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『アフバール』(5月9日付)は、アサド大統領がレバノンの訪問団との会談で、「我々は彼ら(ヒズブッラー)にすべてを与えることを決心した」と述べたと報じた。
同紙によると、アサド大統領は「初めて、我々と彼ら(ヒズブッラー)は同じ状況に身を置いていると感じている。彼らは我々を助けてくれる同盟者以上の存在だ」としたうえで、ヒズブッラーに対して「信頼、満足、謝意」を示したという。
またアサド大統領は「イスラエルに複数発のミサイルを容易に撃ち込むことができる」としつつ、「我々はレジスタンスに門戸を開放し、シリア全土をレジスタンスの国にすることによって、戦略的な報復をめざしている」と強調したという。
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シリアの外務在外居住者省は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、国際法遵守と内政不干渉の原則に立脚したロシアの姿勢と、政治的解決をめざす米国の姿勢双方を高く評価、支持の姿勢を示した。
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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、化学兵器使用に関する国際調査チームの受け入れに関して、「ハーン・アサル村での事件調査のために潘基文事務総長が行った決定に従い、我々は今もなお調査チーム受け入れの用意がある」と述べた。
ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、ヌール・ラジオ設立25周年を記念して、テレビ演説を行い、そのなかで「シリアは(ヒズブッラーが)これまで保有していなかったような高性能の武器を提供するだろう」と述べた。
ナスルッラー書記長は「イスラエルはレジスタンスの能力が増長することを食い止めることが目的だと言う…。しかしシリアは(ヒズブッラーが)これまで保有していなかったような高性能の武器を提供するだろう」と述べた。
また「我々は高性能の武器を受け取る容易があると宣言する。我々はこうした武器を保有・保持することができるし、人民を防衛するためにそれらを使用するだろう」と強調した。
シリアからヒズブッラーへの武器供与に関して、ナスルッラー書記長は「これはシリアの戦略的報復だ…。占領下のパレスチナにロケット弾を撃ったり、空爆を行ったりすること以上に重要だ」と述べた。
イスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関して、ナスルッラー書記長は「シリアがレジスタンス運動、とりわけパレスチナのレジスタンスを支援してきたことは誰もが知っている。イスラエルはレバノンとパレスチナのレジスタンスの力の源がシリアであることを知っている。それゆえイスラエルはシリアを(対レジスタンス政策の)方程式から取り除き、レバノンとパレスチナのレジスタンスを包囲したいと考えている」と断じた。
さらに「(シリアの)報復は(イスラエルの)攻撃の目的をくじくことであり、シリアの指導部は、友人がシリアに的への報復・空爆を望むなかで、それを行った」としたうえで、シリアが「ゴラン高原で人民レンジスタンスの戦線を開く」可能性があると指摘、「我々レバノンのレジスタンスは、シリア人民のレジスタンスとともにあり、シリアのゴラン解放のため、支援、調整、教練、協力を行う」と明言した。
一方、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、「米国をシリアの救い主とみなすことは恥ずべきことだ」としつつ、「さらなる破壊と殺戮は敵に資するだけだ」と述べ、支持する意向を示した。
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LBCI(5月9日付)は、北部県トリポリ市、ディンニーヤ郡出身のレバノン人2人がシリアのヒムス県クサイル市近くでの戦闘に参加し死亡、18人との連絡がとれないと報じた。
死亡した2人の名はフサーム・マンスール、ハーニー・バラカートで、両人を含むレバノン人は、サーリム・リファーイーと関係を持つサラフィー主義集団の戦闘員で、シリアでのジハードに参加するために、レバノンからシリアに潜入したと思われる。
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ナハールネット(5月9日付)は、北部県トリポリ市で、シャームの民のヌスラ戦線の旗を掲げた車列がクッバ地区で空砲を撃ちながら、市街地を暴走した、と報じた。
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NNA(5月9日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のシャワーギール地方にシリア領から発射されたロケット弾2発が着弾した。死傷者はなかった。
シャームの民のヌスラ戦線は、ツイッター(5月9日付)上で、アミールのアブー・ムハンマド・ジャウラーニーが負傷したとの情報に関して、「もし司令部が負傷、ないしは死亡したとしても、ジハードは最後の審判の日まで続く。しかしジャウラーニー師負傷の報道は正しくないと指摘せざるを得ない」とつぶやいた。
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国内の反体制組織、国民潮流(ムハンマド・サルマーン代表)は声明を出し、米露による「ジュネーブ2」構想に関して、これまでの組織の主張と合致していると述べ、支持を表明した。
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シリア国民民主ブロックは声明を出し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆を非難、国際社会に対してイスラエルの「犯罪行為」を停止させるべく行動するよう求めた。
ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区北部が軍の砲撃を受けた。
一方、SANA(5月9日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
また反体制武装集団がバーブ・トゥーマー地区の電気倉庫脇に仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が死亡、3人が負傷した。
さらにカッサーア地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が死亡、7人が負傷した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市、ダルーシャー村、マルジュ・スルターン村などが空爆・砲撃を受け、サイイダ・ザイナブ町郊外、ジャルバー市、ムライハ市などでは、軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(5月9日付)によると、軍がジャルバー市の大部分で反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。
またシャイフーニーヤ村、アーリヤ市、ナブク市郊外、ヤブルード市、カーラ市、イバーダ市、フサイニーヤ町、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
