アサド大統領が主導するシリア国民対話会合が開催され500人あまりが参加するなか、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長が「事態がレッド・ラインに接触した」として辞任する意向を発表(2013年3月24日)

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国内の動き(シリア政府の動き)

ダマスカス県のダーマー・ローズ・ホテルで、アサド大統領が1月に示した危機解決政治プログラムに沿って、シリア国民対話会合が2日間の予定で開催され、進歩国民戦線加盟政党、変革解放人民戦線、野党の代表、親体制、反体制双方の無所属活動家らが参加した。

大会は、経済問題、情報問題、社会問題、人権問題、そして国民憲章作成を担当する五つの分科会から構成され、招聘された約800人のうち500人あまりが出席した。

国内で活動する反体制組織の民主的変革諸勢力国民調整委員会は大会をボイコットした。

大会にはアズマトゥッラー・クルモハンマドヴ駐シリア・ロシア大使、アッバース・カルルー駐シリア・イラン大使も参列した。

国内の暴力

ダルアー県では、反体制武装集団が、スィヒム・ジャウラーン市東部の軍検問所を制圧し、ムザイリーブ町からゴラン高原に近いアービディーン市にいたる全長25キロの対ヨルダン国境地帯が政府の支配を脱した、とシリア人権監視団が発表した。

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(3月24日付)によると、ウマウィーイーン広場に面するラジオ・テレビ機構、マッザ区入り口に位置する高等教育省、軍事情報局施設、カフルスーサ区の内務省施設近くに、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾した。

一方、SANA(3月24日付)は、カイワーン地区の高等教育省に近い銃学外に複数の迫撃砲が着弾し、10人の市民が負傷したと報じた。

またアッバースィーイーン地区のショッピング・モール近くにも複数の迫撃砲が着弾したが、死傷者は出なかったという。

このほか、ジャウバル区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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湾岸諸国で活動する非合法組織のウンマ党は声明を出し、ラッカ県の先頭でUAE(フジャイラ村)出身のムハンマド・アブドゥーリーなる戦闘員が死亡したと発表した。

アブドゥーリーはUAE軍の退役士官で、ウンマ党の党首を務めていたという。

AFP(3月24日付)が報じた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月24日付)によると、ドゥーマー市、アドラー市、ウタイバ村、ジスル・ガイダ市、フジャイラ村、ダーライヤー市、ヤブルード市、ザバダーニー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ズバイル大隊、イスラーム旅団、アッラーの獅子大隊、首都の楯旅団メンバー、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月24日付)によると、マンナグ村、アイン・ダクナー市、カフルハーシル村、サワーリガ市、アルカミーヤ村、マッルアナーズ市、アフタリーン市、ハイヤーン町、ダイル・ジャマール村、アナダーン市、アンジャーラ村、カフルダーイル村、マンスーラ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン交差点、ハーウーズ交差点、カーディー・アスカル地区、シャッアール地区、マルジャ地区、ブスターン・バーシャー地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月24日付)によると、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺、カフルナジャド市、ナフラ市、クーリーン市、サルミーン市、アブー・ズフール町、ナイラブ軍事基地周辺、アルマラ市などで、軍が反体制武装集団を追撃・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月24日付)によると、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市、タッル・ザハブ町、ラスタン市、ヒムス市旧市街、バーブ・アムル地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月24日付)によると、ダグマシュリーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦、殲滅した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月24日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官を名乗るルワイユ・ミクダード(レバノンで活動)は、AFP(3月24日付)に対して、「我々自由シリア軍は、ガッサーン・ヒートゥーを首班として承認しない。なぜなら、反体制勢力の(シリア革命反体制勢力国民)連立は彼の選出に関して合意に達していなかったらだ」と述べ、暫定政府首班選出を拒否した。

ミクダードはまた「コンセンサスではなく、シリア革命反体制勢力国民連立に押しつけられた首班を承認しないという時、私は各軍事評議会、参謀委員会を代表して話している」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が、議長職を辞任すると発表した。

フェイスブックを通じて発表した声明において、ハティーブ議長は「事態はレッドラインに抵触した。今日、私は自分の約束に従う」と述べただけで、辞任の理由を明かさなかった。

だが、一部の支援国が「シリア国民をもてあそび、その革命を包囲・支配しようとしている」と述べ、批判した。

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反体制消息筋はAFP(3月24日付)に対して、「ハティーブ議長は反体制勢力に緩衝する湾岸諸国、とりわけカタールの政策を隠蔽する存在になりたくないと考えている」と述べた。

