シリア革命反体制勢力国民連立が移行期政府首班選出のための総会を開催する一方、シリア軍がレバノン・ベカーア県の複数村を空爆し米当局による非難を呼ぶ(2013年3月18日)

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国内の動き(シリア政府の動き)

SANA(3月18日付)によると、アレッポ県アレッポ市ジャービリーヤ地区で、若者らがシリア軍支持、テロリスト退去を求めるデモ行進を行った。

国内の暴力

ダマスカス県では、反体制武装集団(特殊部隊)が、カフルスーサ区の治安機関施設が建ち並ぶ街区、ティシュリーン宮殿(マッザ区・ムハージリーン区間)、ダマスカス国際空港を120ミリ迫撃砲で攻撃し、「直接の被害を与えた」とダマスカス軍事評議会が発表した。

これに対して、SANA(3月19日付)は、ダマスカス県内ティシュリーン公園、ムワーサー病院付近に迫撃砲5発が着弾したが、被害はなかったと報じた。

一方、反体制筋によると、軍がマッザ区にあるダマスカス大学の学生寮に突入し、多数の学生を逮捕した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(3月18日付)は、ダマスカス大学の学生が、都市工学部、建築工学部、理学部などで、シリア学生総連合のアンマール・サーアーティー総裁を犯罪者と非難し、体制打倒を実現するまで「革命」を続けると意志が書かれたビラを配布したと報じた。

また、スバイナ・パレスチナ人難民キャンプを軍が砲撃し、パレスチナ人12人が死亡、25人が負傷したという。

他方、SANA(3月18日付)によると、ジャウバル区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(3月19日付)などによると、ダーライヤー市が砲撃を受け、またサイイダ・ザイナブ町近郊で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(3月18日付)によると、アドラー市およびその周辺、カーラ市、ドゥーマー市、ハラスター市、ムライハ市、ウタイバ村、イバーダ市、アフマディーヤ市、ヤブルード市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団、ドゥーマー・シャリーア評議会メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またナジュハー市でスワイダー市発ダマスカス県行きの旅客バスが、反体制武装集団の襲撃を受け、乗客多数が死傷した。

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アレッポ県では、SANA(3月18日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、ライラムーン地方で、軍が反体制武装集団と交戦し、ハック旅団のメンバー20人を殲滅した。

またアレッポ市シャイフ・サイード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、アレッポ市サーフール地区で、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員と別の反体制武装集団が略奪品の分配をめぐって衝突、双方が迫撃砲を使用するなどして、40人以上の戦闘員が死亡した。

またアフラール大隊、シャームの鷹旅団、シャームの民のヌスラ戦線が主導権争いを理由に衝突し、複数の戦闘員が死亡した。

他方、カラースィー村、ラーシディーン市、ハーン・アサル市、マンナグ村、アルカミーヤ村、ハイヤーン町、アナダーン市、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月18日付)によると、タッルカラフ市郊外で、レバノンから密入国しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

またクサイル市、アバル市、サッルーミーヤ市、シューマリーヤ市、ハミーディーヤ市、東ブワイダ市、サーリヒーヤ市、ダブア市、ニザーリーヤ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月18日付)によると、サルジャ村、バービラー市、ハーン・スブル村、タイイバート村、ナイラブ村、タフタナーズ市、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、マアッラト・ヌウマーン市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、アブー・ズフール市郊外などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(3月18日付)によると、ヒルバト・ガザーラ市および同市周辺、マハッジャ市、シューマラ市、ラジャート市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立が、トルコのイスタンブールで移行期政府首班選出のための総会を開催した。

『ハヤート』(3月19日付)によると、イスタンブールでの総会に対して、「ダマスカス宣言」運動と無所属民主主義者ブロック(ブルハーン・ガルユーン代表)は、移行期政府発足を延期し、執行委員会を設置するにとどめるよう求めた。

これに対して、シリア国民評議会を構成するそれ以外のほとんどのブロックは、移行期政府発足を支持している。

しかし、シリア・ムスリム同胞団は移行期政府樹立や執行委員会設置への態度が曖昧なままだという。

また『ハヤート』(3月19日付)は、信頼できる反体制筋の話として、「米国が総会開始直前まで、移行期政府の樹立を延期するよう圧力をかけたのに対し、湾岸諸国は移行期政府樹立をめざす反体制勢力の動きを支持した」という。

