ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)はダマスカスで記者会見を開き、シリア政府が、ダーイシュ(イスラーム国)に代表される過激派に対する「テロとの戦い」において、米国や国際社会と協力する用意があると述べる一方、シリア国内へのいかなる軍事的攻撃も、シリア政府との事前の調整なくしてあり得ないと強調した。

SANA, August 25, 2014

記者会見でのムアッリム外務在外居住大臣の主な発言は以下の通り。

「我々は、地域諸国、国際社会とテロとの戦いで協力、調整する用意がある…。(協力の協力は、米国、英国であっても)みな歓迎する…。(テロ戦争での国際協調が)今後のシリアの外交の基軸となる」。

「テロとの戦いにおける地域的、国際的協調を行ううえで、ロシアが地域社会、国際社会の双方で行動することが重要だ…。ロシアとシリアの姿勢は完全に合致している」。

「我々は米国との協調、協力の準備がある。なぜなら、我々は地元の民であり、どのような空爆が効果的か、また効果的でないかを知っているからだ。それゆえ、シリア国内で攻撃を行おうとする者が、たとえテロとの戦いを行いたいとしても、我々との協調がなければ、いかなる正当性もない」。

(米国がシリア政府との事前協議なくシリア国内での空爆に踏み切った場合)「我々には防空態勢があり、協調がなされなければ、我々はこの段階(防空態勢)に入る…。我々は敵対行為を回避するため事前に協力、協調を求める…」。

「我々はシャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュに対抗しようとするあらゆる努力を歓迎する。しかし問題は、空爆だけでヌスラやダーイシュをシリアから根絶できるかということだ。そうは思えない」。

(サウジアラビアで25日に開かれたサウジアラビア、カタールなどアラブ諸国5カ国外相会合に関して)「会合の目的がテロとの戦いの支援であるならば、会合出席者にこう言いたい。まずは自分たちから始めよう。テロ組織への支援、資金供与、潜入の停止、国境管理、我々との情報共有、思想的・イデオロギー的煽動の停止…。こうしたことを通じて我々はテロと戦っているのだ」。

(欧米諸国がアル=カーイダ系組織以外の「穏健」な反体制武装集団への支援に固執していることに関して)「テロリストを穏健かどうかで分類することは…お笑い沙汰だ。我々にとって、シリア政府に対して武器を構える者すべてがテロリストだ。罪のない市民、シリア軍兵士を殺害する者すべてがテロリストだ」。

「我々(シリアとイラク)は共通の敵と戦っており、同じ戦列に身を置いている。調整と協調が、両国国益のため、両国政府に求められている」。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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