シリア人権監視団によると、ダマスカス県カーブーン区出身の青年ユースフ・ラッバード氏が、旧市街中心に位置する大ウマイヤ・モスク周辺で数日前に治安部隊によって逮捕され、その後、理由や罪状が明らかにされないまま拷問を受けて、死亡した。
青年はドイツから短期間の家族訪問のためにシリアへ帰国していたが、拘束され、数日後に家族に遺体が引き渡された。
遺体には複数の打撲や傷跡があったという。
**
これに関して、内務省はフェイスブックを通じて、ダマスカス県内務治安司令官のウサーマ・ムハンマド・ハイル・アーティカ准将による声明を発表した。
アーティカ准将は声明のなかで以下の通り述べた。
7月29日(火)、精神的に不安定な状態にあったとされる若者がウマイヤ・モスクに入り、監視カメラ映像に記録されているように、平衡感覚を失った状態で徘徊し、意味不明の言葉を発していた。モスクの警備員が、本人が自傷行為や他者への危害を加えるのを防ぐために対応した。
その後、警備室内において、彼は激しく自傷行為を行い、頭を硬い物に打ち付けるなどして重傷を負った。すぐに救急車が呼ばれたが、救命処置の甲斐なく死亡した。
我々はこの事件の深刻さを認識しており、関係当局と協力して全ての状況を明らかにするため、包括的かつ透明な調査を進めている。新たな情報が得られ次第、改めて公表する予定である。
遺族に心より哀悼とお悔やみを申し上げる。
ムラースィルーンは、フェイスブックを通じて、ラッバード氏が拘束される逮捕の瞬間の監視カメラの映像を転載した。
(C)青山弘之 All rights reserved.
シリア・クルド国民評議会のムハ…