ダマスカス県でハルキー首相の車列を狙った爆破テロが発生するなか、民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーム代表は「シリア国民の唯一の代表」としてのシリア革命反体制勢力国民連立承認を批判(2013年4月29日)

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シリア社会の動き

クッルナー・シュラカー(4月29日付)などによると、バフル機構がシリア人1,500人を対象に、シリア革命反体制勢力国民連立のガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班選出などに関する世論調査を行った。

SANA, April 29, 2013

世論調査は、20歳から39歳のシリア国内外で暮らすシリア人を対象とし、うち男性は83%、女性は17%、また91%が高等教育修了者だった。調査はインターネットなどを通じて行われた。

質問は、暫定政府に関する項目、ヒートゥー首班に関する項目からなる。

主な結果は以下の通り。

1. 現下の暫定政府が必要でないと答えたのは41%。
2. 暫定政府の拠点がシリア国内にあるべきと答えたのは89%。
3. 暫定政府のポストを人種、宗派、政党などによって配分すべきでないと答えたのは81%。
4. 首班がシリア国籍以外の外国籍を持っているべきでないと答えたのは50%。
5. ヒートゥー首班の経歴に不満と答えたのは45%。
6. 暫定政府および首班選出方法を拒否すると答えたのは70%。
7. シリア国民評議会にいかなる閣僚ポストも与えるべきでないと答えたのは69%。
8. シリア革命反体制勢力国民連立にいかなる閣僚ポストも与えるべきでないと答えたのは57%。

国内の暴力

インテルファクス通信(4月29日付)は、ロシアの信頼できる消息筋の話として、ロシアの民間旅客機がシリア上空で地対空ミサイル2発の攻撃を受けたと報じた。

同消息筋によると、被害は出なかったという。

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ダマスカス県では、SANA(4月29日付)によると、ダマスカス県マッザ区(ヴィーラート・ガルビー)イブン・ルシュド公園近くでワーイル・ハルキー首相の車列を狙った「爆破テロ」が発生し、複数の市民が死傷した。

スカイ・ニュース・アラビック(4月29日付)によると、死者は、1人はハルキー首相に同行していた1人を含む12人に上った。

ハルキー首相本人は無事だった。

複数の消息筋によると、ハルキー首相はマッザ区の自宅から首相官邸に向かう途中で、首相が乗った車の目の前で、道路脇に駐車していた車が爆発した、という。

SANA, April 29, 2013

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同じくダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区に対して軍が空爆を行い、マイダーン地区では重火器の発砲があった。

一方、SANA(4月29日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で軍は反体制武装集団の追撃を続け、ナースィル・サラーフッディーン大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, April 29, 2013

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤ・シャーム市、ザマルカー町、バイト・ジン市、ウーファーニヤー村などで軍と反体制武装集団が激しく交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ハルマラ市、ハラスター市、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ダーライヤー市などで、軍は反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市、アイン・ウルード市、カマーム市などを軍が砲撃した。

ヒムス県では、SANA(4月29日付)によると、ヒムス市ジャウラ・シヤーフ地区、クスール地区、ハーリディーヤ地区、ダール・カビーラ村、タッル・ザハブ町、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タドムル市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッルカラフ市郊外にレバノン領から潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市の南部が軍の砲撃を受け、また同市のアレッポ街道地区、トゥライスィーヤ村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ジュナイナ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またハマー市マルアブ地区、ルーズ・スース市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッル・シャマーリーン市、マアッル・ダブサ市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ナイラブ村、サラーキブ市、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、タフタナーズ市、サルミーン市、ザルダナー村、マアッル・ダブサ市、バシュラームーン村、アイン・バーリダ市、ダルクーシュ町、シュグル市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市、ハナースィル市、マンナグ航空基地周辺、クワイリス航空基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ市では、シャッアール地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、マンナグ村および同市周辺、タッル・ジブリーン市、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、マッルアナーズ市、ダール・イッザ市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、スライマーニーヤ地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

スライマーニーヤ地区では反体制武装集団が撃った迫撃砲弾4発が着弾し、市民2人が死亡、複数が負傷したという。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、タービーヤ市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、工業地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、サーイカ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダルバースィーヤ市に近い対トルコ国境のフシャイフィーヤ村を徒歩で越境しようとした家族が地雷を踏み、4人が死亡、2人が負傷した。

またタッル・タムル町で戦闘があったほか、ハサカ市中央刑務所近くで爆発があった。

一方、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ハサカ市グーラーン地区で治安要員を載せたバスに仕掛けられた爆弾が爆発し、5人が死亡、多数が負傷した。

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ダルアー県では、軍が結集するダルアー市のマディーナ・リャーディーヤを反体制武装集団が砲撃した。

