ダマスカス県のヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯)では、ハマースに近いパレスチナ人武装組織「アクナーフ・バイト・マクディス大隊」が、シリアの反体制武装集団とともに、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、同地南部および南西部(ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市方面)に放逐、1日にダーイシュが占拠していた街区を奪還した。
PLOのアンワル・アブドゥルハーディー在ダマスカス政治局長は「ダーイシュはキャンプ周辺に放逐された…アクナーフ・バイト・マクディス大隊がダーイシュと交戦した」と述べるとともに、2日間の戦闘で少なくとも6人が死亡、17人が負傷したことを明らかにした。
なおシリア人権監視団によると、シリアの反体制武装集団がヤルムーク区に入り、パレスチナ人民兵を支援したという。
ダーイシュは1日、シャームの民のヌスラ戦線などの後援を受け、ヤルムーク区に侵入、キャンプの大部分を占拠していた。
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外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプにダーイシュ(イスラーム国)がシャームの民のヌスラ戦線の支援を受けて侵入、住民に対して犯罪行為を行ったと報告する一方、トルコ、サウジアラビア両政府がこれらのアル=カイーダ系武装集団への支援を続けることで、パレスチナ人を危機に巻き込み、彼らのパレスチナへの帰還に向けた試みを無に帰し、イスラエルの占領に資そうとしていると非難の意を伝えた。
そのうえで、国連に対して、イスラエルの占領によって苦しめられているパレスチナ人に人道的に対処し、人道支援を行うとともに、サウジアラビア、カタール、イスラエル、ヨルダンによるテロ支援を停止させるよう要請した。
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一方、同じくダマスカス県カーブーン区では、シリア人権監視団によると、迫撃砲弾1発が着弾、またジャウバル区ではシリア軍の空爆が行われた。
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ダマスカス県南部シャリーア委員会は声明を出し、ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)へのダーイシュ(イスラーム国)侵入に対抗するため、県南部のすべての反体制武装集団が調整し、ダーイシュに対峙するよう呼びかけた。
AFP, April 2, 2015、AP, April 2, 2015、ARA News, April 2, 2015、Champress, April 2, 2015、al-Hayat, April 3, 2015、Iraqi News, April 2, 2015、Kull-na Shuraka’, April 2, 2015、April 3, 2015、al-Mada Press, April 2, 2015、Naharnet, April 2, 2015、NNA, April 2, 2015、Reuters, April 2, 2015、SANA, April 2, 2015、UPI, April 2, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
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