自由シリア軍参謀委員会副司令官が「ヒムス陥落は時間の問題」としつつ自軍の窮地を訴える、民主統一党のアサーイシュが西クルディスタン人民議会とシリア・クルド国民評議会の地元評議会の交渉を受け6月27日のデモで逮捕していた人々を釈放(2013年7月5日)

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反体制勢力の動き

シリア人権監視団によると、反体制勢力が制圧する各地区で「大隊よ、注意し、目覚めよ」金曜日と銘打ってデモが行われ、反体制武装集団の統合、アサド政権打倒が呼びかけられた。

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ザマーン・ワスル(7月5日付)は、自由シリア軍参謀委員会副司令官でヒムス戦線司令官のファーティフ・ハッスーン大佐が、ヒムス市の人口の約30%を占めるアラウィー派とシーア派が「ヒムス市周辺の道路網を完全に掌握し…、兵站路は完全に包囲されており、武器を入れることが困難になっている」と述べたと伝えた。

ハッスーン大佐はまた「ヒムス市周辺には、レバノンからの兵站線を確保しているヒズブッラー、イランからの兵站線を確保しているアブー・ファドル・アッバース旅団がおり、ヒムス陥落は時間の問題だ」と付言した。

さらに「話題になっているのとは異なり、我々のもとに高性能兵器は届いていない…。我々を支援している国々は例外なく、条件付きで武器を供与しているだけだ。つまり、彼らはこの武器は特定の部隊に届けられねばならない、と言っているようなものだ。こうした部隊の代理人がやって来て、武器を受け取ってしまうこともある…。我々のもとには20%程度の武器が届いているだけだ」と主張した。

そのうえで「我々が保持する武器はきわめて乏しい。一戦線を武装するには不十分だ。一方、一部の部隊は必要以上の武器を持っていて、武器を供与する国々が要請しない限り戦闘に参加しない部隊もある。このことをクサイル市での戦闘で目の当たりにした。あるアラブの国が支援する部隊の一つは、その国の要請がなかったために、クサイルの戦闘に参加することを拒んだのだ。彼らが戦闘に参加していれば、クサイルは陥落しなかった」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、国連、シリアの友などに対して、軍が包囲するダルアーとヒムスへの人道回廊を設置し、「民間人を防衛するに充分な力を革命家に支援するべく緊急に行動」するよう呼びかけた。

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クッルナー・シュラカー(7月5日付)は、西クルディスタン人民議会とシリア・クルド国民評議会の地元評議会の交渉を受け、ハサカ県アームーダー市で、民主統一党のアサーイシュが6月27日のデモで逮捕した15人を釈放したと報じた。

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自由シリア軍参謀委員会は、シリア国内情勢に関する報告書をシリア革命反体制勢力国民連立総合委員会会合(4日からイスタンブールで開催)に提出、一部地域の「軍事化」への警鐘を鳴らした。

『ハヤート』(7月6日付)が報じた。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市の旧市街、ハーリディーヤ地区など各所で、軍、国防隊がヒズブッラーの支援を受けて、反体制武装集団と交戦、また軍が砲撃・空爆を行った。

なお『ハヤート』(7月6日付)は、反体制武装集団司令官の話として、ヒムス市内(全14地区)には5月以来4,000人の戦闘員が籠城していると報じた。

一方、SANA(7月5日付)によると、ハッバート地方、ヒムス市ジャウラ・シヤーフ地区、クスール地区、ワーディー・サーイフ地区、カラム・シムシム地区、ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ハウラ地方、カフルラーヤー市、タッルドゥー市、ラスタン市、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がアレッポ市アシュラフィーヤ地区への突入を試み、反体制武装集団が交戦した。

またハイダリーヤ地区を軍が砲撃する一方、ラーシディーン地区で反体制武装集団が軍戦車を破壊した。

このほか、ハーン・アサル市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月5日付)によると、ハーン・アサル市、マンナグ村、マンスーラ村、マーイル町、カフルハムラ村、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ではラーシディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市シュハダー地区を軍が空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のシャウラ検問所、同市近くの高台の軍拠点などを反体制武装集団が襲撃し、戦車1輌、装甲車2輌を破壊した。

またマルバイーヤ市が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(7月5日付)によると、ダイル・ザウル市労働者住宅地区、ハウィーカ地区、工業地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカナージブ市の街道で、反体制武装集団が旅客バスを襲撃、市民2人が死亡、複数が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ナビー・アイユーブ市、ジューズィフ市、バーラ村、イーナーター市、バルシューン市、マアッラト・ニウマーン市を軍が砲撃・空爆した。

これに対して、反体制武装集団はアリーハ市・アウラム・ジャウズ市間の街道沿いの検問所を砲撃した。

また反体制武装集団はブサンクール村の検問所でシリア軍の戦車を破壊する映像を公開した。

一方、SANA(7月5日付)によると、カフルハーヤー村、カフルシャラーヤー市、マジュダリヤー村、バルシューン市、アブー・ズフル市、イドリブ中央刑務所周辺、カフルルーマー村、カフルナブル市、ビンニシュ市、マガーラ村、マルイヤーン村、ムウタリム村、サースィム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダーナー市では、シャームの民のヌスラ戦線と反体制武装集団が衝突し、戦闘員14人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サーミヤ村にある軍の弾薬庫が爆発した。

複数の活動家によると、この爆発は、反体制武装集団の砲撃の直後に起きた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で反体制武装集団が軍の戦車1輌を破壊した。

またマイダーン地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

このほか、カーブーン区では、軍の砲撃によって負傷していたジャーナリスト1人が死亡した。

一方、SANA(7月5日付)によると、マイダーン地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民1人が死亡、子供3人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町周辺、ハジャル・アスワド市で軍と反体制武装集団が交戦し、ダーライヤー市が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(7月5日付)によると、アフマディーヤ市、ザマーニーヤ市、ダイル・サルマーン市、リーハーン農場、ドゥーマー市郊外、ズィヤービーヤ町、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジャバーター・ハシャブ市、タルナジャ市、アジュラフ村、マシャーイラ村、マアルバ町などに軍が砲撃を加えた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、ナワー市、ジーザ町、ブスラー・シャーム市などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(7月5日付)によると、ダーイル町、タファス市、ムザイリーブ町、ヤードゥーダ村、ナーフィア村、シャジャラ町、スィヒム・ジャウラーン市、ダルアー市、ナースィリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

レバノンの声(7月5日付)などによると、ベカーア県バアルベック郡ナビー・シート村、フドル村で、「自由シリア軍」とヒズブッラーの戦闘員が交戦した。

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LBCI(7月5日付)は、南部県サイダー郡アブラー市のサラフィー主義指導者アフマド・アスィールは、アブラー市脱出後、整形し、シリア国内に潜伏している(未確認情報)と報じた。

諸外国の動き

『ハヤート』(7月6日付)によると、FAOとWFPは5~6月にかけてシリア国内で現地調査を行い、小麦生産量が紛争前の40%に落ち込むなど、紛争により農業が深刻な打撃を被っているとの報告書を作成した。

AFP, July 5, 2013、al-Hayat, July 6, 2013、Kull-na Shuraka’, July 5, 2013、Kurdonline, July 5, 2013、Naharnet,
July 5, 2013、Reuters, July 5, 2013、SANA, July 5, 2013、UPI, July 5, 2013、Zaman
al-Wasl, July 5, 2013などをもとに作成。

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