『サフィール』(12月2日付)は、レバノン軍事情報局が、ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏の妻の一人であるシリア人女性とその息子(1人)、ベカーア県バアルベック郡アルサール村でのレバノン軍兵士らの拘束に関与しているとされるシャームの民のヌスラ戦線幹部の家族を拘束したと発表した、と報じた。
軍事情報局によるとバグダーディー氏の妻らの拘束は外国の諜報機関との連携のもと、彼らがシリア領内からベカーア県バアルベック郡アルサール地方に潜入した直後に行われ、拘束時に妻らは、偽造IDを所持していたという。
しかし拘束されたのがイラク人妻のサジャー・ハミード・ドゥライミー氏とその娘で、拘束場所も北部県バトルーン郡のマドフーン検問所だとの報道・情報もあり、それによると、サジャー氏は、北部県ディンニーヤ郡、ベカーア県バアルベック郡アルサール村、シュトゥーラ市(ザフレ郡)などを往来・潜伏していたという。
一方、NNA(12月2日付)によると、バグダーディー氏の妻とともに拘束されたヌスラ戦線幹部の家族は、アナス・シャルカス氏(アブー・アリー・シャルカスィー)の妻とその兄弟のラカン氏で、北部県ズガルタ郡ヒーラーン村で拘束されたという。
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レバノン軍によると、ベカーア県バアルベック郡ラアス・バアルベック市郊外で、「テロ集団」がレバノン軍部隊を要撃、兵士6人が死亡した。
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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、レバノン訪問中のイラクのヌーリー・マーリキー副大統領(前首相)と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)などへの対応について協議した。
ヒズブッラーが出した声明によると、会談では、「宗派対立やタクフィール主義運動に対抗するための協力」の重要性が確認された。
ナハールネット(12月2日付)などが伝えた。
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内務治安軍総局は声明を出し、同局が11月9日にベカーア県バアルベック郡ワーディー・フマイド検問所で拘束した「自由シリア軍」カラムーン地区司令官兼軍事評議会議長のアブドゥッラー・リファーイー氏に関して、その身柄がシャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)が今年8月にアルサール村で拉致したレバノン軍人質らの釈放のための交渉の行方次第だと発表した。
AFP, December 2, 2014、AP, December 2, 2014、ARA News, December 2, 2014、Champress, December 2, 2014、al-Hayat, December 3, 2014、Kull-na Shuraka’, December 2, 2014、al-Mada Press, December 2, 2014、Naharnet, December 2, 2014、NNA, December 2, 2014、Reuters, December 2, 2014、al-Safir, December 2, 2014、SANA, December 2, 2014、UPI, December 2, 2014などをもとに作成。
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ロシア当事者和解調整センターの…