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2014年2月4日のシリア情勢:諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が、モスクワを訪問したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と会談した。

『ハヤート』(2月5日付)によると、会談でラブロフ外務大臣は、連立のジュネーブ2会議への出席を高く評価するとともに、シリア政府代表団との交渉を継続し、「平和的な政治的正常化を選択」するよう求めた。

またロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は会談に関して、インテルファクス(2月4日付)に「ロシアが、シリア政府と反体制勢力に対して、ジュネーブ2会議の枠内で政治的関係正常化について話し合うための特別作業チームを設置することを提案した」ことを明らかにした。

ガティロフ外務次官は、交渉の難しさを認めつつ「次回の交渉ラウンドが最後にならないようにしたい」と述べ、両者が合意に至った場合は、国連安保理に付託し、拘束力を持つ決議を採択したいとの意思を示した。

ガティロフ外務次官はまた、米国がロシアの提案の実施に向けて、反体制勢力の代表団の拡大などで協力することを誓約したことを明らかにしたが、「国内外の反体制勢力が、シリアで活動するテロ集団に影響力を行使する仕組みを持っていない」と問題点を指摘した。

一方、ラブロフ外務大臣との会談後、ジャルバー議長は記者会見を開き、ジュネーブ2会議における反体制代表団の拡大が主な争点だったことを認めたうえで、「連立は反体制勢力側のより広範な参加をめざしている」と述べた。

ジャルバー議長はしかし「連立は個人で埋め合わせることを認めない」と述べ、反体制勢力の代表団の拡大を誇示レベルではなく、組織単位で行う方針を示しつつ、「連立に対する個人的理由などで会議に参加できなかった何人かと連絡をとりあっている」と付言した。

またジャルバー議長は、アレッポ県などの現状や「樽爆弾」の問題などについても協議し、ロシア側にシリアの人道状況に対して明確な姿勢を示すよう求めたことを明らかにした。

ジャルバー議長は他方、ロシアが提案した特別作業グループについては「議論し得る問題」だと理解を示しつつ、「委員会が何かのための墓場になってはならない」と警戒感を表明した。

しかしジャルバー議長は「我々は今、ロシアと良い関係にあり、この関係はさらに発展するだろう。我々はきっと、再訪するだろう…。ロシアは連立の姿勢を良く理解するようになっている。つまり、ロシアは人道状況や我々の立場に関してゆがんだデータを持っていたということだ」と評価した。

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ロシア日刊紙『コメルサント』(2月4日付)は、米国がロシアに対して、シリアの紛争和解をめぐる新たな交渉形態を提案したと報じた。

同紙によると、新提案は、シリア人どうしの交渉を原則とするジュネーブ2会議の交渉に代えて、サウジアラビア、トルコ、イラン、ロシア、米国が交渉プロセスに参加し、シリアでの政治的関係正常化をめざすことを骨子としており、ロシアはこれに支持を表明したという。

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AFP(2月4日付)は、国連WFP(世界食糧計画)がイラク北部からハサカ県カーミシュリー市への食糧物資の空輸を再開したと報じた。

これにより3万人の1ヶ月分の食糧が搬入される。

WFPは2013年12月にも6万2,000人分の食糧を空輸していた。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と会談し、シリア情勢への対応などについて協議した。

会談後の共同記者会見で、メルケル首相は「約3年におよぶシリアの紛争を逃れてきた人々を支援するため、ロシア、中国、さらにはイランと対話しなければならない…。我々は国際社会が一つになることを望んでいる…。先月のジュネーブでの和平会合は、必要とされる人道支援に対応していない」と述べた。

これに対し、エルドアン首相は「常任理事国が必要な行動を阻まれないような安保理改革」が必要だと述べた。

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AFP(2月4日付)によると、イランの首都テヘランで、シリア、イラン、スイスの高官らがシリアへの人道支援状況の改善に向けた協議を行った。

al-Hayat, February 5, 2014

 

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AFP(2月4日付)は、反体制武装集団が包囲するヒムス市旧市街にとどまるイエズス会のオランダ人修道士、フランス・ヴァン・デル・ルフト(Frans van der Lugt)氏(75歳)にスカイプで電話取材を行い、その近況を報じた(http://www.youtube.com/watch?v=MEo43I6F6D4&feature=player_embeddedなどを参照)。

 

AFP, February 4, 2014、AP, February 4, 2014、Champress, February 4, 2014、al-Hayat, February 5, 2014、Interfax, February 4, 2014、Iraqinews.com, February 4, 2014、Kommersant, February 4, 2014、Kull-na Shuraka’, February 4, 2014、Naharnet, February 4, 2014、NNA, February 4, 2014、Reuters, February 4, 2014、Rihab News, February 4, 2014、SANA, February 4, 2014、UPI, February 4, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

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