ダイル・ザウル県、ヒムス県とイドリブ県を結ぶ街道などで、ダーイシュが検問所を設置(2025年12月23日)

シリア人権監視団は、ダイル・ザウル県、ヒムス県とイドリブ県を結ぶ街道などで、ダーイシュ(イスラーム国)に所属すると見られる武装グループが検問所を設置するなどの動きが確認されていると発表した。

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シリア人権監視団
「イスラーム国」の細胞がダイル・ザウル、サフナ、イドリブで活動を確認
…ハマー=イドリブ間の道路での検問と拘束が組織の存続を示唆
2025年12月23日掲載
シリア人権監視団は、「イスラーム国」(IS)への所属が疑われる武装集団が、ダイル・ザウル県とサフナ、およびハマーとイドリブを結ぶ道路沿いのイドリブ県など複数の地域で活動を行ったと報告した。集団は主要道路に臨時の「流動的」検問所を設置し、市民を停止させるなど、ISに典型的な支配・威圧手法を用いた。
同団体によれば、武装集団は車輛を検査し、ハマーとイドリブを結ぶ道路で少なくとも1人を拘束。これは、標的となる治安作戦が繰り返されているにもかかわらず、ISの細胞がこうした地域に存続し、活動する能力を保持している証拠だとしている。
同団体は、治安の空白地帯におけるISの活動継続に警戒を呼びかけ、こうした事件が市民や主要道路の交通に対する脅威となると強調。関係治安機関に対し、監視強化と治安部隊の展開増強を要請し、地域におけるISや休眠細胞の動きを抑制するよう求めた。
以下は、同団体が記録したISの具体的な活動例である。
• 12月3日:シリア人権監視団の情報筋によれば、アレッポ県南部ザルバ町付近で、車輛に乗った武装集団が税関職員のパトロール隊を武装襲撃。ハーン・シャイフーン町出身の隊員2名が死亡、2名が負傷し、病院に搬送された。
• 12月14日:道路治安パトロール隊が、マアッラト・ヌウマーン地域の南橋付近(アル・ダルウィーシュ洗車場近く)で武装待ち伏せ攻撃を受けた。これにより隊員4名が死亡、他数名が負傷した。
• 12月15日:アレッポ県とダイル・ザウル県の郊外に臨時の「流動的」検問所が設置され、軍服にISの徽章を付けた武装要員が立った。一つはマンビジ近郊の「アル・アリーマ」地区、もう一つはダイル・ザウル県郊外のマイアディーン地区で確認され、同時に「バーディヤ線」(第2高速道路)にも検問所が設けられた。要員らは通行人を停止させ、軍人や治安要員を探して身分証明書を入念に検査した。
• 12月18日:ハマー県北部郊外で、ISの細胞とみられる武装要員4名が「流動的検問所」を設置。同県アル・ルバイン村の若者1名を停止させ、かつて「自由シリア軍」に所属していたか尋ねた。地元情報によると、要員らは若者を数分間拘束した後その場を去り、内務省系武装部隊が現場に向かった。
これらの活動は、一部の農村地域やハマー=イドリブ間の国際道路で治安が相対的に欠如している状況下で発生しており、ISが再編成を行い、地域に影響力を行使する能力を保持していることを示している。

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