ども)を人質とみなすものであり、犯罪であると非難した。
質疑応答では、国家の権威が不在だったことが、問題の深刻化を招いたとしたうで、政治的な和解とスワイダー県の諸派を治安機関に統合するための努力を一部の非合法武装勢力が阻止し、外国勢力の介入を誘い、県内に事実上の自治区を作ろうとしたと指摘した。
そのうえで、旧体制が分断支配を国家存続の戦略として利用していたことが、移行プロセスの障害となっていると述べ、統一軍の再建には時間が必要であり、困難を伴うものの、「一つの国、一つの政府、一つの軍隊」という原則がシリアの柱であり、それは現在も未来も譲れないと強調した。
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SANAによると、アラブ・シリア赤新月社は、南部における人道的対応および最近の出来事に伴う緊急支援として、ダルアー県に向けて人道支援物資を積んだ貨物車輛17台を派遣した。
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SANAによると、ラーイド・サーリフ緊急事態災害大臣は、スワイダー県からの被害を余儀なくされたベドウィン系住民のために、ダルアー県の21ヵ所の避難所を設置し、1,747人を保護、加えて約20ヵ所で避難所の整備を進めていると発表した。
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民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)は、フェイスブックを通じて声明を出し、緊急対応委員会による取り組みの一環として、スワイダー県のシャフバー町に向けて避難民を輸送するための車列の第一陣が編成されたものの、午後9時時点でいまだに車列が出発できていないと発表した
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シリア・クルド国民評議会のムハ…