シリア民主軍はシャルア移行期政権所属部隊による停戦違反が多発していると批判(2025年8月9日)

ANHAによると、シリア民主軍の総司令部は声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権による北・東シリア地域民主自治局支配地に対する停戦違反がこれまでに22件発生していると発表、その責任は移行期政権に所属する部隊にあると非難、違反行為を止め、3月10日合意の条項を順守するよう求めた。

声明のなかで、シリア民主軍は、シャルア移行期政権に所属する部隊が、トルコの支援を受けて、ダイル・ザウル県、アレッポ県ダイル・ハーフィル市一帯、ティシュリーン・ダム一帯、ハサカ県タッル・タムル町一体など複数の地域で停戦違反を繰り返す一方、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィー地区周辺で不穏な動きが見られると指摘、こうした行為は、2024年4月1日に両地区の自治局と移行期政権との間で締結された合意に明白に違反していると非難した。

シリア民主軍によると、シャルア移行期政権に所属する部隊は、北・東シリア地域をこれまでに22回以上攻撃し、その際に重火器を使用したほか、地上攻撃や、ユーフラテス川を渡ってダイル・ザウルにあるシリア民主軍の拠点を攻撃しようとする試みも行っており、これらの攻撃で、民間人11人以上が負傷し、民間人が住む地域に大きな被害が発生している。

こうした事態を受けて、シリア民主軍は以下を要求した。

・シャルア移行期政権とその傘下部隊、並びにトルコ支援を受ける部隊に対し、すべての違反行為を直ちに停止し、協定条項を順守すること。
・国際社会および人権団体に対し、これらの違反を監視し、締結された協定の尊重を確保するために行動すること。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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