シリア革命反体制勢力国民連立の新議長はサウジアラビアが後援するジャルバー氏に、イドリブ県ではイドリブ自由青年連合が「アル=カーイダとつながりがある」反体制武装集団と交戦(2013年7月6日)

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シリア政府の動き

アサド大統領は、アルジェリアの政治、メディア、研究関係者からなる青年使節団(アブドゥルマジード・ハーミディー団長)とダマスカスで会談した。

SANA, July 6, 2013

SANA(7月6日付)が報じた。

反体制勢力の動き

イスタンブールで開催中のシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会(定数114人)は、正副議長、事務局長の選挙を実施し、シリア民主主義者連合(民主ブロック、22人)のアフマド・アースィー・ジャルバー氏を新議長に選出した。

議長選挙には以下6人が立候補し、投票は5、6日の2日に分けて行われた。

ジョルジュ・サブラー暫定議長(シリア国民評議会事務局長)
ブルハーン・ガルユーン(シリア国民評議会元事務局長)
アフマド・アースィー・ジャルバー
ムスタファー・サッバーグ事務局長
ルワイユ・サーフィー(イスラーム主義者)
ズィヤード・アブー・ハムダーン

初日の第1回投票では、ジャルバーが49票、サッバーグが46票、サーフィーが10票、アブー・ハムダーンが2票を獲得、過半数を獲得した立候補者がいなかったため、決選投票の実施が決定された。

2日目に行われた決選投票では、ジャルバーが55票、サッバーグが52票を獲得し、ジャルバーの当選が決まった。

ジャルバーには、民主ブロックのほか、自由シリア軍ブロック(15人)、世俗派ら投票したという。

ジャルバーは、1969年、ハサカ県カーミシュリー市生まれ。シャンマル部族のシャイフの一人。

なお、地元評議会ブロック(14人)を代表するサッバーグは、議長職の落選により、事務局長職も失った。

クッルナー・シュラカー(7月5日付)によると、ジャルバーはサウジアラビアが、サッバーグはカタールがそれぞれ後援していた。

al-Hayat, July 7, 2013

一方、副議長選挙には、以下の4人が立候補した。

スハイル・アタースィー副議長
ムハンマド・ファールーク・タイフール(シリア・ムスリム同胞団)
サーリム・ムスラト
ワースィル・シャマーリー

投票により、アタースィーは副議長に再選(76票獲得)、またタイフールが新副議長に選出された。

事務局長選挙には、以下の3人が立候補した。

ウンス・アブダ(公正建設党党首)
バドル・ジャームース
ハーディー・バフラ

第1回投票では、アブダが49票、ジャームースが42票、バフラが18票を獲得、決選投票で、ジャームースが54票を獲得して、新事務局長に当選した。

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クッルナー・シュラカー(7月6日付)によると、ミシェル・キールーが代表を務めるシリア民主フォーラムが事務局、政治局の選挙を行い、キールーが政治局メンバーから落選した。

同報道によると、選挙は3日にわたって行われ、新政治局には、リーム・ファルハ、サミール・イータ、マズィン・ガリーバが当選したという。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は、DPI(7月6日付)に対して、エジプトの政変を「軍事支配に再び戻ることは間違いで…、不安定をもたらす危険がある」と述べた。

また「我々シリアの同胞団は、アサド体制が崩壊後、民主的で自由な選挙を実施することをみなと合意しており、いかなる結果をも受け入れる…。たとえ共産党が勝ってもだ」と強調した。

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ヒムス県議会(反体制勢力の自治評議会の一つ)メンバーで反体制活動家のワースィフ・シャマーリーは、AFP(7月6日付)に対して、「シリア軍、ヒズブッラー、イランが行う猛攻撃に抗議する一方、国際社会が何もしない状況を踏まえ、(シリア革命反体制勢力国民連立への)参加資格を停止する」と発表、シリア革命反体制勢力国民連立に抗議の姿勢を示した。

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ダルアー県軍事作戦司令室は、ダルアー軍事評議会のアフマド・ファフド・ニウマ議長(大佐)を解任し、革命法廷に起訴することを決定した。

解任の理由に関して、作戦司令室は「革命家の隊列に継続的に亀裂をもたらそうと活動し、彼らの間に内乱をもたらし、彼らどうしの戦闘を煽動した」と発表した。

またニウマ議長のこうした行動ゆえに「ヒルバト・ガザーラ町とムライハ市(ダマスカス区外県が陥落」し、さらに「ハウラーン(地方)にとどまり、革命家たちとともに戦闘に参加することを拒否し、アンマンのホテルに拠点を構えた」と非難した。

『ハヤート』(7月8日付)などが報じた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アサーリー地区、カーブーン区周辺、バルザ区、ヤルムーク区、マイダーン地区、ナフル・イーシャ地区、南部環状道路沿いに軍が空爆・砲撃を行う一方、カダム区ブール・サイード地区に突入しようとした軍と反体制武装集団が交戦した。