また同消息筋によると、トルコとエジプトも、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、移行期政府を樹立するのではなく、執行委員会を設置するだけにとどめるよう求めたという。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、シリア革命反体制勢力国民連立総会への出席のために訪れたイスタンブールで、「(移行期)政府に関する合意がなされ、発足が宣言されれば、それはシリア・アラブ共和国全土における合法的政府となり、バッシャール・アサド政権は正統性のない占両政府になる」と述べ、移行期政府の樹立を支持した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、国際社会に対して、シリア危機を解決するための政治プロセス開始に向けて早急にコンセンサスに達するよう求めた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長とシリア国家建設潮流のリーム・トゥルクマーニーが米国で、米国務省のシリア問題担当者と会談し、シリア情勢について協議した。

米国務省筋によると、マンナーアとトゥルクマーニーは個別に訪米し、近く国務省高官と会談する予定だという。

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シリア人権監視団は声明を出し、2011年3月18日から2013年3月17日にかけて、59,584人が死亡したことが確認されたと発表した。

死者の内訳は、民間人40,390人、うち4,264人が18歳以下、2,579人が18歳以上の女性、10,623人が「戦闘大隊」戦闘員。

シリア人権監視団によると、「戦闘大隊」戦闘員は民間人とみなされるという。

一方、離反兵の死亡数は1,783人、正規軍兵士の死者数は14,752人だという。

身元不明者数は1,973人で、うち1,086人が戦闘員。

この数値は国連や西側諸国の試算(8万人~9万人)に比べて2万人以上少ない。

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クルディーヤ・ニュース(3月19日付)は、自由シリア軍が民主統一党人民防衛隊のメンバー2人を釈放したと報じた。

この2人はシリア・クルド・アーザーディー党の民兵がアレッポ県アフリーン市郊外のバースータ村、ブルジュ・アブダールー村で拘束し、自由シリア軍バーブ・ハワー(イドリブ県)地域の部隊に引き渡し、トルコ領内で取り調べを受けたという。

レバノンの動き

NNA(3月18日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方のヒルバト・ユーニン村、ワーディー・ハイル村の郊外をシリア軍が空爆した、と報じた。

これに関して、マナール・チャンネル(3月18日付)は、シリアの反体制武装集団が使用していたワーディー・ハイル村内の「納屋」をシリア軍が空爆したと報じた。

AFP(3月18日付)によると、死傷者はなかったという。

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レバノンで活動する自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー中央広報担当官は『ジュムフーリーヤ』(3月18日付)に対して、シリア国内での最近の戦闘でヒズブッラーの戦闘員38人が死亡し、レバノン国内で埋葬されている、と述べた。

諸外国の動き

オーストラリアのボブ・カール外務大臣は声明を出し、オーストラリア政府がシャームの民のヌスラ戦線を「資金提供、支援を禁じるテロ組織」に追加指定したと発表した。

SANA(3月18日付)が報じた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、連盟が「今のところ自らの責任を果たしておらず、全体未聞の停滞状態にある」と述べ、シリア情勢に対する対応の失敗を認めた。

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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、ブリュッセルのNATO本部で記者会見を開き、「英仏が提案したシリアへの武器緊急措置解除の問題はEUの問題だが、NATOの名において、私はEUでのこの議論に介入する意思はない」と述べた。

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ヴィクトリア・ヌーランド米ホワイトハウス報道官は、シリア軍によるレバノン領内への砲撃・空爆に関して「主権侵害であり、決して受け入れられない」と厳しく非難した。

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マーティン・デンプシー米陸軍参謀長は、ワシントンDCでのCSISでの講演で、「6ヶ月前から、反体制勢力のイメージは我々の目には非常に混乱したものに見えている。これまで以上に混乱したものとなっていると言えよう」と述べ、米国は反体制勢力、武装集団の実態を把握していないことを明らかにした。

デンプシー参謀長は「6ヶ月前は、(反体制勢力の)状況は若干明らかだった。組織の数もだ。しかし現在、明確ではなくなっている」と付言した。

AFP, March 18, 2013、Akhbar al-Sharq, March 18, 2013、al-Hayat, March 18, 2013, March 19, 2013, March 20, 2013、Kull-na Shuraka’, March
18, 2013, March 19, 2013、al-Kurdiya News, March 18, 2013、al-Jumhuriya, March 18, 2013、al-Manar, March 18, 2013、Naharnet, March 18, 2013、NNA,
March 18, 2013、Reuters, March 18, 2013、SANA, March 18, 2013、UPI, March
18, 2013などをもとに作成。

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