日本:外務省がシリアに不法入国を計画していたフリーカメラマンの旅券返納(2015年2月7日)

外務省は、シリアへの渡航を計画していた新潟市在住のフリーカメラマン、杉本祐一さん(58歳)に、旅券法に基づいて旅券(パスポート)を返納させた。

杉本さんはトルコを経由してシリアに不法入国することを公言していたという。

外務省は警察とともに杉本さんに自粛を強く要請したが、渡航の意思を変えなかったという。外務省職員が7日、杉本さんに会い、命令書を渡して旅券返納を求め、これに杉本さんが応じた。

杉本さんは共同通信の電話取材に、「(ダーイシュ(イスラーム国)の)支配地域に入るつもりはない。シリア国内の難民キャンプなどの取材をするつもりだった」と話した。

さらに「取材と報道の自由どころか、言論の自由を妨げる行為だ」と述べ、政府の対応を批判した。

渡航阻止の法的根拠について、外務省は旅券の名義人の生命、身体、財産の保護という旅券法19条の規定に基づいて、緊急に旅券の返納を命じたとしている。

この規定による返納は初めて。

共同通信(2月8日付)などが伝えた。

AFP, February 8, 2015、AP, February 8, 2015、ARA News, February 8, 2015、Champress, February 8, 2015、al-Hayat, February 9, 2015、Iraqi News, February 8, 2015、Kull-na Shuraka’, February 8, 2015、al-Mada Press, February 8, 2015、Naharnet, February 8, 2015、NNA, February 8, 2015、Reuters, February 8, 2015、SANA, February 8, 2015、UPI, February 8, 2015などをもとに作成。

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