シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が、ヒムス県ヒムス市南に位置する空軍部隊の拠点を爆撃した。
標的となった地域では大きな爆発音が響き渡り、初期情報によれば、物的被害が報告されているが、人的被害については現時点で確認されていない。
イスラエル軍戦闘機はまた、ラタキア県のラタキア市北東の郊外に位置するスクービーン村にある兵舎1ヵ所を2度にわたり爆撃した。
爆撃を受けて後、現場に向かう救急車の音が確認されたものの、人的被害や物的損害の規模については今のところ不明である。
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イナブ・バラディーによると、標的となったと見られるのは、ヒムス県のヒムス市の南に位置するシンシャール村にある第19連隊所属の防空大隊基地、ヒムス市南東郊外に位置するマスカナ村にある武器庫、ラタキア県のスクービーン村にある兵舎で、地元情報筋によれば、この攻撃で負傷者が出たほか、周辺の民家も被害を受けた。
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ヒムス市(フェイスブック)は、シンシャール村とマスカナ村の間に位置する防空大学が標的となったとして、その映像を公開した。
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シリア人権監視団によると、2025年に入って以降のイスラエル軍の攻撃は97回を記録している。
そのうち86回は爆撃、11回は地上攻撃で、これらの攻撃によっておよそ135の標的(武器・弾薬庫、司令部、拠点、車両など)が破壊または損傷を受け、61人が死亡したことが確認されている。
死者の内訳は以下の通り:
・30人:軍事作戦局および国防省所属者(さらに54人が負傷)
・5人:身元不明者(うち2人はレバノン国籍)
・17人:民間人(3人が負傷)
・9人:「武装した民間人」とされる者たち
県別の爆撃およびその被害は以下の通り:
・アレッポ県:1回
・ダマスカス県、ダマスカス郊外:29回県(民間人3人死亡〔女性1人を含む〕、身元不明者5人死亡〔うちレバノン国籍2人〕、軍人6人死亡)
・スワイダー県:14回(国防省所属15人死亡)
・ヒムス県:8回(うち2回はシリア=レバノン国境の非正規通路を標的)
・クナイトラ県:7回(民間人2人死亡、軍事作戦局の要員2人死亡、1人負傷)
・ダルアー県:17回(民間人4人死亡、軍事作戦局要員1人死亡、他に負傷者あり)
・タルトゥース県:2回
・ラタキア県:5回(民間人1人死亡、3人負傷)
・ハマー県:3回(軍事作戦局要員4人死亡)
県別の地上攻撃およびその被害は以下の通り:
・ダルアー県:5回(武器を持った民間人16人死亡、他に負傷者あり)
・ダマスカス郊外県:1回
・クナイトラ県:5回
なお、イスラエル軍は2024年12月8日のアサド政権崩壊を受けて、同年末までに約500回の爆撃を実施し、シリア軍の武器庫を含む軍事拠点を攻撃、その結果、シリアの軍備はほぼ壊滅したと報告されている。
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シリア・クルド国民評議会のムハ…