米下院は、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けて、シリアの「穏健な反体制派」に軍事教練や武器供与を行うための予算案を賛成273(共和党159、民主党114)、反対156(共和党71、民主党85)で可決した。
同法案は18日に上院でも採決が行われる見込み。
法案に関して、バラク・オバマ米政権は当初、サウジアラビアで米軍が教練を行うとの方針を示していた。
だが、実際に可決された法案では、「穏健な反体制派」の教練内容や武器供与の具体的な内容は示されていない。
これを受け、オバマ米大統領は声明で「イスラーム国の脅威に立ち向かう重要な一歩」と歓迎した。
また声明では、シリアの「穏健な反体制派」への教練・支援が、ダーイシュに対して反転攻勢に出るために必要だとの見方を示し、アサド政権に向けた「パワー・バランス」の変更が目的ではないことを暗示した。
なお『ハヤート』(9月19日付)によると、「穏健な反体制派」への支援では、対空ミサイルの供与はなされないという。
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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、FOX News(9月17日付)に対して、「ワシントンはダーイシュ(イスラーム国)に対する国際的な同盟を構築するにあたって、国際法を尊重しなければならず、シリア領内の過激派の拠点を空爆したいのなら、シリアと調整しなければならない」と述べた。
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イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、ニューヨークで講演し、ダーイシュ(イスラーム国)掃討は、シリアやイラクでの空爆では「不可能」と述べたうえで、欧米諸国に「イラク人自身がダーイシュと戦えるよう」支援するとともに、「イラクとシリアの近隣諸国からダーイシュが資金や支援を得ることを阻止」すべきだと呼びかけた。
シリア情勢については、「シリア政府とダーイシュをともに負かそう考える者は、間違っており、幻想を抱いているだけ」と非難、「いわゆる穏健な反体制派は、領内を支配しておらず、政治的な影響力もない…。シリアにはシリア政府かダーイシュかという選択肢しかない」と強調した。
『ハヤート』(9月19日付)が伝えた。
AFP, September 18, 2014、AP, September 18, 2014、ARA News, September 18, 2014、Champress, September 18, 2014、FOX News, September 17, 2014、al-Hayat, September 19, 2014、Kull-na Shuraka’, September 18, 2014、al-Mada Press, September 18, 2014、Naharnet, September 18, 2014、NNA, September 18, 2014、Reuters, September 18, 2014、SANA, September 18, 2014、UPI, September 18, 2014などをもとに作成。
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