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RT(3月14日付)は、ロシア外務省筋の話として、シリア政府が反体制勢力との交渉を行う代表団の人選を終え、反体制勢力が代表団の人選を終えるのを待っていると報じた。
同報道によると、シリア政府の代表団は、ワーイル・ハルキー首相以下5人からなっているという。
イドリブ県では、SANA(3月15日付)によると、ジスル・シュグール市、カスタル・ブルジュ市、ドゥワイル・アクラード市、サルマーニーヤ村、カフルルーマー村、ハーッス村、マアッラ市、タッル・サラムー市、マアッラトミスリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、SANA(3月15日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、リーハーン農場郊外、ドゥーマー市、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、SANA(3月15日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(3月15日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ハウラ地方、マスウーディーヤ村、ガントゥー市、サアン・アスワド市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、タウヒード旅団メンバーや外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またタッルカラフ市郊外では、レバノン領からの潜入を試みる反体制武装集団を軍が撃退した。
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アレッポ県では、AFP(3月15日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、ムジャーヒディーン・シューラー評議会、シャーム自由人大隊、ヒッティーン旅団などからなる武装集団がハーン・トゥーマーン村の弾薬庫を制圧し、大量の戦闘機用弾薬、戦車・迫撃砲弾などを入手したと発表した。
14日晩から始まった反体制武装集団の総攻撃を受け、シリア軍戦闘機とアレッポ市ラームーサ地区に展開する軍が同武器庫に空爆・砲撃を行った。
しかし、SANA(3月15日付)によると、ハーン・トゥーマーン村で、軍が弾薬庫の制圧を試みようとしたシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺害、装備を破壊した。
またマンナグ村および同市周辺、マアッラータ村、カラースィー村、バヤーヌーン町、マンスーラ村、ハリーバル市、フライターン市などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
一方、カフルハムラ村では、武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突し、複数の戦闘員が死傷した。
アレッポ市でもシャイフ・サイード地区、アイン・アサーフィール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ダウワール・アグユール、ブスターン・カスル地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
これに対し、武装集団は、スライマーン地区のシリア正教会、ギリシャ正教会周辺を迫撃し、複数の市民が負傷、近くのマアリー高等学校や民家が損傷した。
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ハサカ県では、SANA(3月15日付)によると、ウンム・ハイル村にシャームの民のヌスラ戦線が集結しているとの住民の情報を受け、軍が同村に派遣され交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル県では、SANA(3月15日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷・拘束、拠点・装備を破壊した。
自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は「シリア革命」2周年に合わせて声明を出し、「勝利を収め、すべてのシリア人のために自由で民主的な国家を建設するまで戦闘を続ける」との意思を示し、「自由世界に武器弾薬の供与」を求めた。
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シリア革命反体制勢力国民連立は速報で移行期政府首班(18、19日のイスタンブールでの総会で選出予定)候補者12名の氏名を発表した。
12名は以下の通り。
1. ウサーマ・カーディー(ワシントン・シリア政治戦略研究センター所長、経済学者)
2. アスアド・ムスタファー(元農業大臣、元ハマー県知事、クウェート・アラブ開発基金顧問、シリア公務員国民自由連合副代表)
3. バヒージュ・ムッラー・フワイジュ
4. ジャマール・カールサリー
5. サーリム・ムスラト(アラブ部族評議会議長)
6. アブドゥルマジード・ハミーディー
7. ガッサーン・ヒートゥー(在米、通信会社経営者)
8. カイス・シャイフ
9. ミシェル・キールー
10. ワリード・ズウビー
11. 国内で活動する活動家(氏名は未公開)
12. 国内で活動する活動家(氏名は未公開)
NNA(3月15日付)、LBCI(3月15日付)は、レバノンの軍事裁判所のサクル・サクル長官が、シャームの民のヌスラ戦線メンバー10人を起訴したと報じた。
