Contents
『ハヤート』(3月2日付)は、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長が、ローマでのシリアの友連絡グループ会合での決定を批判、「我々は食糧、飲料、負傷者治療の保証を欲しているのではない…。我々が欲しいのは武器だ。アサド政権の犯罪を食い止められるような対戦車砲、対空砲が欲しい」と述べたと報じた。
**
ゴランの鷹大隊を名のる反体制武装組織は声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区で略奪・強盗を行っていた反体制武装集団の戦闘員6人を逮捕した、と発表した。
声明によると、逮捕されたのはPFLP-GCを離反した戦闘員だという。
**
AFP(3月1日付)によると、ダマスカス県アサーリー地区、イドリブ県ハビート市、ダルアー県マアルバ町、アレッポ県バーブ市、ハマー県カルア・マディーフ市などで、金曜礼拝後に反体制デモが発生し、反体制勢力への武器供与に踏み切らなかったシリアの友連絡グループを非難するとともに、反体制武装集団の統合などが主唱された。
**
シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アレッポ県のマーリキーヤ村で、軍が72人を戦場処刑・焼却したと発表、「虐殺」と非難した。
同声明によると、殺害された72人のうち身元が判明したのは49人で、うち子供が7人いた、という。
これに関して、シリア人権監視団は、マーリキーヤ市に軍が突入し、数十人の民間人を殺害した、と発表した。
**
マナーフ・トゥラース准将はロシアを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談に先立ち、RT(3月1日付)に対して、ロシアと米国がシリアの危機解決に向けて合意に達し、ロシアが一紛争当事者(アサド政権)に圧力をかけることを希望する、と述べた。
**
クッルナー・シュラカー(3月1日付)は、シリア革命総合委員会政治局メンバーが、シリア革命反体制勢力国民連立の活動拡大のため、ハサカ県カーミシュリー市を訪問したと報じた。
訪問したのは、アーミル・シャーミーら3人。
**
AKI(3月1日付)は、反体制活動家(匿名)の話として、「米国はシリアの反体制武装集団の統合と、その掌握、さらには上意下達的な指揮系統の構築を真剣に行っており、武器輸出を開始した場合に混乱が生じないようにしている」と報じた。
同活動家によると、シリアの5つの反体制武装集団のうち、米国はすでに二つの武装集団の統合に成功している、という。
**
シリア記者連盟は声明を出し、2013年2月だけでジャーナリスト11人がシリア国内で死亡、2011年3月以降の死者総数が138人に達したと発表した。
殺害されたジャーナリストのなかには、空軍情報部によって身柄拘束後に拷問を受け死亡したアイハム・ムスタファー・ガズール氏のほか、シリア解放旅団に批判的な記事を書いた反体制ジャーナリスト2人(アレッポ報道センター記者、アレッポ・ニュース記者)、フランス人写真家の写真家オリヴィエ・ヴォワザン氏などが含まれている。
ハサカ県では、シリア人権監視団によると、対イラク国境のヤアルビーヤ市を、シャームの民のヌスラ戦線、ファールーク大隊、シャーム自由人大隊などサラフィー主義武装集団が制圧した。
同市に展開していた軍の兵士は逃走し、その一部は捕虜となったという。
これに関連して、『ハヤート』(3月2日付)は、イラクのニネベ県タッルアフル市長の話として、シリア国境3キロの地点に位置する村にシリア領内から発射されたスカッド・ミサイルが着弾したと報じた。
同市長によると、被害、死傷者はなかったという。
一方、クッルナー・シュラカー(3月1日付)は、複数の目撃者の話として、ヤアルビーヤ市での戦闘で、イラク領から同市に向けて複数の迫撃砲が発射・着弾したと報じた。
また、複数の目撃者の話として、民主統一党人民防衛隊がルマイラーン町を事実上制圧した、と報じた。
制圧に先立って、軍・治安部隊との交戦はなく、同市と油田をつなぐ道路などに民主統一党の検問所が設置されたという。
さらに、ハサカ市ナシュワ地区など南部の複数の地区で、軍と自由シリア軍が交戦し、軍が反体制武装集団の制圧地域を砲撃した。
**
SANA(3月1日付)は、ハマー県サラミーヤ地方からアレッポ県サフィーラ市に至る国際幹線道路沿いの村々で反体制武装集団を殲滅し、同地域の治安と安全を回復したと報じた。
**
アレッポ県では、SANA(3月1日付)によると、ハーン・アサル村、バーブ市、マンスーラ村、ナッカーリーン村などでは、軍が反体制武装集団との戦闘を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
アレッポ市でも、マサーキン・ハナーヌー地区、旧市街などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アレッポ軍事評議会の司令官を含む複数の戦闘員を殺傷した。
**
ダマスカス郊外県では、SANA(3月1日付)によると、ダーライヤー市、ザバダーニー市、ムウダミーヤト・シャーム市、シャイフーニーヤ村、ザマルカー町、アルバイン市、アーリヤ市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