またザブラターニー地区で、軍と反体制武装集団が交戦したという。

一方、SANA(7月6日付)によると、軍がカーブーン区で反体制武装集団の掃討を完了し、同地区の治安を回復した。

またバルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市、ザマルカー町などに、軍が空爆を行った。

一方、SANA(7月6日付)によると、軍がサイイダ・ザイナブ町の避難民キャンプ北西部で反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またフジャイラ村、ハラスター市郊外、ドゥーマー市郊外、ザマルカー町、アルバイン市、バハーリーヤ市郊外、タッル市郊外、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、第15旅団基地近くの軍拠点を反体制武装集団が砲撃、またスィヒム・ジャウラーン市、ジーザ町などを軍が砲撃した。

一方、SANA(7月6日付)によると、ジャースィム市内の反体制武装集団のアジト(爆弾製造所)で爆発が起き、戦闘員10人が死亡した。

またジーザ町、西ガーリヤ村、ヌアイマ村、(東)カラク村、ムサイフラ町、サフワ村、ブスラー・シャーム市、サフワ・カムフ市、ハイト村、シャジャラ町、スィヒム・ジャウラーン市、ダルアー市内各所で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区など各所が、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(7月6日付)によると、ヒムス市ワアル地区、カラービース地区、クスール地区、ワルシャ地区、バーブ・スィバーア地区、バーブ・フード地区、タドムル市、キースィーン市、カフルラーハー市、タッルドゥー市、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、AFP(7月6日付)は、レバノンのベカーア県バアルベック郡マシュルーウ・カーアに面するシリア領内の国境地帯にシリア軍が土塁の建設・増強を始めたと報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マアーッラト・アルティーク村で爆弾が仕掛けられた車が爆発(自爆)し、軍の兵士複数名が死傷した。

またアレッポ市アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、ハムダーニーヤ地区、タッル・リフアト市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月6日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、ヒーラーン村、ムスリミーヤ・アレッポ街道沿い、アレッポ・イドリブ街道沿い、マンナグ村、マンナグ軍時飛行場周辺、カフルダーイル村、ワディーヒー村、フライターン市、カースティールー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市ガザル地区の学校近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、軍の兵士2人が死亡、複数が負傷した。

これに関して、SANA(7月6日付)は、ハサカ市ガザル地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民1人が死亡、5人が負傷したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ムハムバル村、マアッラト・ヌウマーン市、ラファキーヤ村、シャッターン村、サルジャ村、サンガラ市、イーナーター市、カムルミード市、アブー・ズバイル市、シャジャラ・イラーキーヤ市、バフタームーン市、ハディーディーヤ市、ブサンクール村、イフスィム町で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、イドリブ自由青年連合を名のる武装集団は、「アル=カーイダとつながりがある」反体制武装集団とダーナー市で交戦し、数十人の戦闘員を殺傷、拘束したと発表した。

これに関して、シリア人権監視団は、「デモに発砲したイラク・シャーム・イスラーム国に抗議するかたちで戦闘が発生したとしたうえで、イスラーム旅団の司令官を含む2人の首を切断された遺体が発見された、と発表した。

しかしイドリブ県の活動家によると、この戦闘は「デモであったというよりは権力闘争だった」と証言した。

他方、SANA(7月6日付)によると、マジャース市、アブー・ズフール市、マサーキン市、ブワイティー市、カフルルーマー村、バーラ村、イブリーン村、バルシューン市、マガーラ村、バルユーン・ラーミー村、カフルシャラーヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサラーキブ市では、略奪品の分配をめぐって、反体制武装集団どうしが衝突し、複数の戦闘員が死傷した。

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タルトゥース県では、SANA(7月6日付)によると、バーニヤース市郊外の農場にある反体制武装集団のアジトで、取引が禁じられてる大量の化学物質を関係当局が発見・押収した。

押収されたのは、ポリエチレングリコール79缶、モノエチレングリコール67缶、モノエタノールアミン25缶、ジエタノールアミン68缶、トリエタノールアミン42缶。

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ラタキア県では、SANA(7月6日付)によると、上ズワイク村、ダイル・ハンナー村、ワーディー・シャイハーン村、カンダースィーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、チェチェン人など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(7月6日付)によると、ガーブ地方で軍がシャームの民のヌスラ戦線メンバーの拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

諸外国の動き

オーストラリアとルクセンブルグが国連安保理に共同提出していたヒムス市への人道支援に関する決議案に対して、ロシアは「二重基準」だと指摘、軍が包囲するヒムス市だけでなく、反体制武装集団が包囲する他の都市にも人道支援を行うべきだと主張、決議案を拒否する姿勢を明示した。

AFP(7月6日付)が報じた。

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AFP(7月6日付)によると、シリア国内で2月前に失踪したドイツ人3人のうちの2人が遺体で発見されたとドイツ外務省が発表した。

ドイツ外務省は2人の身元については明らかにしなかったが、5月中旬にイドリブ県で誘拐されたグリューンヘルメ(Gruenhelme、緑のヘルメット)の3人のうちの2人だと思われる。

AFP, July 6, 2013、DPI, July 6, 2013、al-Hayat, July 6, 2013, July 7, 2013, July 8, 2013、Kull-na Shuraka’, July 5, 2013,
July 6, 2013, July 7, 2013、Kurdonline, July 6, 2013、Naharnet, July 6, 2013、Reuters,
July 6, 2013、SANA, July 6, 2013、UPI, July 6, 2013などをもとに作成。

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