後藤健二氏殺害を目撃したというダーイシュ(イスラーム国)の通訳が証言「人質は「架空殺害」作戦に参加させられていたため、殺害の際も平静を保っていた」(2015年3月10日)

スカイ・ニュース(3月10日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)による後藤健二氏殺害の現場に居合わせたと主張する人物にインタビューを行い、その映像(http://www.skynewsarabia.com/web/article/729607/%D9%85%D8%AA%D8%B1%D8%AC%D9%85-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D9%86%D8%B8%D9%8A%D9%85-%D8%A7%D9%85%D9%88%D8%A7%D8%B2%D9%8A-%D8%B9%D8%B4%D9%85%D8%A7%D9%88%D9%8A-%D8%AF%D8%A7%D8%B9%D8%B4)を公開した。

ダーイシュに通訳として雇われていたという「サーリフ」を名のるこの人物は、人質たちに身の安全は保証されていると「嘘」をついて、彼らを安心させていたと話した。

この男性はまた、後藤氏の殺害を遠くから目撃していたとしたうえで、3~4人のダーイシュ・メンバーが殺害を実行、その後、遺体を車に乗せたと述べた。

「ジハード・ジョン」もこの現場にいたが、殺害後は遺体を運んだメンバーとは別の場所に向かったという。

「サーリフ」を名のるこの男性によると、トルコ人の男が複数台のカメラを設置するよう指示していたが、その一方で「ムハンマド」を名のるリーダーが、何事に対しても「急げ、急げ、急げ」と言って命令を下し、他のメンバーがこれに従っていたという。

この男性はさらに、すべての外国人質が「架空殺害」作戦と名づけられた作戦に参加させられており、そのため人質は殺害される際も平静を保っていたことを明らかにした。

この男性は、「ジハード・ジョン」から撮影のために「作戦」を行うだけで、実際には殺害はしないと人質たちに伝えるよう指示されたとも述べた。

また「ジハード・ジョン」は、「我々がしたいのは、あなたがた(人質)の政府にシリア攻撃を辞めさせることだ。あなた方との間に何も問題もない。あなた方は私たちの客人だ」と述べ、彼らを殺したり、危害を加えないと言っていたという。

だが、「サーリフ」を名のるこの男性は、「彼らがいずれ殺されると最後には確信するようになった」と証言した。

Sky News Arabic, March 10, 2015

Sky News Arabic, March 10, 2015をもとに作成。

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