イドリブ県では、SANA(3月1日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、アリーハー市郊外、サルミーン市郊外、ハーミディーヤ航空基地周辺、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍が反体制武装集団への攻撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ダイル・ザウル県では、SANA(3月1日付)によると、ダイル・ザウル市内各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ラタキア県では、SANA(3月1日付)によると、バイト・シュルーク村とハドラー村で、略奪行為を行っていた反体制武装集団を軍が殲滅した。
**
ヒムス県では、SANA(3月1日付)によると、ラスタン市郊外、アービル村、タルビーサ市、タッルドゥー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
『ティシュリーン』(3月1日付)は、反体制勢力への「非戦闘的」な装甲車輌、軍事関連装備の輸出、技術支援を認めるとのEUの決定を「EUが密かに行ってきたこと…の延長で、暴力とテロを激化させ、反体制勢力に政治的解決を拒否するよう煽動するものだ」と批判した。
クッルナー・シュラカー(3月1日付)によると、シリア・クルド・アーザーディー党(ムスタファー・ジュムア派)がクルド最高委員会からの脱会を発表した。
これに関して、バッシャール・アミーン副書記長は、NNA(3月1日付)に対して、党が委員会から正式に脱退しておらず、シリア・クルド国民評議会の代表の交代を求めていると述べる一方、西クルディスタン人民議会が委員会結成時の合意を履行していないと批判した。
なお、この決定は、同党が参加するクルド民主政治連合からの離脱を意味しないという。
『ハヤート』(3月2日付)は、「シリア革命電気派(ジャナーフ・エレクトローニー)」を名のる集団が、レバノン内務地方自治省のホームページをハッキングし、「シリア人活動家を保護し、その粛清を回避するためシリア政府に引き渡すな」とのメッセージの書かれた画像を添付した、と報じた。
ジョン・ケリー米国務長官は、トルコを訪問し、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相、アフメト・ダウトオール外務大臣、アブドゥッラ・ギュル大統領と会談した。
『ハヤート』(3月2日付)によると、会談では、NATOによるトルコ支援、シリア人避難民への対応、シリア政府による化学兵器使用の可能性、反体制武装集団による移行期政府の樹立などが協議された。
ケリー国務長官は、アサド政権の正統性を改めて否定し、政治的な政権移譲実現に向けた努力を積み重ねるとの意思を示したという。
**
『タイムズ』(3月1日付)は、米国およびEUの複数の国が、サラフィー主義者以外の反体制勢力への支援の一環として、ヨルダンでシリア反体制活動家の教練を監督している、と報じた。
**
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はバラク・オバマ米大統領と電話会談を行い、シリア情勢について協議した。
『ハヤート』(3月2日付)などによると、この電話会談で、プーチン大統領は、早急に軍事活動を停止させる必要を強調したという。
**
ロシア外務省は声明を出し、ローマでのシリアの友連絡グループ会合に関して、「ローマでの決定や声明は、文言、主旨の両面で、過激派の力による権力奪取を奨励し、一般のシリア人を必然的に苦しめるものだ」と非難し、暴力の即時停止と政治的対話の開始を求めた。
**
サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、アラブの友連絡グループ会合出席のため滞在中のローマで、シリアでの「戦闘は今や世界的な戦いとなり、シリア国民は独りではない」と述べ、欧米諸国、湾岸諸国、トルコが積極的干渉していることを認めた。
**
国連の潘基文事務総長は、ジュネーブで、シリア情勢に関して、紛争の軍事的解決がシリアの「解体」をもたらすと警鐘を鳴らし、政府と反体制勢力の前に遺された「わずかな対話の機会…を強く支持し、彼らにこの機会を活用するよう」呼びかけた。
AFP, March 1, 2013、Akhbar al-Sharq, March 1, 2013, March 4, 2013、AKI, March 1, 2013、al-Hayat, March 2, 2013、Kull-na Shuraka’, March 1, 2013、al-Kurdiya News, March
1, 2013、Naharnet, March 1, 2013、NNA, March 1, 2013、Reuters, March 1, 2013、SANA,
March 1, 2013、The Times, March 1, 2013、Tishrīn, March 1, 2013などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イドリブ県では、テレグラムの「…
イランを訪問中のバッサーム・サ…