このほか、ジャルマーナー市では、住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾、市民2人が負傷した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市のダム街道地区、ヒルバト・ガザーラ町、シャイフ・マスキーン市、マアルバ町、ナーフタ町などが、軍の砲撃を受けた。
一方、SANA(5月9日付)によると、タッル・フドル一帯、ダルアー市、ヒルバト・ガザーラ町などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ヒムス市周辺、クサイル市などが、軍の砲撃を受けた。
またクサイル市周辺、タドムル市などでは軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(5月9日付)によると、シューマリーヤ村、ラブラーウィー村、ラフムーニーヤ村、ズウビー農場、クルディー農場などで、軍が反体制武装集団の地下壕などを攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。
またヒムス市ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区などが軍の砲撃を受け、工業地区では軍と反体制武装集団が交戦した。
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アレッポ県では、サフィーラ市、バーブ市、マンナグ航空基地周辺などが、軍の砲撃を受け、ヌッブル市、ザフラー町周辺では軍と反体制武装集団が交戦した。
アレッポ市ブスターン・カスル地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。またシャイフ・サイード地区でも戦闘が発生した。
一方、SANA(5月9日付)によると、アレッポ市シャイフ・サイード地区の軍住宅工場一帯で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。
またアルカミーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市東部の煉瓦工場(軍の拠点)で、反体制武装集団が砲撃、戦車2輌を破壊した。
またビンニシュ市、フーア市(シーア派の村)などで、軍および人民諸委員会が反体制武装集団と交戦した。
一方、SANA(5月9日付)によると、サラーキブ市などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。
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ラタキア県では、SANA(5月9日付)によると、サーキヤ・カルト村、ラフマリーヤ村、カスブ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、外国人戦闘員を殺害した。
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ハサカ県では、SANA(5月9日付)によると、ハサカ・ダイル・ザウル街道で穀物を略奪しようとした武装集団と軍が交戦、複数の武装集団が死傷した。
またタッル・ブラーク町、タッル・ハミース村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。
ジョン・ケリー米国務長官は、ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣とローマで会談し、シリア情勢について協議した。
会談に先立って、ケリー国務長官は、「ジュネーブ2」構想で発足がめざされる移行期統治機関に関して、すべての当事者が「両当事者の相互理解のもとに移行期統治機関発足」を示すと述べる一方、「このことは我々の見解では、アサドがこの移行期統治機関に参加しないことを意味する」と述べた。
またケリー国務長官は、米国がシリア人避難民を対象に1億米ドルの追加支援を行うことを章にした。
なお『ハヤート』(5月10日付)は、西側外交筋の話として、米国がロシアとの「ジュネーブ2」構想の提案にあたって、移行期統治機関発足のための交渉開始の条件としてアサド大統領の退任を求める姿勢を「最後の譲歩」として断念し、交渉中にアサド大統領が続投することを認めたと報じた。
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『ウォールストリート・ジャーナル』(5月9日付)やロイター通信(5月9日付)は、米国およびイスラエルの高官の話として、シリア政府がロシア製のS-300ミサイル防空システム購入のためのロシアへの代金支払いを始めたとしたうえで、イスラエルがロシアに対して同システムの売却を行わないよう要請していると報じた。
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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は『ル・モンド』(5月10日付)に対して「この紛争(シリアの紛争)を我々が止められなければ、この国の解体、当事者どうしの宗派対立、そして沸騰状態にある地域のすべての構成要素の不安定化の危機が生じるだろう」との見方を示した。
そのうえで「シリアの”釜”はイランの核問題と結びついており、両者は現在、平和にとって最大の脅威だ」と警鐘を鳴らした。
ファビウス外務大臣は、「この紛争は我々だけでは解決できない」としたうえで、政治的解決に向けた努力の継続、シリア革命反体制勢力国民連立における穏健派の支援と合わせて、「シャームの民のヌスラ戦線を国連においてテロ組織に指定することを提案する」と明言した。
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『ハアレツ』(5月9日付)は、負傷した反体制武装集団を領内に搬送するイスラエルの救急車を直接砲撃するとの脅迫をイスラエルがシリア側から受けたと報じた。
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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、NBC News(5月9日付)のインタビューで「シリア政府が化学兵器とミサイルを使用したことは明白だ…。とっくの昔にレッド・ラインを越えている」と断じた。
エルドアン首相によると「トルコの病院で治療を受けるために越境してきたシリア人の複数の病人に、化学兵器に曝された症状が見られた」という。
AFP, May 9, 2013、al-Akhbar, May 9, 2013、Haaretz, May 9, 2013、al-Hayat, May 10, 2013、Kull-na Shuraka’, May 9, 2013、Kurdonline, May 9, 2013、LBCI, May 9, 2013、Naharnet, May 9, 2013、NBC News, May 9, 2013、NNA, May 9, 2013、Reuters, May 9, 2013、SANA, May 9, 2013、UPI, May 9, 2013、The Wall Street Journal, May 9, 2013などをもとに作成。
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