アサド大統領がシリア民族社会党のアズマ党首を進歩国民戦線中央指導部メンバーに任命、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団が米国務長官らと面会するも武器供与の具体的なプランについては言及されず(2013年7月25日)

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シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(7月25日付)によると、アサド大統領は、シリア民族社会党のナズィール・アズマ党首を進歩国民戦線中央指導部メンバーに任命する決定を行った。

アズマ党首はレバノンのシリア民族社会党に近いいわゆる「アスハド・ハルダーン派」のシリアにおける党首で、同派は進歩国民戦線の加盟政党ではない。

シリア民族社会党はハルダーン派のほかに、進歩国民戦線加盟政党であるイサーム・マハーイリー派、アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣を党首とし変化解放人民戦線に加盟するインティファーダ派などがある。

なお同報道によると、ウズマ党首の中央指導部入りに先立ち、アサド大統領は中央指導部メンバーを刷新、バアス党シリア地域指導部のワーイル・ハルキー首相、ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長、ヒラール・ヒラール、ファイルーズ・ムーサーとともに、マハーイリー党首もメンバーに任命していたという。

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外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務局長宛に書簡を送り、そのなかでジャルマーナー市での爆弾テロをイラク・シャーム・イスラーム国の犯行だと断じ、厳然たる対応をとるよう要請した。

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SANA(7月25日付)は、外務在外居住者省高官の話として、米下院情報特別委員会によるシリアの反体制勢力への武器供与承認に関して、「武装テロ集団への武器供与は米国がシリアの危機を煽る役割を果たし、同国政府がジュネーブでの国際大会を通じた政治的解決をめざしてないことを示す…。米国がシリアでの暴力とテロの継続をめざしているとの真意がみなの前に暴露された」と非難した。

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表特使のムフタール・ラマーニーと会談し「(シャームの民の)ヌスラ戦線を支援する国の行為は、テロ撲滅に関する国際社会の決定に反している」と批判した。

SANA(7月25日付)が報じた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立の複数の消息筋は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が24日のフランソワ・オランド仏大統領との会談で、紛争解決が「アサド体制に殺戮の停止を求めるかたちでは行われない…。民間人の保護、残されたインフラの維持は、現地でのパワー・バランスの変化をもってのみ実現し得る」と述べたことを明らかにした。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(7月25日付)に、7月10日以降(ラマダーン月)の死者数が2,014人に達していると述べた。

このうち1,323人が反体制武装集団の戦闘員と軍兵士だという。

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シリア革命反体制勢力国民連立の代表団が米国を訪問、ニューヨークの国連本部でジョン・ケリー米国務長官ら米国高官と会談した。

代表団を率いたアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は声明で、アサド大統領が「化学兵器からクラスター爆弾にいたるミサイルを用いて軍事的に勝利しようとしている」と断じ、「体制が政治的解決に同意しない限り、我々は自衛する必要がある」と強調し、米国に武器供与を求めた。

また「(サラフィー主義)過激派(台頭)への米国の懸念を重々承知している」としたうえで、連立が「すべてのシリア人のため、宗教・人種的帰属を越えた開かれた民主制を確立すべく、100%計画を立てている」と強調した。

これに対して、ケリー国務長官は、ジャルバー議長との会談に「前向き」な姿勢で臨んだが、武器供与について具体的に言及しなかったという。

そのうえで、ケリー国務長官は「シリアの反体制勢力はジュネーブ2会議が重要だと述べた。彼らは、大会の成功を保障するための条件などでコンセンサスにいたるべく活動することに同意した」と述べた。

連立の代表団には、ジャルバー議長のほか、ミシェル・キールー、ブルハーン・ガルユーンが参加している。

AFP(7月26日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(7月25日付)によると、ジャルマーナー市のスユーフ・広場で反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させ、女性1人を含む市民10人が死亡、66人が負傷した。

また、ハラスター市郊外、アルバイン市、ドゥーマー市郊外、ヤブルード市、ダイル・サルマーン農場、バハーリーヤ市、フジャイラ村、ナブク市郊外、ハジャル・アスワド市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、サフナーヤー市に迫撃砲弾が着弾した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マッザ航空基地から複数の黒煙がのぼった。

