化学兵器禁止機関(OPCW)は、公式サイトを通じて、シリアでの化学兵器使用の実行者特定にかかる第5次報告書を公表したと発表した。
報告書は、2016年10月1日にハマー県のカフルズィーター市で発生した攻撃について、アサド前政権下のシリア空軍が実行者であったと信じるに足る合理的根拠があると結論づけた。
報告書作成にかかる調査は、2024年3月から2025年12月にかけて実施され、シリア政府(アフマド・シャルア移行期政権)が初めて調査特定チーム(IIT)の調査に協力し、同事件に関連する現地調査、情報・文書へのアクセスが可能となった。
これに基づき、シリア空軍が少なくとも1本の黄色い加圧シリンダーを投下し、それがカフルズィーター市の渓谷にある洞窟群に命中したと信じるに足る合理的根拠があると結論づけた。
この加圧シリンダーは、洞窟内に設置されていた病院付近の2ヵ所の換気口に衝突した後、転がり落ちて洞窟入口付近で停止した。
衝突時にシリンダーは破裂し、内部に加圧されていた塩素ガスが放出され、一帯に拡散、35人が負傷し、さらに数十人が被害を受けた。
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