ダマスカスでシリア開発基金の発足式典が催され、シャルア暫定大統領が演説: 大統領夫人のラティーファ・ダルービー氏が基金に5,000ドルを寄付(2025年9月4日)


ダマスカス県では、SANAによると、旧市街のダマスカス城でシリア開発基金の発足式典が催され、アフマド・シャルア暫定大統領、同基金ムハンマド・サフワト・アブドゥルハミード・ラスラーン総裁らが出席、演説を行った。

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SANAによると、シャルア暫定大統領は演説のなかで以下の通り述べた。

全能のアッラーは、自己犠牲の次にその御心のための支出を位置づけられた。我々は今、新たな段階の入り口に立っている。すなわち建設と復興の段階であり、我々自身の手、資金、努力でシリアの新しい歴史を書き記す段階である。我々は祖国を再建するにあたり、自らを頼みとするのだ。
旧体制は我々の経済を破壊し、資金を略奪し、家々を破壊し、国民を避難民キャンプや亡命先に散らせた。だが、我々は今日ここに集い、愛するシリアの傷を癒し、その再建に取り組み、そして土地を離れた避難民や流民を祖国へと戻すのである。
我々は今日ここに集い、シリア開発基金の始動を宣言する。この基金を通じて皆さんの尊い資金からの支出を呼びかけ、旧体制が破壊したものを再建し、彼らが焼き払った大地を蘇らせ、再び青々と実り豊かな地とする。基金は高度な透明性を備え、戦略的プロジェクトの中で費やされるすべての資金について公開していく。
シリア国民よ、私は今日ここにシリアのための施しを乞うために立っているのではない。なぜなら、シャームの地はアッラーがその民とともに保証された土地であり、寄付を受けて成り立つほど卑しいものではないからだ。私は自分自身と皆さんに、この時代の責務を思い起こさせるためにここにいる。我々こそが、祖国と国民のために捧げるという栄誉を手にする必要があるのだ。「もしも人がその恩恵を自らの民に惜しむならば、その者は見捨てられ、非難されるであろう」。
「慈善と寛大さは地位と名誉を守る道である。全能のアッラーはこう言われた。「あなたがたは愛するものを(施しに)使わない限り、信仰を全うし得ないであろう」と。そして最も偉大な施しとは、最も大切にする財産から支出することである。神は僕がどれほど金を差し出したかではなく、家族に残したものをこそ御覧になられる。「一微塵の重さでも、善を行った者はそれを見る」。
シリアの人々よ、我々が今日ここに到達できたのは、偉大な犠牲のおかげにほかならない。数十万の殉教者、行方不明者、拷問され、追放された人々の叫び――その犠牲は、我々の首にかけられた信託である。我々は祖国再建の道を歩み続けねばならない。「あなたがた信仰する者よ、アッラーとその使徒を裏切ってはならない。また故意に、あなたがたへの信頼を裏切ってはならない」。
シリアは今日、皆さんの愛を試し、その傷を癒すことに参加する名誉を与え、再建の歴史の一部となる名誉を授けている。我々の前には大きな機会がある。それは、これまで果たせなかった者が挽回し、すでに参加した者はさらに貢献を深める機会である。共に力を合わせ、心を一つにしてシリアを再建しよう。皆さんに平安と神の慈悲と祝福がありますように。

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イナブ・バラディーによると、アサド前大統領の家族が所有していた自動車4台(2000万ドル相当)をシリア開発基金に提供するが発表された。

また、シリア開発基金への寄付総額は、現時点で6,100万ドルを超えているという。

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イフバーリーヤ・チャンネルによると、シャルア暫定大統領の夫人、ラティーファ・ダルービー氏はシリア開発基金に5,000ドルを寄付した。

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イナブ・バラディーが9月5日によると、式典では、シリアの大物実業家ムハンマド・ハムシュー氏の息子のアフマド氏とウマル氏が登壇し、100万ドルを基金に寄付すると発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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