ダマスカス郊外県のエキスポ会場で第62回ダマスカス国際博覧会が開幕、シャルア暫定大統領が開会式で演説(2025年8月27日)

大統領府は、Xを通じて、アフマド・シャルア暫定大統領の後援のもと、ダマスカス郊外県のエキスポ会場で第62回ダマスカス国際博覧会が開幕、開会式には、多数の閣僚や友好国の政治・経済関係者が幅広く出席したと発表した。

SANAによると、「シリアは世界を迎える」というスローガンのもとに開幕した博覧会の開会式で演説を行い、以下の通り述べた。

シリアは商業の歴史を通じて、常に世界諸国の間で名高い地位を占めてきた。地理的な重要性がもたらす優れた条件と、提供されるサービス、商隊の安全を守るための手厚い保護が相まって、シリアは商業キャラバンの安全な通過地点であり、東西を結ぶ交易路上の繁栄する地域であった。
シャーム(シリア)は古来より金属、織物、食品、観光産業などの歴史的な産業で名を馳せ、複数の国にとって商取引と産業投資の戦略的中心地であった。その工業製品は地球上のあらゆる地域に届き、とりわけこの土地の文化と文明を体現した産業は広く知られるようになった。
この地に数々の戦争と野心が押し寄せたにもかかわらず、シリアはその地位と産業を守り続け、それは人々と社会に深く刻まれてきた。農業、工業、商業、そしてそれらを結びつける供給網とサービスは、シリアにおいて単なる職業ではなく、国民の努力と社会の文化そのものである。
シリアの人々は、熟練と技術、商業の民であり、この分野における巨匠であったため、シャームの市場は世界の商業交流における最も重要な拠点となった。
しかし、シリアは旧体制の支配下で、その歴史にとって異質な時代を経験し、人々の精神は変わり、意欲は衰え、抑圧・独裁・腐敗の政策によって国は投資・資本・才能を追い出す地となった。その結果、人々はシリアから離れ、生産は低下し、国は世界から孤立し、最大の強みを失い、その子供たちの努力と才能は他国の利益のために散逸してしまった。
シリア国民が勝ち取った圧倒的な勝利と旧体制の崩壊によって、シリアが再び甦り、その愛国者たち、市民たち、英雄たち、そして栄光の遺産を継ぐ者たちが皆、この国を再建し、断ち切られていた歴史の連続性を取り戻すために帰還し、人々が再びその恵みを享受し始めた。
諸君、解放の瞬間から今日まで、新しいシリアは安全保障の安定と経済発展を最優先に据え、農業・工業生産の増加計画を策定し、国内避難民と難民の帰還計画を立て、電力・水・医療サービスなどの提供が徐々に改善され始めた。さらに、賃金と給与は倍増し、国内外の投資を呼び込むために投資法も改正された。
これと並行して、司法改革や教育改革が進められ、安全な投資環境を守り、それに必要な人的資源を供給する取り組みが行われている。また、金融・銀行部門の広範な改革も進行中であり、シリア外交の努力によって、シリアと世界との関係が再び構築され、制裁や重圧から解放され始めている。帰還する難民たちは、自らの知識や経験、資源や能力を携えて祖国に戻り、この国の再建と近代シリアの復興に力を合わせて貢献している。
今日、我々はこの地域で初めて建設された施設に、世界最古の有人首都であるここダマスカスに集い、我らの古都シャームの歴史の一端、その輝かしい経済的遺産を称え、新たな明るいページを共に開く。それがダマスカス国際博覧会である。

なお、博覧会には、アラブ諸国を含む20ヵ国の企業を含む800社以上の企業が参加、展示面積は95,000平方メートルに及ぶ。博覧会は9月5日まで一般公開される。


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