シリア民主軍のアブディー総司令官はバッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使、クーパーCENTCOM司令官とともに急遽ダマスカスを訪問し、シャルア暫定大統領らと会談、アレッポ市での停戦に合意する一方、自治を要求(2025年10月7日)

大統領府(フェイスブック)によると、アフマド・シャルア暫定大統領は首都ダマスカスで、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使、米中央軍(CENTCOM)のブラッド・クーパー司令官(提督)と会談した。

会談には、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者相、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣、フサイン・サラーマ総合諜報機関長官も同席、シリア情勢の最新の動向、政治プロセスの支援策、安全と安定の強化のための方策について協議が行われた。

また、シリア民主軍と移行期政権が交わした3月10日合意の実施メカニズムについても議論がなされた。

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この会談に関して、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、Xで以下の通り綴った。

先ほどダマスカスで、マズルーム・アブディー氏と会談し、シリア北部および北東部の全戦線および部隊展開地域において、全面的かつ包括的な停戦を実施することで合意した。この合意は直ちに実行に移されることとなった。

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SANAは、アレッポ県特派員の話として、アレッポ市シャイフ・マクスード地区およびアシュラフィーヤ地区で停戦合意が成立したと報じた。

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ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の交渉代表団が首都ダマスカスを訪れ、シャルア移行期政権と会談した。

交渉代表団は、シリア民主軍マズルーム・アブディー総司令官、北・東シリア地域民主自治局のイルハーム・アフマド渉外関係委員会共同委員長、女性防衛部隊(YPJ)のルーフラート・アフリーン司令官からなり、シャルア暫定大統領、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣らと会談、そのなかで、4つの主要な議題について議論した。

また、交渉代表団は、すべてのシリア人を守る組織的で実効的な軍を創設するためだとして、シリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)を統合することを口頭で提案した。

会談では、北・東部およびアレッポ市での完全かつ即時の停戦に合意し、すべての構成体の代表性を保証するかたちでシリア憲法を改正することで一致した。

ANHAによると、会談は、10月6日の米国側との会談を受けて行われた。

また、ANHAによると、会談では、3月10日合意の実施方法と、アレッポ市情勢への対応が中心議題となった。

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スカイ・ニュース(アラビア語版)によると、アブディー総司令官は会談で、イラク・クルディスタン自治政府に類似した自治地域の設立を認めるよう要求するとともに、シリア民主軍を完全にシリア軍に統合することを拒否、統合せずに、シリア軍の一部となることはできると主張した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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