シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会議長のガザール師:「シャルア移行期政権は、排除とタクフィールの手法で、マイノリティを抹殺しようとしている」(2026年1月15日)


被抑圧民族協会(公式サイト)は、によると、シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会議長のガザール・ガザール師とのインタビューを公開した。

インタビューでのガザール師の発言は以下の通り。

現在の移行期政権下でのアラウィー派の現実についてメディアが意図的に沈黙を続けるなか、我々住民の声を世界に届ける機会を与えてくださったことに感謝する。アラウィー派はシリア国民の不可欠な一部であり、その現状や政治的立場を理解せずして、シリアの全体像は完成しない。
私の現在の居場所についてですが、用心が運命から救ってくれるとは思っていない。ただし、正義と運命はアッラーの手の中にあると信じている。私はこれまでも、そして今もなお、国内の人々とともに、真剣で実効性ある活動を行う必要があると確信している。それゆえに、私は、シリアにおり、現在もここに留まっている。
この政権とその支持者のイデオロギーは、暴力と異なる考えを持つ者への蔑視に基づいている。彼らの手法は、排除とタクフィールだ。この政権は3月7日、アラウィー派に対する虐殺を通じてその本性を露わにした。宗派的理由に基づく殺害、誘拐、奴隷化が行われ、民族浄化を本格的に試みた。
この政権は、アラウィー派を政治生活および公的部門から完全に排除する政策を取っている。アラウィー派に対するいかなる脅迫も、私に対する脅迫だ。私は、殺害および逮捕の脅迫を受け、潜伏を余儀なくされた。私の家族全員も脅迫を受けた。医師である3人の子どもたちも職を離れ、身を隠さざるを得なくなった。
それでもなお、アラウィー派の生命と尊厳を守り、保護を求め、彼らに加えられた不正義を取り除くことが私の責任だ。我々は、世俗的で民主的な体制の下、少数派が国家と社会において平等な地位を占める真の連邦制を求めている。国境を越えたテロリズムを拒否する私の政治的立場が、この過激な権力と相反するため、状況を一層悪化させたことは確かだ。
この政権は脅迫にとどまらず、他者の殲滅を狙っている。それゆえ、シリア社会のすべて構成要素に対する恒常的な危険となっている。子ども、男性、女性を含むアラウィー派への虐殺、女性の誘拐と強姦、宗教施設の冒涜、象徴への侮辱、土地の焼き払いが行われた。これらの行為は、ドゥルーズ派、クルド人、キリスト教徒にも拡大している。
アラウィー派には自らの運命を決定し、痛み、抑圧、苦難を表明する権利がある。生活必需品をすべて奪われ、沈黙を続けることは不可能だった。アラウィー派は、事実上の支配者による扱いが変わらないことへの絶望を表すため、街頭に出た。アラウィー派のデモは完全に平和的で、暴力的事件は一切起きていない。
アラウィー派コミュニティは、シリアの危険性を十分に認識している。高い教育水準を持つエリート層は、現在の政治状況と、シリアを内戦へ引きずり込もうとする権力者の企図を見抜いている。連邦制という正当な要求を、あくまで平和的に表明したのはそのためだ。
アラウィー派の人生は屈辱に満ちており、その拒否を示したかったのだ。自由で名誉あるアラウィー派にとって、栄光ある地獄の方が、死と同義の現在のシリアでの生活よりましなのだ。彼らは、苦しみ、平和への願い、再び暴力に巻き込まれることへの拒否を示すため、決然と平和的呼びかけに応じた。
アラウィー派社会は規律と組織行動の能力を備えている。女性と子どもが男性とともに街頭に立ち、最大限の自制と慎重さを保ち、意識的かつ平和的に要求を表明した。
(昨年3月の事件の)犠牲者数は増加し続けている。あくまでも概算だが。正確な数を把握することは不可能だ。政権掌握後も侵害は続き、虐殺前から死亡・出生証明の発行が妨げられていた。虐殺中、数千の遺体が焼却され、海に投棄され、山頂から投げ落とされた。目的は民族浄化だ。我々は記録機関を有しており、近い将来、正確な数字を公表する予定だ。
ヒクマト・ヒジュリー師が率いるドゥルーズ派指導部、そしてクルド人指導部と直接連絡を取っている。クルド人同胞は、ハサカ県で初の国民対話会議を開催し、我々も参加した。また、シリア諸民族の代表団として、ジュネーブでの外交会合に参加した。将来のシリア国家像は、政治的分権と民主主義に基づくものだ。
シリアが統一を保つには、全シリア人が参加する政治プロセスのもと、憲法に明記された政治的に分権化された連邦制と、世俗的・民主的体制が不可欠だ。
我々は、多元的で世俗的な市民国家を求めている。宗教と国家の分離は、社会と国家のみならず、宗教そのものを政治的利用から守る。
女性の実質的参加を保障する制度が必要だ。我々の評議会では女性が指導的役割を担っている。社会を前進させる最大の要因は母です。女性は社会そのものだ。
トルコは地域的利益のため過激派を支援したが、結果として状況は悪化した。シリア危機の影響は必然的にトルコにも及ぶだろう。
アリー・イブン・アビー・ターリブはこう述べている。「人には二つの種類がある。一つは信仰においてあなたの兄弟である者、もう一つは被造物としてあなたと同じ存在である者」。
この人道的原則に基づき、我々はドイツ国民に訴えたい。世論、メディア、市民社会、選ばれた代表者、あらゆる民主的手段を通じて、シリアの少数派保護のため声を上げて欲しい。

なお、トルコを拠点とするシリア・テレビなどが13日に伝えたところによると、アフマド・シャルア暫定大統領は19日にドイツへの公式訪問を予定している。

だが、DWが14日に伝えたところによると、ドイツに在住するクルド人やアラウィー派はこの訪問を中止するよう求めている。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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