ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ周辺の街区)に侵入し、パレスチナのハマースに近い「アクナーフ・バイト・マクディス大隊」などからなる民兵と交戦、同地区を広範囲にわたって占拠した。
クッルナー・シュラカー(4月1日付)によると、ダーイシュが占拠したのは、キャンプ南部のサラースィーン通りとパレスチナ・モスクの間の一帯で、攻撃はダーイシュが拠点としていたダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市郊外から行われたという。
この戦闘で、双方合わせて数十人が死傷したという。
複数の活動家によると、ダーイシュの侵入に際して、シャームの民のヌスラ戦線がダーイシュを支援し、ヤルダー市を拠点とする「自由シリア軍」や反体制武装集団が「アクナーフ・バイト・マクディス大隊」側に援軍を派遣するのを阻止したという。
また、シリア軍は、ダーイシュのヤルムーク区への侵入を受け、同地区および隣接するハジャル・アスワド市各所を砲撃した。
その後、「シリアのパレスチナ人のための行動グループ」はフェイスブックで、アクナーフ・バイト・マクディス大隊が、ダーイシュによって一時占拠された地区の一部を奪還したと発表した。
複数の活動家によると、ダーイシュの侵攻の前日(3月31日)、ヤルムーク・キャンプ内で、ハマースの指導者の一人ヤフヤー・ウハウラーニー氏が覆面をした武装集団に殺害され、これを受け、ハマースに近いパレスチナ人武装集団「アクナーフ・バイト・マクディス大隊」はキャンプ内でダーイシュ・メンバー多数を逮捕していた。
ダーイシュの侵攻はこの逮捕への報復措置だと見られる。
ヤフヤー・ハウラーニー(アブー・スハイブ)氏は、ハーリド・ミシュアル政治局長がシリアを出国し、カタールに身を寄せて以降、シリア国内のハマースを指導する一方、パレスチナ慈善委員会を設置し、キャンプ内の福祉活動などに力を入れてきた。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市南部郊外各所で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して砲撃を行った。
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ヒムス県では、SANA(4月1日付)によると、ジャズル村東部郊外、シャーイル・ガス採掘所一帯などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、ARA News(4月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジャラーブルス市住民に対して、1日5回の礼拝を子供を連れてモスクで行うことを義務化し、この義務に背いた住民は「悲惨な結果」を招くと脅迫した。
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有志連合合同司令部によると、米国など有志連合は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を14回空爆した。
うち7回はアイン・アラブ市一帯、ハサカ県内のダーイシュ拠点に対して行われたという。
AFP, April 1, 2015、AP, April 1, 2015、ARA News, April 1, 2015、April 2, 2015、Champress, April 1, 2015、al-Hayat, April 2, 2015、April 8, 2015、Iraqi News, April 1, 2015、Kull-na Shuraka’, April 1, 2015、al-Mada Press, April 1, 2015、Naharnet, April 1, 2015、NNA, April 1, 2015、Reuters, April 1, 2015、SANA, April 1, 2015、UPI, April 1, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
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