また、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ハルキー首相暗殺未遂事件の直後、軍は首相の生地であるジャースィム市を空爆したという。

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ラタキア県では、SANA(4月29日付)によると、アブー・リーシュ地方、クーズ山、スッカリーヤ町、カンダースィーヤ村、キンサッバー町、ブルジュ・カサブ村、アティーラ村などで、軍が反体制武装集団を交戦し、外国人戦闘員やシャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、ダマスカス県マッザ区での自身を狙った爆破テロに関して、「シリア・アラブ軍の追跡、残党狩り、そして治安回復によって…テロ集団とそれを支持する勢力が破綻し、フラストレーションを募らせていることを示す」と非難した。

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ハルキー首相暗殺未遂爆破テロに関して「一部の者が政治的解決拒否という姿勢を選んだことを示す明確な表明」と非難した。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ハヤート』(4月30日付)の電話取材に応じ、そのなかで「シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の唯一の代表として承認することは、専制的方法そのものを強化する試みである。それは一党体制、指導党体制の方法であり、行き過ぎた体制から別の行き過ぎた体制へと転換することを意味している」と述べ、連立を支援する国々の姿勢を批判した。

またシリアでの暴力と紛争が続けば、「シリアの火事はレバノン、ヨルダン、イラクにも及ぶ」と警鐘を鳴らした。

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クッルナー・シュラカー(4月29日付)は、民主統一党(西クルディスタン人民議会)がクルド人が居住する全地域で、人民防衛隊に事前届け出のないデモを禁じる声明を出したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、ダマスカス県ヤルムーク区で活動するヤルムーク・キャンプ調整は自由シリア軍に宛てて声明を出し、そのなか「ヤルムーク・キャンプのパレスチナ人とシリア人は…自由シリア軍およびその名を語る者の行為を拒否する。自由の抑圧、逮捕、拷問、民家の没収は犯罪者体制の行いと同じだ」と拒否の姿勢を示した。

レバノンの動き

マナール・チャンネル(4月29日付)は、ベカーア県バアルベック郡カーア村郊外にシリア領から発射されたロケット弾6発が着弾し、女性1人が負傷したと報じた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、シリアでの化学兵器使用調査団長を務めるスウェーデンの科学者オーケ・セルストローム氏とニューヨークの国連本部で会談し、化学兵器使用の有無を見定めるには現地調査が不可欠との認識で一致した。

潘事務総長は会談前に記者団に対し、「包括的で信頼できる調査をするには、化学兵器が使われたと疑われている場所への立ち入りが完全に認められなければならない」と述べ、シリア政府に対し調査団を受け入れるよう求めた。

また政府側が化学兵器サリンを使った可能性があるとの米国の分析について、米政権がその後確実な証拠でないと語気を弱めたにもかかわらず、「真剣に受け止める」とした。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、化学兵器使用疑惑をめぐってシリア政府に国際調査団の受け入れを求めた国連の潘基文事務総長の発言をめぐって「大量破壊兵器に関する調査プロセスが始まったときのイラクで起きたのと同じようなことをシリアで繰り返そうとする試み」と述べ、難色を示した。

またラブロフ外務大臣は「シリアの体制を倒すのにあらゆる手段をとってよいと考えている国や外国のアクターがいる。しかし大量破壊兵器を利用するのは非常に危険で、それをもてあそぶべきでない」と非難した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、Euro 1ラジオ(4月29日付)に対して、「英国人と米国人が示した証拠はあるが、我々には確証はなく、この点で調査を行っている」と述べ、シリア政府による化学兵器使用の証拠がないことを明らかにした。

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バラク・オバマ米大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行い、シリアでの化学兵器使用に対する懸念を表明した。

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イスラエル労働党のビンヤーミン・ベン・エリゼール議員はイスラエルのラジオ番組(4月29日付)で、アサド政権が化学兵器を使用したことに「疑いはない」と述べる一方、「これらの武器はヒズブッラーに流出しつつある」と断じた。

しかしナハールネット(4月30日付)は、イスラエルの複数の高官の話として、ヒズブッラーが化学兵器を入手した証拠はないと報じ、ベン・エリゼール議員の発言内容を否定した。

AFP, April 29, 2013、Akhbar al-Sharq, April 29, 2013、al-Hayat, April 30, 2013、Kull-na Shuraka’, April 29, 2013、Kurdonline, April 29,2013、al-Manar
Channel, April 29, 2013、Naharnet, April 29, 2013, April 30, 2013、Reuters,
April 29, 2013、SANA, April 29, 2013、Sky News Arabic, April 29, 2013、UPI,
April 29, 2013などをもとに作成。

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