東トルキスタン亡命政府は、公式サイトを通じて、アフマド・シャルア移行期政権と中国の接近を非難する声明を出した。
声明の内容は以下の通り。
ワシントンD.C.
東トルキスタン亡命政府(ETGE)は、シャーム解放機構主導のシリア政府が、中国といわゆる「安全保障」・「テロ対策」協力だとして東トルキスタンを標的とした協調姿勢を示したことを、もっとも強い言葉で非難する。こうした協調は、中国による東トルキスタンへの虐殺、植民地化、占領の継続を支持するもので、シリアで犠牲を払ってきたウイグル人に対する直接的な裏切りである。ウイグル人は「シリア革命」への参加を通じてシャーム解放機構がアサド体制を打倒する上で重要な役割を果たした。
何万人ものウイグル人が、中国およびトルコの諜報ネットワークによってトルキスタン・イスラーム党(TIP)に勧誘されたが、それは、シリアが後に東トルキスタン解放を支援するという虚偽の約束に基づくものであった。ウイグル人戦闘員は、ヌスラ戦線(その後のシャーム解放機構)と共に戦闘に投入され、アサド体制との重要な戦いで砲撃の餌食として何千人もが戦死した。
東トルキスタン亡命政府は、1997年末に中国の同盟国パキスタンで設立されたトルキスタン・イスラーム党が、中国の諜報機関による「偽旗」組織であり、東トルキスタン独立運動をテロや国際的ジハードと虚偽に結びつけて弱体化させるために作られたものであると主張する。設立以来、トルキスタン・イスラーム党はウイグル人を民族解放闘争からそらし、外国の代理戦争に引き込み、中国に「ウイグル人テロ」の虚構の根拠を与えてきた。
「シリアの新政府が、いわゆる「安全保障」および「対テロ」の分野で中国との協力を拡大すると誓ったことは、シリア革命のために戦って命を落とした数千人のウイグル人に対する深刻な裏切りである」。東トルキスタン亡命政府大統領であるマムティミン・アラ博士はこう述べた。また続けて、「シリアは、中国の東トルキスタンにおける植民地化、虐殺、占領のキャンペーンを支持するのではなく、これを非難すべきだ」と付言した。
中国は2014年5月以降、シリアに存在したウイグル人戦闘員を口実に、東トルキスタンでの虐殺を正当化してきた。「テロ対策」という虚偽の名目の下で、何百万ものウイグル人、カザフ人、キルギス人、その他のテュルク系民族が、強制収容所や刑務所に投獄され、強制労働によって奴隷化され、数十万人の女性が強制不妊手術を受け、何百万もの胎児が中絶され、100万人以上のウイグル人の子どもが家族から引き離された。16,000を超えるモスクが破壊され、何百万というイスラームの書物が焼却され、文化・宗教的慣習は犯罪化されている。
シリアの新政府は、ウイグル人たちの犠牲に報いるどころか、中国の東トルキスタンにおける虐殺的政策と植民地主義的占領を非難することをせず、アサド体制の立場を踏襲し、「安全保障」および「対テロ」の名目のもとで北京との協力を拡大している。
信頼できる報告によれば、シリアはウイグル人戦闘員を中国へ引き渡すことを約束したとされる。公式には否定しているものの、北京で発表された共同声明は、シリアが中国の安全保障上の利益を守り、テロ対策協力を拡大することを明言している。ウイグル人を中国に引き渡すことは、国際法、特に送還禁止原則に違反し、彼らを拷問、投獄、処刑に晒すことになる。
東トルキスタン亡命政府は、東トルキスタンの闘争は、民族解放、脱植民地化、外的自決のための正当な闘いであり、テロ、過激主義、分離主義、宗教原理主義とは無関係であると強調する。シリアにいる大多数のウイグル人は、中国とトルコの諜報機関による搾取・操作の被害者である。彼らは、中国・トルコの諜報機関に操られたTIP指導部やイスラーム主義イデオローグから切り離され、保護され、再統合されるべきであり、中国に引き渡されてはならない。
シリア政府は、シリア国内のウイグル人の安全を脅かす、あるいは東トルキスタンの民族解放闘争を弱体化させる行為を直ちに停止すべきだ」。東トルキスタン亡命政府外務大臣のサーリフ・フダヤル氏はこう述べた。彼は続けて、「東トルキスタン亡命政府は、ウイグル人保護、世界の安全保障強化、東トルキスタンの人々の自由・独立・主権を回復する正当な闘いを支援する解決策を模索するため、シリア、米国、その他のパートナー国との協議に開かれている」と付言した。
東トルキスタン亡命政府は、すべての政府と国際機関に対し、ウイグル人を保護し、中国への強制移送を防ぎ、中国の植民地化と虐殺のキャンペーンに責任を追及し、1973年の国連決議第3070号に基づき、東トルキスタンの人々の自決・独立の権利を支持するよう求める。
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シリア・クルド国民評議会のムハ…