イナブ・バラディーによると、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使は、レバノンのナウワーフ・サラーム首相との会談後に、ベイルートで記者会見を開き、記者らの質問に答えるかたちで、「シリアには追求され、責任を負うべき政府がある」と述べ、スワイダー県での衝突に伴う人権侵害や人道危機に批判的な姿勢を示した。
バッラク大使は「少数派や部族は、前政権のもとで混乱の中に暮らしており、事件が起これば自分たちの部族や家族、身内に頼るしかなかった」としたうえで、スワイダー県の状況について「恐ろしく、想像を絶し、信じがたい事態」と表現し、一刻も早くあらゆる問題が解決されることを望むと述べた。
一方、バッラク大使は、アフマド・シャルア移行期政権について、「15年以上に及ぶ内戦と暴力を経て成立した新しい政府であり、現状に精通していないとはいえ、軍と治安機関を有しており、過去7ヵ月以上にわたってすべての勢力や少数派と協力してきている」と評価した。
そのうえで、「総じて米国は、最近のシリアの出来事に強い懸念を抱いており、援助を提供したいと考えている。また、シリアの新政府がすべての少数派を統合しようとしていることを理解したいと思っている」と述べた。
さらに「シリアのすべての少数派が統合されること、そして周辺国、とりわけイスラエルとの調整がなされること」が重要だと強調、これらの当事者が一体となって行動すべきだと述べた。
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トーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使は、AP通信のインタビューに応じ、アフマド・シャルア移行期政権との協力を続けると言し、それ以外の代替案はないと強調した。
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シリア・クルド国民評議会のムハ…