ロイター通信(9月10日付)、クッルナー・シュラカー(9月10日付)は、複数の反体制筋が、9日のイドリブ県でのシャーム自由人イスラーム運動幹部47人の殺害に関して、爆殺ではなく、「毒ガスによる攻撃」だと証言している、と伝えた。
シリア軍による毒ガス攻撃だと主張しているのは、シャーム自由人イスラーム運動と同盟する武装集団の「アブー・バッラー」を名乗る活動家らで、シャーム自由人イスラーム運動メンバーの医師のアブー・アイマン氏らによる遺体の検証結果や、47人が殺害当時会合を開いていた場所が地下に作られた施設だったことをその根拠としてあげているという。
**
シャーム自由人イスラーム運動の緊急シューラー評議会はビデオ声明(https://www.youtube.com/watch?v=nhke8VSXhWs)を出し、9日のイドリブ県での幹部ら47人の殺害に対処するかたちで、新幹部を任命したと発表した。
声明によると、ムスアブ・ブン・ウマイル旅団司令官のハーシム・シャイフ氏(アブー・ジャービル)がアミール兼総司令官に、アブー・サーリフ・タッハーン氏が軍事司令官に任命された。
声明ではまた、「シャームにおけるジハード」を継続し、アサド政権とダーイシュ(イスラーム国)双方の打倒をめざすとの意思が示された。
この声明後、新アミールのシャイフ氏もビデオ声明(https://www.youtube.com/watch?v=0JQlsHrVVOY)を発表し、活動継続の意思を示した。
『ハヤート』(9月12日付)によると、アブー・ジャービル氏は、前任者であるハッサーン・アッブード氏、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官、シャームの鷹旅団のアフマド・イーサー・シャイフ司令官、そしてシャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏らと同じく、イラク戦争後のイラクでの反米武装闘争に参加した経験を持つという。
アブー・カアカーア氏とともに、アレッポ市サーフール地区でイラクへのジハード主義戦闘員の派遣の調整を行っていたが、2005年に逮捕され、アッブード前総司令官、アッルーシュ司令官、シャイフ司令官らと同様、サイドナーヤー刑務所に収監されていた。
2011年9月の釈放後は、アレッポ県マスカナ市でムスアブ・ブン・ウマイル大隊の名で武装集団を結成し、アレッポ県マスカナ市、ハナースィル市、ジャッラーフ航空基地、ラッカ県のラッカ市、タブカ市などで戦闘に参加した。
その後、シャーム・イスラームの暁運動に参加、最終的にシャーム自由人イスラーム運動に加わり、アレッポ県東部郊外地区のアミールとして活動を続けてきたという。
AFP, September 10, 2014、AP, September 10, 2014、ARA News, September 10, 2014、Champress, September 10, 2014、al-Hayat, September 11, 2014、September 12, 2014、Kull-na Shuraka’, September 10, 2014、al-Mada Press, September 10, 2014、Naharnet, September 10, 2014、NNA, September 10, 2014、Reuters, September 10, 2014、SANA, September 10, 2014、UPI, September 10, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ナハールネット(11月21日付…
イドリブ県では、テレグラムの「…