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アサド大統領は『サウラ』紙のインタビューに応じた。
SANA(7月3日付)によると、アサド大統領はエジプト情勢に関して「いわゆる政治的イスラームの崩壊」と位置づけ、「政治、ないしは特定集団のために宗教を持ち出し、利用してきた者は世界のどこでも退陣するだろう」と述べた。
そのうえで「ムスリム同胞団の支配の経験は始まる前に頓挫した。なぜなら、こうした支配は人々の性格と合致することがないからだ。同胞団の計画は実際のところ、アラブ世界に内乱を引き起こすことをめざした偽善に満ちた計画で、意識の高い社会では持続し得ない」と付言した。
『サウラ』(7月3日付)によると、インタビュー全文は7月4日号に掲載される。
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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、『インディペンデント』(7月3日付)のインタビューで、「米国は自らが武器供与する過激派を制御などできない…。反体制派に資金や武器を供与しているが、彼らを制御できず、誰も米国には耳を傾けていない。米国は2年間、彼らを統合しようとしてきたが、分裂は進み、この半年、事態はシリア政府に有利に動いている」と述べた。
また、デヴィッド・キャメロン首相とウィリアム・ヘイグ外務大臣に関して「過激派に武器を供与し、軍事バランスが彼らにとって有利に傾くと考えているとは、まったく愚かで間違っている」と非難した。
シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長は滞在先のドーハで声明を出し、4日にイスタンブールで開催予定の連立総合委員会会合に関して、「互いに対立するのではなく、体制に対抗するコンセンサスに達した反体制勢力でありたい…。もしコンセンサスに達しなければ、深刻な分裂が生じるだろう」と警鐘を鳴らした。
一方、国内情勢に関しては、反体制武装集団の劣勢を「イラン、ヒズブッラーの部隊、イラクが派遣したマーリキー(イラク首相)の部隊の侵略」の結果だと断じ、「シリア国民に武器を供与するための計画を依然として期待している」と述べ、西側諸国に武器供与を求めた。
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ハビーブ・ムスタファー旅団は声明を出し、アブー・バッシャール・サクバーに代えて、ハールーン・ラシード旅団司令官のアブー・ハサンを副司令官に任命したと発表した。
ハビーブ・ムスタファー旅団はダマスカス郊外県で活動する反体制武装集団の連合体で、2013年2月3日、ダマスカス県アダウィー街道・バグダード街道交差点の検問所を襲撃した。
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俳優のジャマール・スライマーンは声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立加入後の連立の活動に不満の意を示し、辞意を表明した。
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市、ムライハ市周辺、アルバイン市、サクバー市、ナシャービーヤ町、ダーライヤー市、ザマルカー町、ハジャル・アスワド市などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。
これに対し、反体制武装集団はクタイファ市の軍第155旅団の本部に砲撃を加えた。
一方、SANA(7月3日付)によると、アイン・タルマー村、アルバイン市、ハラスター市、ドゥーマー市、ヤブルード市、ワーディー・アアワジュ地方で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カッサーア地区のジョルジュ・フーリー広場に迫撃砲が着弾した。
一方、SANA(7月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアマーラ地区の住宅街とカッサーア地区のカルーロス教会に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供1人が負傷した。
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『ハヤート』(7月4日付)によると、シリア軍のヘリコプターが、イドリブ県ザーウィヤ山で、反体制武装集団に「投降」を呼びかけるビラ(通行許可書)を散布した。
ビラには「残されたチャンスを活かせ。正しい判断を下せ。自らを危険に曝すな。家族とともにいることがあなたのためになる。武器を棄て、最寄りの検問所に直ちに出頭せよ」と書かれているという。
シリア人権監視団によると、ラーミー村、ムハムバル村、ラタキア・アレッポ街道沿いなどで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。
一方、SANA(7月3日付)によると、カフルシャラーヤー市、アーリヤ市、マーニア市、ブサンクール村、ムウタリム村、タッル・マルディーフ市、ブワイティー市、ハーン・サブル市、シャイフ・ダーミス市、カフルバッティーフ市、カフルアウム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のラサーファ地区、ハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、旧空港地区、マリーイーヤ村などで、軍と反体制武装集団が攻撃、軍が砲撃を加えた。
