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ヒムス県では、SANA(5月27日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ワーディー・サーイフ地区、カラービース地区、タドムル市東部、ダーラ・カビーラ市、ラスタン市、サアン農場、カフルラーハー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またベカーア県バアルベック郡アルサール市からシリア領内に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。
一方、ヒムス市ワアル地区のガソリン・スタンド近くで、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民6人が死亡、4人が負傷した。
また、クッルナー・シュラカー(5月27日付)によると、ヒムス県国民和解委員会のアフマド・シャッアール議長がクサイル市で何者かに暗殺された。
シャッアール議長は、反体制武装集団が拉致した市民らの釈放などの交渉で尽力してきた人物。
さらに、SANA(5月27日付)などによると、イフバーリーヤ・チャンネルの女性特派員ヤーラー・アッバースさんがヒムス・クサイル街道で反体制武装集団の銃撃を受け、重傷を負い、死亡した。
他方、SANA(5月27日付)によると、ヒムス市のバアス大学でテロ掃討を行うシリア軍への支持を表明するための集会が行われ、アフマド・ムニール・ムハンマド県知事らが出席、また多くの住民が参加した。
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ハマー県では、SANA(5月27日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月27日付)によると、ラアス・アイン市に近いタッル・ハルフ村でシャームの民のヌスラ戦線と民主統一党人民防衛隊が交戦した。
また、ウスフーリーヤ村で、シャッラービーン部族の民兵がクルド人音楽家2人を含む3人を誘拐した。
一方、SANA(5月27日付)によると、ハサカ市ヌシューワ地区の検問所に対して、反体制武装集団が攻撃を加えたが、軍が撃退、複数の戦闘員を殺傷、武器を破壊した。
他方、AKI(5月27日付)は、ギリシャ正教会の主教の話として、ラアス・アイン市にあるキリスト教関連の施設は、そのすべてが反体制武装集団によって破壊されてしまったと報じた。
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ダマスカス郊外県では、SANA(5月27日付)によると、ムライハ市、タルフィーター村、ズィヤービーヤ町、ハーン・シャイフ・キャンプ、アルバイン市、ハラスター市、ダイル・サルマーン市、アフマディーヤ市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、SANA(5月27日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またハラスター市との境にある、県の北部の入り口で、旅客バスが反体制武装集団の発砲を受け、市民4人が負傷した。
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アレッポ県では、SANA(5月27日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、アウラム・クブラー市、フライターン市、マンナグ航空基地周辺、アレッポ市カースティールー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(5月27日付)によると、ナイラブ村、カフルルーヒーン村、タフタナーズ市、アルバイーン山、アブー・ズフール航空基地周辺、マアッラト・ニウマーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(5月27日付)によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ハウィーカ地区、工業地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラタキア県では、SANA(5月27日付)によると、ジュッブ・アフマル村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、サウジアラビア人など外国人戦闘員を殺傷した。
イスタンブールで総合委員会会合を続けるシリア革命反体制勢力国民連立は、新規メンバー参加に関する信任投票を行い、21人が参加を承認された。
投票は新規参加を求める40人を対象に行われ、このうち25人がミシェル・キールーが代表を務め、西側諸国が参加を支持しているシリア民主主義者連合の代表者だった。
投票では、リヤード・サイフ副議長が主導する12人が、シリア民主主義連合代表者の参加を支持したが、25人のうち、参加を承認されたのは8人にとどまった。
新規参加を承認された8人は、ミシェル・キールー、アンワル・バドル、アイマン・アスワド、ジャマール・スライマーン、ウルヤー・マンスール、ファラフ・アタ-スィー、ヌール・アミール、アフマド・アブー・ハイイル・シュクリー。
この投票結果に関して、連立メンバーのムンズゥル・マーフースは「非常に悪いことだ、災難だ」と遺憾の意を示した。
またこの投票結果を受け、サイフ副議長ら12人は連立脱会の検討に入ったという。
シリア革命反体制勢力国民連立は23日から総合委員会を開催し、新規メンバーの参加、新議長選出、移行期政府首班の進退、ジュネーブ2会議への参加の是非をめぐって審議を行う予定だったが、新規メンバー参加の是非をめぐって審議が難航し、それ以外の審議事項についてはほとんど議論がなされていない、という。
なおクッルナー・シュラカー(5月27日付)によると、新規メンバー参加をめぐる混乱に対処するため、シリア革命反体制勢力国民連立は10日間の会合の延期を決定した。
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シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会での投票で参加を承認されたシリア民主主義者連合のファラフ・アタースィーはフェイスブックを通じて声明を出し、「革命や革命家以外をもって評価されたくない」と述べ、連立に参加しないことを表明した。
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民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部は声明を出し、26日のダマスカスの会合で、「交渉に基づく合同プログラムのもと、シリアの反体制勢力の合同使節団結成をめざし、シリアの和平に関する国際大会(ジュネーブ2)を成功させるべく活動する」ことを決定したことを明らかにした。
