ヌスラ戦線総司令官は誰が殺したのか?:イドリブ県でアブー・ハマーム・シャーミー死亡(2015年3月5日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(3月5日付)によると、有志連合と思われる戦闘機がイドリブ市郊外に対して空爆を実施し、シャームの民のヌスラ戦線幹部複数が死亡した。

死亡したのはヌスラ戦線総司令官のアブー・ハマーム・シャーミー氏、アブー・ムスアブ・フィラスティーニー氏、アブー・ウマル・クルディー氏、アブー・バッラー・アンサーリー氏。

また司令官多数が負傷したという。

これに関して、ヌスラ戦線はツイッターを通じて、「ヌスラ戦線のアブー・ハマーム・シャーミー総司令官が戦線幹部多数を標的とした爆発によって死亡した」としたうえで、「爆発は、トルコ国境に位置するサルキーン市内の戦線の拠点に対して有志連合の無人戦闘機が空爆したことで発生したと思われる」と発表した。

しかし、SANA(3月5日付)は、シリア軍がフバイト村で特殊作戦を実施し、アブー・ハマーム氏らヌスラ戦線幹部を殲滅したと伝えた。

一方、有志連合合同司令部は声明を出し、米国など有志連合が、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を12回空爆したと発表した。

空爆はハサカ県のダーイシュの戦術部隊、拠点、車列などを標的としたもので、イドリブ県のヌスラ戦線拠点の空爆の有無については言及しなかった。

Kull-na Shuraka’, March 5, 2015

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一方、ヌスラ戦線拠点への攻撃と並行して、シリア人権監視団によると、シリア軍がイドリブ県内のビーラト・アルマナーズ町の学校密集地区を空爆し、児童・生徒6人を含む7人が死亡、子供6人を含む12人が負傷した。

シリア軍はまた、シャームの民のヌスラ戦線などが支配下の置くタッル・サラムー村一帯に対しても空爆を行ったという、

他方、SANA(3月5日付)によると、アブー・ズフール町一帯のヌスラ戦線、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動の拠点などに対して、シリア軍が激しい空爆を行った。

AFP, March 5, 2015、AP, March 5, 2015、ARA News, March 5, 2015、Champress, March 5, 2015、al-Hayat, March 6, 2015、Iraqi News, March 5, 2015、Kull-na Shuraka’, March 5, 2015、al-Mada Press, March 5, 2015、Naharnet, March 5, 2015、NNA, March 5, 2015、Reuters, March 5, 2015、SANA, March 5, 2015、UPI, March 5, 2015などをもとに作成。

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