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SANA(3月7日付)は、アサド大統領がトルコの野党、共和人民党(CHP)のハサン・アクギョル議員を団長とするトルコ国会使節団とダマスカスで会談したと報じた。
会談で、議員団は、トルコ国民がシリア内政干渉を拒否していると伝える一方、アサド大統領は、シリアの安定を支持するトルコ国民の姿勢と、テロ・過激派支援を続け、地域の安定を揺るがすことに固執するレジェップ・タイイップ・エルドアン内閣の姿勢を区別すると強調した。
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シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出し、そのなかでトルコ政府をはじめとする一部の外国が直接、間接に、アル=カーイダと関係のある武装テロ集団のシリア国内での活動を支援し、あからさまな内政干渉を行っている、と指摘し、国際社会にこうした国の行為を非難し、断固たる対応をとるよう求めた。
また、2013年1月に400トンの武器弾薬とリビア人テロリスト250人を載せたリビア船籍が、トルコ政府の許可を得て、アレキサンドレッタ港に入ったとの情報など、レジェップ・タイイップ・エルドアン内閣がシリアの紛争に関与している確固たる証拠を、ダマスカス訪問中の共和人民党議員使節団から得たことを明らかにした。
また声明によると、トルコ政府は、サウジアラビアの輸送機3機がトルコ領空を通過して、シリア国内に武器、装備、戦闘員を派遣するのを認めている、という。
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SANA(3月7日付)は、アサド大統領の危機解決政治プログラムに沿うかたちで、レバノンに避難していたシリア人が、ダマスカス郊外県のジュダイダ・ヤーブース国境通行所を通ってシリアに帰国した、と報じた。
同報道によると、帰国した避難民は、出迎えたジョゼフ・スワイド国務大臣(シリア赤新月社担当)、キンダ・シャンマート社会問題大臣、フサイン・マフルーフ・ダマスカス郊外県知事らとともに、クドスィーヤー市郊外に設置された仮設住宅に向かったという。
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バアス党民族指導部は「バアス革命」(3月8日付)に合わせて声明を出し、米国とシオニズム、そして国内外のその手先との対決を続けることで、暴力を征し、また政治的解決に向けたシリア人どうしの対話を開始することで、危機を解決し、シリアをこれまで以上に強力な国家とするとの意思を示した。
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シリア・アラブ・テレビ(3月7日付)は、イスラエルのスパイ機器が地中海岸地方で破壊・押収されたと報じ、その映像を公開した。
同機器は、イスラエルに映像や情報を送信するために設置されたものだという。
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クッルナー・シュラカー(3月7日付)は、シリア最大のNGO、シリア開発信託のアブドゥルアズィーズ・ハッラージュ事務局長(2010年1月就任)が辞任していたと報じた。
ハマー県のサラミーヤ調整は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、フェイスブックの「シリア革命2011」などで、金曜日の反体制デモに宗派対立を煽るような呼称をつけないよう促すよう呼びかけた。
イドリブ県では、SANA(3月7日付)によると、ビンニシュ市、マジュダリヤー村、ナイラブ村、ダウニーン市郊外などで、軍が反体制武装集団を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス郊外県では、SANA(3月7日付)によると、ドゥーマー市、タッル・クルディー町、アドラー市、ザバダーニー市、リーマー市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、SANA(3月7日付)によると、マンナグ村、マッルアナーズ市、アルカミーヤ村、ダイル・ジャマール村、ズィヤーラ村、マーイル町、ハイヤーン町、カフル・アントゥーン村、アナダーン市郊外、タッル・シュガイブ村、カフルダーイル村、アンジャーラ村、ハーン・アサル村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市では、ブスターン・カスル地区、カーディー・アスカル地区、ハーウーズ地区、マサーキン・ハナーヌー地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
一方、クルディーヤ・ニュース(3月8日付)は、アレッポ県アフリーン市郊外のバースータ村、ブルジュ・アブダールー村の検問所で、民主統一党人民防衛隊とシリア・クルド・アーザーディー党の民兵が交戦し、複数の死傷者が出た模様と報じた。
