イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍によって制圧されたイドリブ市各所をシリア軍が地対地ミサイル、空爆などで攻撃、過去48時間での死者数が女性、子供を含めて32人となった。
クッルナー・シュラカー(3月31日付)などによると、空爆は、イドリブ市北部のアブドゥッラフマーン・ガーフィキー学校一帯など、市内のキリスト教地区、治安厳戒地区などに対して行われた。
これに関して、反体制活動家らは「シリア軍戦闘機が住宅地を空爆し…、新たな虐殺がなされた」と批判している。
また、クッルナー・シュラカー(3月31日付)によると、反体制武装集団がジスル・シュグール市南東に位置するミンタール村でシリア軍と交戦、同村の検問所を制圧した。
一方、SANA(3月31日付)によると、トルコ国境からイドリブ市に至る兵站路、ビンニシュ市、カフル・ジャーリス村、サラーキブ市、サルミーン市、ファイルーンで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またイドリブ市では、シリア軍は、シャームの民のヌスラ戦線が主導する「タクフィール主義組織」を「正確に捕捉し重点的攻撃」を加え、住民を攻撃するサウジ人戦闘員らテロリスト多数を死傷させたという。
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アッシリア人権監視団は、イドリブ市制圧に参加しているシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員がキリスト教徒2人(83歳の老人と44歳になるその娘)を連行し、殺害した、と発表した。
殺害の理由に関して、同監視団は、「政権に内通していたためで、宗教的な理由ではない」としている。
また、AKI(3月31日付)は、武装集団がイドリブ市内にある聖マリア教会のイブラーヒーム・ファラフ神父(57歳)を一時拘束したが、その後危害を加えずに解放したと報じた。
ARA News(3月31日付)によると、ファラフ神父を拘束したのはシャームの民のヌスラ戦線戦闘員だという。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月31日付)は、シャーム自由人イスラーム運動などジハード主義武装集団がキリスト教徒住民の安全を確保し、彼らをイドリブ県外に「避難させている」と伝えた。
同報道によると、キリスト教徒住民20世帯以上が13台の車に分乗し、シャーム自由人イスラーム運動の保護のもと、ハマー県各所に避難していったのだという。
なお、同監視団によると、イドリブ市には1,000人から1,500人のキリスト教徒が暮らしているという。
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『ハヤート』(4月1日付)などによると、イドリブ市内で、ファトフ軍の戦闘員が、フランス委任統治に対する抵抗運動の指導者の一人イブラーヒーム・ハナーヌーの像を破壊するビデオ映像、画像がインターネット上に公開された。
ハナーヌー像は30日に破壊されたと思われる。
AFP, March 31, 2015、AP, March 31, 2015、ARA News, March 31, 2015、Champress, March 31, 2015、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2015、al-Hayat, April 1, 2015、Iraqi News, March 31, 2015、Kull-na Shuraka’, March 31, 2015、al-Mada Press, March 31, 2015、Naharnet, March 31, 2015、NNA, March 31, 2015、Reuters, March 31, 2015、SANA, March 31, 2015、UPI, March 31, 2015などをもとに作成。
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