シリア国内の暴力:ヌスラ戦線とヤルムーク殉教者旅団和解に向けた動き(2014年12月21日)

『ハヤート』(12月22日付)によると、ダルアー県西部でのシャームの民のヌスラ戦線とヤルムーク殉教者旅団の武力衝突を仲裁するため、イスラーム・ムサンナー運動が和解案を提示した。

この和解案は、①双方が拘束する捕虜の調停委員会への引き渡し、②両当事者間の紛争を調停するための法務委員会の設置、③調停委員会への捕虜引き渡し後の戦闘停止、④アッラーン地方での合同検問所の設置、を骨子とする。

この和解案に関して、ヤルムーク殉教者旅団は声明で受け入れの意思を表明した。

一方、SANA(12月21日付)によると、アトマーン村、バイト・ジャマル村、ムサイフラ町、ブスラー・シャーム市、シャイフ・マスキーン市、ダーイル町、インヒル市、ダルアー市キャンプ地区、ビラール・ハバシー・モスク一帯、旧税関地区などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ムウタッズ・ビッラー旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダイルハビーヤ村、タッル・クルディー町、リーハーン農場などで、シリア軍、国防隊が、イスラーム戦線などジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地を砲撃した。

シリア軍はまたカラムーン地方無人地帯を空爆した。

一方、ドゥーマー市では、イスラーム軍が市内の文化センターを制圧しようとして、ウンマ軍と交戦し、女児1人を含む4人が死亡した。

他方、SANA(12月21日付)によると、ドゥーマー市、タッル・クルディー町、フーシュ・ダワーヒラ農場、アーリヤ農場、ジスリーン町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(12月21日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区、ラスタン市をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(12月21日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ラッフーム村、マクサル・ヒサーン村、ウンム・サフリージュ村、ウンク・ハワー村、フーシュ・ハッジュー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・トゥーマーン村郊外でシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団が、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(12月21日付)によると、ハンダラート・キャンプ一帯、アンジャーラ村などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(12月21日付)によると、イフスィム町、マルイヤーン村、ザーウィヤ山一帯、マアッラトミスリーン市、ハミーマート・ダーイル、ダブシーヤ、アブー・ズフール町、サムリーン、アリーハー市周辺などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 21, 2014、AP, December 21, 2014、ARA News, December 21, 2014、Champress, December 21, 2014、al-Hayat, December 22, 2014、Kull-na Shuraka’, December 21, 2014、al-Mada Press, December 21, 2014、Naharnet, December 21, 2014、NNA, December 21, 2014、Reuters, December 21, 2014、SANA, December 21, 2014、UPI, December 21, 2014などをもとに作成。

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