起訴されたのは、シャーディー・マウラーウィー(2012年5月に身柄拘束後釈放)、アミーン・ハーリドら。
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ナジーブ・ミーカーティー首相は、14日の国連安保理のプレス向け声明を「建設的な声明であり、我々はみな支持している」と高く評価した。
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LBCI(3月15日付)、ジャディード・チャンネル(3月15日付)は、北部県アッカール郡の対シリア国境地帯のヌーラ村、ハクル・ジャニーン村、カシュラク村、アッブーディーヤ村に潜伏する武装集団とシリア国境地帯に展開するシリア軍が交戦、カシュラク村に迫撃砲が着弾し、2人が負傷したと報じた。
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レバノンの声(3月15日付)は、北部県のバッダーウィー市・トリポリ市間の街道で、シリアのトラック複数台が襲撃されたと報じた。しかし、NNA(3月15日付)はこれを否定した。
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レバノン赤十字社が発表したところによると、ベイルート県東部のカッハーラ村(レバノン山地県)で、ベイルート行の旅客バス(ハサカ県のナンバー・プレート)が高速道路の中央分離帯に衝突、横転し、乗客9人(シリア人)が死亡、29人が負傷した。
EU首脳会議がブリュッセルで開かれ、フランソワ・オランド仏大統領、デヴィッド・キャメロン英首相が、シリアの反体制勢力に武器を供与するため、EUの対シリア武器禁輸を解除するよう求めた。
これに対して、アンゲラ・メルケル独首相は、シリアの反体制勢力への武器供与は「慎重に検討する必要がある」と消極的な姿勢を示した。
また、ルクセンブルグ、フィンランド、オーストリア各国首脳は、「強力な外交政策の構築に資さない」、「ロシアによるシリア政府への武器供与増加を招くだけ」と反論、シリアの反体制勢力への武器供与に反対の意思を示した。
首脳会談後の記者会見で、オランド大統領は、EUが合意した準軍事支援「以上を行わねばならない」としたうえで、「フランスには過激派の手に武器が渡らないようにするための十分な保証がある」と強調した。
しかしこの保証が何なのかを具体的に述べることはなかった。
また「政治解決の試みは失敗した。軍事的圧力は、政治解決の努力を推し進めることになる」と付言した。
さらに「5月末に武器禁輸措置を廃止することができる。英仏は5月までにEU各国が…説得されることを願っている。一部の国が強く反対したら、フランスは自ら責任をとる」と述べ、リビアへの軍事介入と同様、EUの総意を経ずして、武器供与を断行する可能性を示唆した。
なお『ハヤート』(3月17日付)は、EU外交筋の話として、英仏がシリアの反体制勢力への武器禁輸の一方的解除を「脅迫したことに、多くのEU諸国の代表が不快感を示し…、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の努力を葬り去る行為とみなした」と報じた。
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シリアの治安筋はAFP(3月15日付)に対して、「10日ほど前から国境を開放し、ジハード主義者とクロアチア製武器の流入を許すようになったヨルダンの姿勢の変化をシリア当局は遺憾に感じている…。(この変化は)シリアに敵対する国が圧力をかけたためだ」と述べた。
これに関して、クロアチア日刊紙は、クロアチアが2012年11月から2013年2月にかけて、米国が同盟国とともにシリアの反体制武装集団に武器を供与する際の「橋渡し役」となっていたと報じ、トルコとヨルダンの民間機75機が首都ザグレブから武器を輸送していたと報じている。
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CNN(3月15日付)は、シリアの反体制活動家の話として、反体制武装集団の戦闘員300人がヨルダン国内で米軍・諜報機関から対空砲、対戦車砲の使用方法などの教練を受け、シリアに潜入した、と報じた。
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『ロサンジェルス・タイムズ』(3月15日付)は、米国の複数の高官からの情報といて、CIAが無人戦闘機でシリアの過激派を攻撃するための情報を収集している、と報じた。
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チュニジアの連立政権与党イスラーム・ナフダ党のラシード・ガンヌーシー代表は、記者会見で、「チュニジア人青年たちがそこ(シリア)に行ってジハードに参加しているが…、我々はこうした行為の当事者ではないし、どのようにこうした行為が行われているか分からない」と関与を否定した。
AFP, March 15, 2013、Akhbar al-Sharq, March 15, 2013、al-Hayat, March 16, 2013, March 18, 2013, March 19, 2013、Kull-na Shuraka’, March
15, 2013、al-Kurdiya News, March 15, 2013、LBCI, March 15, 2013、Los Angeles Times, March 15, 2013、Naharnet, March 15, 2013、Reuters, March 15, 2013、SANA,
March 15, 2013などをもとに作成。
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