ヒムス県クサイル市の掌握をかけて軍・ヒズブッラーと反体制武装集団が激しい交戦を繰り広げるなか、ロシア国営の軍用機メーカーがアサド政権に戦闘機10機以上を輸出することを発表(2013年5月31日)

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国内の暴力

ヒムス県では、『ハヤート』(6月1日付)などによると、アレッポ県で反体制活動を行っているタウヒード旅団などからなる武装集団の戦闘員数百人がクサイル市に増援部隊として入った。

同報道によると、反体制武装集団は、ヒズブッラーの支援を受ける軍の攻勢により、クサイル市の3分の2以上を失ったが、市内中心部を依然として掌握しているという。

一方、SANA(5月31日付)によると、レバノン領からクサイル市郊外のスィルハーニーヤ村に潜入しようとした反対武装集団を軍が撃退した。

またクサイル市内南西部で軍は反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに東ブワイダ市、フーシュ村、ダール・カビーラ村、タッルダハブ市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーラーン市、ハンタ村、ダフシュ村などが軍の砲撃を受けた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ルバイア地方の村々が、軍の砲撃を受けた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に面するザーウィヤ山に軍の装甲車、戦車が進入し、戦闘機・ヘリコプターが空爆を行った。

一方、SANA(5月31日付)によると、ハマーマ村、シュグル村、マアッラトミスリーン市・イドリブ街道、イドリブ・サルミーン街道、マアッラト・ヌウマーン市、アブー・ズフール航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市のマハッタ地区、ヌアイマ村、ムハッジャ村、サイダー町などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

またヨルダンのジハード主義潮流の指導者の一人ムハンマド・シャラビー(アブー・サイヤーフ)は、UPI(5月31日付)に対して、ダルアー市での軍との戦闘でヨルダン人ムジャーヒドゥーン4人が死亡したと発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・バラダー地方のアイン・サーヒブ市郊外で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月31日付)によると、サカー市、タッル・サカー市、ダブラ市、マンスーラ村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またバイト・サフム市では、ダマスカス国際空港街道沿いの幅1.5キロの一帯を軍が完全制圧した。

このほか、バイト・サフム市、ムライハ市、ハラスター市、リーマー農場、ランクーシュ市で、軍が反体制武装集団を追撃し、イスラーム軍、アッラーの獅子大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区などを軍が砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ハウィーカ地区、ムーハサン市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ハウィーカ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ中央刑務所周辺、バヤーヌーン町、マンナグ航空基地周辺、アレッポ市アレッポ城周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月31日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺が、マンナグ航空基地周辺、シャイフ・ナッジャール市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

その他の国内の動き

アサド政権寄りのレバノン日刊紙『ディヤール』(5月31日付)は、ラーミー・マフルーフの資産が100億ドルから110億に増大したとの米『フォーブス』誌の報道を「信憑性が高い」としたうえで、過去数年間の営利活動だけでいかにしてこれだけの資産を得たのかと自問する記事を掲載した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は、声明を出し、イスタンブールでの総合委員回会合で、新規メンバー51人の参加を認め、代表メンバーを114人に拡大させたと発表した。

51人の新規メンバーの内訳は以下の通り:

革命運動体メンバー14人
自由シリア軍メンバー15人
シリア国民評議会2人
民主リスト(シリア民主主義者連合)17人
地元評議会1人
無所属2人

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首はCNN(5月31日付)に対して、「レバノンでスンナ派とシーア派は共存せねばならず、ヒズブッラーとの対決は何らの結果をもたらさないだろう…。同党と対峙することは、イラクとシリアで始まっている宗派主義の罠にレバノンを陥れることになる」と警鐘を鳴らし、「我々はこの問題(ヒズブッラー)への対処において忍耐強く、そして冷静にならねばならない」と述べた。

一方、シリア情勢について「世界と米国は、バッシャール・アサドの退任など、多くの約束をしておきながら、シリア国民を放置しようとしている」と非難、「西側はシャームの民のヌスラ戦線を悪魔だというが、それは違う。アサドが悪魔なのだ」と述べた。

諸外国の動き

インテルファクス通信(5月31日付)などによると、ロシア国営の軍用機メーカー、ミグ社のセルゲイ・コロトコフ社長は、アサド政権にミグ29戦闘機を10機以上輸出することを明らかにした。

コロトコフ社長は「シリアの使節団とモスクワで契約の詳細を詰めている。(ミグ29は)供与されるだろう」と述べた。

これに関して『コメルサント』(5月31日付)は、シリアへの戦闘機輸出契約が2007年に結ばれたが、供与は先送りにされてきたと報じた。

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ジョン・ケリー米国務長官は、シリア革命反体制勢力国民連立がジュネーブ2会議への参加を拒否する姿勢を示したことに関して、「反体制勢力は出席すると確信している」と述べた。

ケリー国務長官はまた、ロシアがシリアにS-300防空システムの供与を準備している問題に関して、「(ジュネーブ2会議の)準備を進めている時に供与するのは会議実現に資さない」と批判した。

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『ワールド・トリビューン』(5月31日付)は、70%のシリア国民が現体制とアサド大統領を支持している、とする報告書をNATOがまとめたと報じた。

同報告書は、西側諸国が支援する活動家や組織によって集められたデータをもとに作成され、それによると、残り30%のうち、反体制勢力を支持するのは10%に過ぎないという。

http://www.worldtribune.com/2013/05/31/nato-data-assad-winning-the-war-for-syrians-hearts-and-minds/

AFP, May 31, 2013、CNN, May 31, 2013、al-Diyar, May 31, 2013、al-Hayat, June 1, 2013、Kull-na Shuraka’, May 31, 2013、Kurdonline, May 31, 2013、Naharnet,
May 31, 2013、Reuters, May 31, 2013、SANA, May 31, 2013、UPI, May 31, 2013、The World Tribune, June 3, 2013などをもとに作成。

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