AP通信は、過去十年で最悪の干ばつが東地中海および中東の広い地域を襲い、河川や湖を干上がらせ、農作物を枯死させ、大都市で断水が数日にわたり続いていると伝えた。
とくにシリアの状況は深刻で、専門家によれば降雨量は数十年にわたり減少しているという。
国連食糧農業機関(FAO)でシリアを担当するジャラール・ハンムード氏によれば、長年にわたる戦争に追い打ちをかけるかたちでの干ばつにより、すでに資金難の農家は対応の余地をほとんど持たないという。
農業省のサイード・イブラーヒーム計画局長によると、2011年以前は年間350万~450万トンの小麦を生産し、国内需要を満たしていた。しかし、戦争中は220万~260万トンに落ち込み、近年では人口約2300万人の食糧を賄うため、小麦の60~70%を輸入せざるを得なくなっている。今年の収穫はわずか100万トンにとどまる見通しで、輸入依存はさらに拡大する。
国内貿易消費者保護省(現在大臣不在)のムダール・ドゥユーブ報道官によると、今年の小麦は2~3ヵ月しか持たないとしたうえで、現在は海外からの輸入契約やイラクなどからの寄付に依存しているという。
シリア最大の河川はオロンテス川(アースィー川)で、イドリブ県では灌漑や漁業に重要な役割を果たしてきたが、今年は川底に死んだ魚が散乱するほど干上がったという。
イドリブ県水資源局のモスタファー・スマーク局長は、一部の井戸では地下水位が3ヵ月で10メートル以上低下したと指摘している。
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シリア・クルド国民評議会のムハ…