爆発に先立って、同飛行場は激しい砲撃に曝され、一部の活動家によると、ヘリコプターないしは燃料庫が炎上したのだという。

またヤルムーク区スーク・フダールに対して軍が砲撃を行い、子供1人を含む4人が死亡、またPFLP-GCの人民防衛隊が同地区内で反体制武装集団との交戦を続けた。

さらにバルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦、複数の活動家によると、反体制武装集団はカーブーン区の「重要な軍事拠点」を制圧したという。

このほか、ドゥンマル区(マシュルーウ・ドゥンマル地区)で、爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

一方、SANA(7月25日付)によると、サウラ通りのアイヤーム・サブア・ホテル前に迫撃砲弾が着弾し、子供1人が死亡、女性3人を含む8人が負傷した。

またバルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャリーア委員会の戦闘員が第55旅団本部を制圧、同旅団司令官と副官2人を捕らえ、殺害した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ハーリディーヤ地区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行った。

またイッズッディーン氏で、拷問によって殺害されたと思われる男性の遺体が発見された。

一方、SANA(7月25日付)によると、ヒムス市のハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、アシーラ地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

ダール・カビーラ村、タルビーサ市、ガントゥー市、南マシュジャル市、バイト・ハッジュー市、アイン・フサイン市、タッル・フッル市、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ラッカ・ワーディー・グライブ街道で、軍が特殊作戦を行い、部族自由人旅団のアミールを名のるアブドゥッラッザーク・サフークを殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンビジュ市郊外が軍の空爆を受けた。

アレッポ市のブスターン・カスル地区、ハーリディーヤ地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またクッルナー・シュラカー(7月25日付)は、反体制ストリーミング放送のオリエント・チャンネルのウバイダ・バタル記者ら2人がタッル・リフアト市で何者かに誘拐されたと報じた。

一方、SANA(7月25日付)によると、マンナグ村、タッル・リフアト市、ヒーラーン村、アレッポ中央刑務所周辺、カフルハムラ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村郊外、アウラム・スグラー村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市のラーシディーン地区、アーミリーヤ地区、ズブディーヤ地区、ハイダリーヤ地区、ブスターン・バーシャー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バルユーン市を軍が空爆、カルミード軍事基地(煉瓦工場近く)で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月25日付)によると、ジュッブ・アフマル市、サルマーニーヤ村、ハッルーズ村、アーリヤ市、バシュラームーン村、バーラ村、イフスィム村、マアッルディブスィー市、ハーン・スブル村、ダイル・サンバル村、シャンナーン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、イラク国境に近いタッル・アッルー村周辺で、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団が、タッル・アブヤド市で、イラク・シャーム・イスラーム国が複数の民家に爆弾を仕掛け爆破し、「自由シリア軍クルド戦線大隊と人民防衛隊が反抗を行った、ないしは彼らが発砲した」と主張していると発表した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区にある第55旅団本部周辺で軍とシャリーア委員会戦闘員が激しく交戦、シャリーア委員会が旅団本部を制圧し、司令官ら6人を捉えた。

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ダルアー県では、SANA(7月25日付)によると、カラク村、西ムライハ村、バスラ-・シャーム市、サイダー町、ナワー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

レバノンの複数のメディアによると、7月16日にベカーア県ザフラ郡マスナア市で発生したヒズブッラーの車列を狙った爆弾テロの容疑者のシリア人がマジュダル・アンジャル市でレバノンの警察当局によって逮捕された。

諸外国の動き

ロイター通信(7月25日付)によると、マーティン・デンプシー米統合参謀本部議長は訪問先のポーランドで、シリア情勢に関して「軍事的解決を提言する前に、軍事的選択肢によって、現状よりもさらに過酷な苦しみが生じる失敗国家をもたられないと納得する必要がある」と述べた。

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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「我々はシリアからヒズブッラーへの最新兵器、大量破壊兵器の移転を許さない。これは越えてはならないレッド・ラインだ」と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、2011年初め以降のシリアでの死者数が10万人以上に達したと認めるとともに、「早急にジュネーブで和平大会を開催する必要がある」と述べた。

AFP, July 25, 2013, July 26, 2013、al-Hayat, July 26, 2013、Kull-na Shuraka’, July 25, 2013、Kurdonline, July 25, 2013、Naharnet,
July 25, 2013、Reuters, July 25, 2013、SANA, July 25, 2013、UPI, July 25,
2013などをもとに作成。

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