一方、SANA(7月3日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、工業地区、スィーニマー・フアード地区、フワイジャ地区、ジスル・スィヤーサ地区、ブーサイード村、フワイジャ・マリーイーヤ村、マリーイーヤ村、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャイフ・イスラーム大隊、アブー・バクル・スィッディーク大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・アサル村で、軍と反体制武装集団が交戦、後者の司令官1人が死亡した。
また軍は、アレッポ国際空港周辺を空爆した。
アレッポ市では、ラーシディーン地区、ハムダーニーヤ地区で、軍と反体制武装集団が交戦、複数の消息筋によると、反体制武装集団は軍のラーシディーン地区で戦車2輌を破壊、ハムダーニーヤ地区とハーン・アサル村を結ぶ街道やダマスカス・アレッポ国際幹線道路を遮断、アレッポ国際空港街道に向かって兵を進めたという。
このほか、マイサルーン地区に複数の迫撃砲が着弾、カーティルジー地区で軍に逮捕された市民1人の遺体が発見された。
一方、SANA(7月3日付)によると、マーイル町、フライターン市、マンナグ村、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市旧市街各所(ウマイヤ・モスク南部など)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市マイダーン地区の住宅街に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、子供2人が死亡した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市南部、ムザイリーブ町、シャイフ・ミスキーン市、ブスル・ハリール市を軍が砲撃・空爆した。
一方、SANA(7月3日付)によると、(東)カラク村、シャブラク村、ナースィリーヤ村、ヌアイマ村、タファス・ダーイル街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またムザイリーブ町の街道で、反体制武装集団が略奪品の分配をめぐって衝突し、複数の戦闘員が死傷した。
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ラタキア県では、SANA(7月3日付)によると、サーキヤ・クルト村、ズワイク村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。
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ラッカ県では、SANA(7月3日付)によると、マナーヒール地方で、軍が反体制武装集団のアジトを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、対イラク国境に近いタッル・ブラーク町を軍が空爆した。
一方、SANA(7月3日付)によると、タッル・ブラーク町、ヒッティーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アクラブ町、ラターミナ町などで、軍と反対し武装集団が交戦した。
一方、SANA(7月3日付)によると、カルアト・マディーク町、カフルヌブーダ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市郊外のバイダー町に軍が突入した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、旧市街などへの砲撃を軍が続けた。
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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジャッバー村周辺を軍が砲撃した。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はアルジェリア紙『ハバル』(7月3日付)のインタビューで、「考えられているのとは異なり、我々にはシリアにおいて戦略的狙いなどない。自分たちの意思を押し付けるために影で人形を操ってもいない。我々がめざしているのは、シリア人が自分たちの将来を民主的に、そして主権に基づいて決定できるようになることである」と述べた。
またラブロフ外務大臣は「我々はシリアの内紛に干渉はしない…。我々は明確、かつ無条件にテロ行為や過激な行為、とりわけ宗教・宗派的憎悪を動機とする犯罪を…非難する」と付言した。
さらに「我々は前提条件を示して対話のテーブルに着くことを拒むすべての者が行っていることに同意しない。彼らは事態をさらなる対立、暴力、流血に導き、力尽くで現体制を崩壊させるという欲望を実現しようとしているだけだ」と強調した。
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『ハヤート』(7月4日付)は、安保理の外交筋の話として、ヒムス市で包囲されている市民への人道支援を受け入れるようシリア政府に求める決議案(英国提案)の審議の「延期」をロシアが求めたと報じた。
AFP, July 3, 2013、al-Hayat, July 4, 2013、The Independent, July 3, 2013、Kull-na Shuraka’, July 3, 2013, July 4, 2013、Kurdonline,
July 3, 2013、Naharnet, July 3, 2013、Reuters, July 3, 2013、SANA, July 3,
2013、al-Thawra, July 3, 2013、UPI, July 3, 2013などをもとに作成。
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