中・西部シリア政治評議会はシャルア移行期政権のもとで選挙に向けた準備が進められている人民議会を拒否するとしたうえで、ボイコットを呼びかける(2025年9月18日)

中・西部シリア政治評議会(PCCWS)の調整総合関係局はフェイスブックを通じて声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権のもとで選挙に向けた準備が進められている人民議会を拒否するとしたうえで、ボイコットを呼びかけた。

声明の内容は以下の通り。

我々は、事実上当局が宣伝するいわゆる「人民議会」を拒否する。この議会にはいかなる国民的・代表的な正統性も存在しない。この組織は国民の意思を反映せず、直接的にシャーム解放機構によって運営されるもので、いかなる国民的委任も欠いた非合法な移行権力の延長線上にある。
この議会が押し付けられる状況自体が、その正統性を失わせている。恐怖、殺戮装置、継続する虐殺、窒息するような経済崩壊の中で暮らす民衆が、自由な意思や真の政治参加を生み出すことはできない。いわゆる進行中の政治プロセスは、その発端からして拒否されるべきものであり、抑圧的な環境の中で行われるそれは、民衆に自己決定を許さず、表現を封じるものである。
我々は国内外の国民、特にダマスカス、沿岸地域、ヒムス、ハマーおよびその周辺地域の人々に対して、この企図を全面的に拒否し、いかなる形でも参加しないよう呼びかける。参加は、非合法の権力に正統性の覆いを与え、シリア人の願望や犠牲を反映しない強制的な現実を固定化することを意味するからである。
我々は、この議会に立候補あるいは支援という形で参加する者は、事実上の当局に加担する立場を自ら選び、シリア沿岸部などでの虐殺や人権侵害に責任を負う体制の正当化に加担することになるとみなす。この議会は国民を代表せず、それを権威づける者は国民的意思を歪め、分断を固定化する政治的・倫理的責任を負う。
正統性は自由な意思によってのみ築かれるものであり、治安機関による任命ではない。この茶番劇の一部となることを選ぶ者は、力によって押し付けられた計画の道具となることを選んだことになる。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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