これに関して、『ディヤール』(3月8日付)は、民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍が激しく交戦し、15人が死亡した、と報じた。
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ダイル・ザウル県では、SANA(3月7日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラッカ県では、『ハヤート』(3月8日付)などによると、ラッカ市に対して軍が空爆を続けた。
シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は『ハヤート』(3月8日付)に対して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長がパリで結成を発表した、民主市民同盟に関して、「結成の努力」を行っていると述べた。
ヒズブッラーが主導する国会会派、抵抗への忠誠ブロック代表のムハンマド・ラアド議員は、アラブ連盟外相会議でシリア政府の代表資格停止解除を主唱したアドナーン・マンスール外務大臣の発言を「シリアに対するレバノンの公的な姿勢を適切に反映している…。地域全体の安全とそこで暮らす人々の利益を守ろうとする熱意の表れだ」と支持した。
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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は『シャルク・アウサト』(3月7日付)のインタビューに応じ、そのなかで「(アサド政権の)時代を長引かせることで、宗派対立が生じる。シリアの統合に対する陰謀があると確信している」と述べた。
ジュンブラート党首はこの「陰謀」に関して、「米国の最大の関心事はイスラエルだ。シリアは…アラブ・イスラエル間の均衡点だったが、今や破壊されようとしている。米国とイスラエルはそれを見守っている」と述べた。
またアサド大統領については「統合失調症」と中傷、「数万人が死亡、失踪という事実を無視し、彼らをテロリストだという。体制転換以外に解決策はない」と断じた。
イスラエル国防省のアモス・ゲラルド政治問題担当官は、シリアの反体制武装集団によるUNDOF要員拉致に関して、「国連が釈放できることを信じている」と述べた。
また「外国の支援を望む反体制派は国際社会との対決を望んでいないだろう」としたうえで、「イスラエル軍は事態に介入しないが、シリアでの出来事を重点的にフォローしている」と付言した。
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新華社通信(3月7日付)は、中国外務省報道官が、シリアの反体制武装集団によるUNDOF要員(フィリピン人)の拉致を厳しく非難すると述べたと報じた。
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『ハヤート』(3月8日付)は、イラクのテロ対策部隊高官の話として、イラク軍の機甲旅団が、ハサカ県ヤアルビーヤ市に面するニネベ県ルバイア国境検問所に展開したが、その後、国境地帯から100キロ以上離れた県内のシンジャール地方に再集結した、と報じた。
同高官によると、イラク軍の特殊部隊が、対シリア国境地帯の村々でシリアからイラクへの潜入者を捜索するための活動を行っているという。
しかし、ヤズィード派、アラブ人、クルド人、トルクメン人が混住するシンジャール地方へのイラク軍の再展開に関して、イラクのクルディスタン同盟幹部でクルディスタン民主党員のシャワーン・ムハンマド・ターハーは「シンジャール地方にイラク政府軍が結集することを認めない…。イラク軍はシンジャール地方に終結せずとも、国境を監視・保護できる」と述べ、反発した。
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UNICEFは声明を出し、ヨルダンでのシリア人避難民への支援活動を6月まで継続するには、8,000万米ドルの資金が必要だと発表した。
AFP, March 7, 2013、Akhbar al-Sharq, March 7, 2013、al-Diyar, March 8, 2013、al-Hayat, March 8, 2013、Kull-na Shuraka’, March 7, 2013、al-Kurdiya News, March
7, 2013、Naharnet, March 7, 2013、Reuters, March 7, 2013、SANA, March 7, 2013、al-Sharq al-Awsat, March 7, 2013、UPI, March 7, 2013などをもとに作成。
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イドリブ県では、テレグラムの「…
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