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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は訪問先のスワイダー市で、「我々は帰路に立たされている。政治的解決か、軍事的解決か。一部の反体制勢力と外国の過激派は、軍事的解決を通じた体制打倒をめざしている。体制は暴力による革命弾圧を望んでいる。これにより革命は暗礁に乗り上げてしまった。しかもヒズブッラーなど体制を支持する軍が介入することで、事態は代理戦争に陥っている」と述べた。
そのうえで「国際社会、アラブ諸国、地域が保障しない交渉は失敗するだろう。我々が多元的・民主的体制を構築できる保障は事実上ない」と付言、「6月2日から6日にカイロで、調整委員会、シリア民主フォーラム、そしてクルド人が会合を開き、ジュネーブ2に参加するための合同政治的ヴィジョンを構築する」と発表した。
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シリア人権監視団は、5月19日以降のクサイル市などでの戦闘で、ヒズブッラーの戦闘員79人が殺害されている、と発表した。
AFP(5月27日付)が報じた。
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シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・サーリフ(在イスタンブール)は、EU外相理事会での武器禁輸緩和を正当化するかのように、ダマスカス郊外県ハラスター市で軍がサリンガスを使用し、少なくとも7人が死亡、200人以上が中毒症状に陥ったと主張した。
シリア中央銀行のアディーブ・マイヤーラ総裁は『ティシュリーン』(5月27日付)に対して、イランに対して40億ドル相当の追加融資を行うことを明らかにした。
追加融資のうち10億ドル相当がシリアからの輸入産品などに対して、30億ドルが石油および石油関連製品に対して行われるという。
NNA(5月27日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡ヘルメル市にシリア領から発射された迫撃砲弾複数発が着弾し、17歳の女性1人が死亡、4人が負傷した。
EU外相理事会がブリュッセルで開かれ、EUによるシリアへの武器禁輸措置の解除について審議を行った。
フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアでの紛争に対するEU加盟諸国の分裂が「ジュネーブ2会議におけるEUの役割を低下させる」と警鐘を鳴らし、「反体制勢力の抵抗力を強化するために軍事的可能性を与えねばならない」と述べ、EUの武器禁輸措置解除を求めた。
英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、「アサド政権に交渉のテーブルに着かねばならないという明確なメッセージを受け取らせるうえで…重要だ」と述べ、武器禁輸措置解除を求めた。
これに対して、ルクセンブルグ、オランダ、オーストリア、スウェーデン、ベルギーは、武器禁輸措置の解除が、紛争地域への武器供与を禁止したEU諸国の法律に違反するとして、反対の意思を表明した。
しかしその後、外相理事会は、英仏の提案を受けるかたちで、シリアの反体制勢力に対する武器禁輸を緩和することを決定した。
実際の武器供与は、8月1日まで先送りにされ、また供与に際しては、サラフィー主義者への武器流入を防止するため、最終使用者を確認するなどの指針も確認した。
武器禁輸緩和決定に関して、ヘイグ英外務大臣は、「英国が望んでいた結果」としたうえで、「欧州からアサド政権に明確なメッセージを向けるに充分な決定だ」と評価した。
しかし、ヘイグ外務大臣は、武器の供与に関しては「事態が混乱した場合に、それを行う可能性がある」と述べ、ただちに反体制勢力に武器を供与することについては否定した。
また、ルクセンブルグのジャン・アッセルボルン外務大臣は「EU加盟27カ国は、現段階において武器輸出を行わない旨誓約した。また将来、武器が輸出される場合においても厳格な基準を適用する旨誓約した」と強調した。
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EU外相理事会での武器禁輸緩和を正当化するかのように、反体制活動家や西側政府・メディアがシリア政府軍による化学兵器使用を喧伝した。
フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、EU外相理事会出席後、米露の外相との会談のためパリに戻った。
パリへの帰路で、ファビウス外務大臣は、「イランはシリア政府に武器と戦闘員を増強している。またヒズブッラーも戦闘員を派遣していることを認めた」と述べ、イランのジュネーブ2会議への参加を認めるべきでないとの姿勢を改めて示した。
またシリア国内での化学兵器使用疑惑に関して「この兵器が使用された可能性はさらに増している」と述べた。
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『ル・モンド』(5月27日付)は、軍がダマスカス県ジャウバル区で化学兵器を使用していたとするレポートを掲載した。
この報告は、現地に滞在していた記者・カメラマンによるもの。
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国連の潘基文事務総長は、「シリア国内の暴力への支援の停止」を求めるとともに、「ヒズブッラーの戦闘へのさらなる参加に重大な懸念」を表明した。
マーティン・ネシルキー報道官が声明を通じて明らかにした。
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CNN(5月27日付)は、共和党のジョン・マケイン上院議員がシリアに不法入国し、反体制活動家と会談したと報じた。
デイリー・ビースト(5月27日付)によると、マケイン上院議員はトルコからシリア領内に密入国し、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長ら反体制武装集団の幹部らと会談したという。
しかし、イドリース参謀長はシリア国内ではなく、トルコ領内に滞在している。
なお『ハヤート』(5月29日付)によると、会談で、イドリース参謀長はマケイン上院議員に対して、シリア北部での飛行禁止空域の設定と軍およびヒズブッラーの拠点の空爆を要請した。
AFP, May 27, 2013、AKI, May 27, 2013、Daily Beast, May 27, 2013、al-Hayat, May 28, 2013, May 29, 2013、Kull-na Shuraka’, May 27, 2013、Kurdonline,
May 27, 2013、Naharnet, May 27, 2013、NNA, May 27, 2013、Reuters, May 27,
2013、SANA, May 27, 2013、UPI, May 27, 2013などをもとに作成。
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イドリブ県では、テレグラムの「…
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