また「ハティーブは、ムスリム同胞団に近いヒートゥーの首班選出に批判的だった」と付言した。

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シリア民主フォーラムのミシェル・キールー代表は、アラウィー派による「我らはみなシリア人」大会に出席するために訪問中のカイロで、アラビーヤ(3月24日付)の取材に応じ、シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府首班選挙で、「カタールがガッサーン・ヒートゥーを押しつけた」と述べた。

また「(暫定)政府は、自由シリア軍が同意しなかったので失敗すると思う」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立の広報局は声明を出し、連立議長局は総合委員会にアフマド議長の辞任発表を付託し、総合委員会のメンバーのほとんどが辞任を拒否した、と発表した。

拒否の理由に関して、広報局のサーラ・カルクールは、ドーハで3月26日から開催されるアラブ連盟首脳会議に連立がシリアの代表として参加するためだとしたうえで、ハティーブが議長として会議に参加するだろうと述べた。

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シリア国民評議会は声明を出し、ドーハでのアラブ連盟外相会議で、シリア革命反体制勢力国民連立への連盟代表資格付与が確認されたことに歓迎の意を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府は声明を出し、ガッサーン・ヒートゥー首班が、アレッポ県地元評議会(駐トルコ・ガジアンテップ)のジャラールッディーン・ハーンジー議長とともにアレッポ県に潜入し、アレッポ県地元評議会や統一司法評議会の代表と2時間にわたり会談したと発表、写真や映像を公開した。

またヒートゥー首班は、シリア解放戦線タウヒード旅団の本部を訪問し、アブドゥルカーディル・サーリフ司令官らと会談した。

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クッルナー・シュラカー(3月24日付)は、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)バッシャール派筋の話として、ハサカ県シャバク村で、民主統一党人民防衛隊が、バールザーニー末裔調整のメンバー9人を逮捕したと報じた。

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カイロでのアラウィー派反体制活動家による「我らはみなシリア人」大会が閉幕し、閉幕声明で「アサド政権とアラウィー派を同一視することが、政治的・道徳的な誤りであると指摘し、現体制はアラウィー派体制ではなく、「アラウィー派が体制の人質となっている」と主張した。

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ドゥーマ市および同郊外統合医務局を名乗る組織が、アドラー市で3月24日晩に化学兵器による中毒症状を起こした患者23人が搬送され、うち2人が死亡したとする報告書を発表した。

諸外国の動き

アラブ連盟首脳会議(3月26、27日)の準備のためのアラブ外相会議がカタールの首都ドーハで開かれ、シリア情勢、パレスチナ情勢などについて協議が行われた。

会議では、サウジアラビアとカタールの外相が、シリア革命反体制勢力国民連立とガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班への全面支援の意思を示し、同連立に連盟におけるシリアの代表資格を与えるとした3月6日の第139回定例外相会議での決定が再確認された。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長の辞任発表もあいまって、外相会議は、シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府の連盟首脳会議への出席に関して、何らの具体的な合意を得られないままに閉幕した(イラク、アルジェリアが態度を保留、レバノンは不関与政策に基づき棄権した)。

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カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長の辞任発表に関して、「我々はハティーブ氏が辞任を再考することを希望する。なぜなら、辞任がきわめて重要な時期に行われてしまったからだ…。現在、シリア人(反体制阻組織)を(連盟における)シリア代表のいすに受け入れる準備を進めている」と遺憾の意を示した。

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ジョン・ケリー国務長官が突如イラクの首都バグダードを訪問し、ヌーリー・マーリキー首相と会談、シリア情勢などを協議した。

会談後に米大使館で開いた記者会見で、ケリー国務長官は、米国がイランからイラク(領空)経由でのシリアへの武器の流入を中止しており、イラク側に武器流入を黙認する理由を問いただしたと述べた。

またマーリキー首相に「イランのヘリコプターがイラク領空を経て、武器を運んでいることが問題だ」と伝えたことを明らかにした。

AFP, March 24, 2013、Akhbar al-Sharq, March 24, 2013、Alarabia.net, March 24, 2013、al-Hayat, March 25, 2013, March 26, 2013、Kull-na Shuraka’, March 24, 2013, March
25, 2013、al-Kurdiya News, March 24, 2013、Naharnet, March 24, 2013、Reuters,
March 24, 2013、SANA, March 24, 2013などをもとに作成。

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