ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、ベイルート県南部郊外(ダーヒヤ)で行われた「不正に苦しむイエメンとの連帯」を求める集会の参加者に向けてビデオ演説を行い、イエメンに対して空爆を行うサウジアラビアを厳しく批判した。
ナスルッラー書記長は演説のなかで「脅迫や恫喝は、我々がイエメンに対する攻撃への非難を表明することを妨げるものとはならない…。(イエメンに対する)戦争の真の目的は、イエメンにおけるサウジアラビアと米国のヘゲモニーを回復することにある…。サウジアラビアの高官らは戦争の目的がイエメンのアラブ・アイデンティティを守ることにあると言う。しかし、アラブ人民は彼らがイエメンに対して戦争を行うことを認めたとでもいうのか? これはアラブ人民に対する戦争だ…。イエメン人は、自らのアラブ・イスラーム・アイデンティティを証明する必要などない。イエメンを侵略する者の方こそ、自らのアラブ・アイデンティティを証明しなければならない」と批判した。
また「イエメンでの事態にシーア派とスンナ派の戦争というレッテル付けをすることを誰一人として受け入れることはない。そうしたことを受け入れるのは、カネによって操られている者だけだ」と付言した。
さらに「二大聖地を脅かしているのは誰か? イエメン人だというのか?… 預言者モスクは脅威に曝されている。しかしその脅威はサウジアラビア、そしてワッハーブ主義イデオロギー・文化のなかから生じている」と指弾した。
一方、イエメン情勢をめぐっては「彼ら(サウジアラビア)は、イエメンの国家を守ると言っている・しかし、イエメンの行政機関、空港、港湾施設、軍事基地を爆撃することで、彼らがイエメンを守っているというのか? これがお前たちの守り方なのか?… この戦争の目的が、アブドゥッラッブフ・マンスール・ハーディー大統領をイエメンに戻すことにあるなどとは誰も信じていない…。この攻撃によって、ハーディー大統領は敗北し、大統領に復職するチャンスを失ったのだ」と追究した。
一方、イエメンへの空爆に参加しているパキスタンとエジプトに対しては、「この戦争のパートナーとなるなと呼びかけたい」と述べた。
さらに、レバノン国内の対立する諸勢力に対しては「我々は、イエメン、シリア、そしてそれ以前の話としてレバノンをめぐって同意していないが、辛抱強くあるべきだ。間違った計算をしてはならない…。シリアの体制が2ヶ月で崩壊すると考えたときと同じような間違った計算は避けるべきだ」と呼びかけた。
AFP, April 17, 2015、AP, April 17, 2015、ARA News, April 17, 2015、Champress, April 17, 2015、al-Hayat, April 18, 2015、Iraqi News, April 17, 2015、Kull-na Shuraka’, April 17, 2015、al-Mada Press, April 17, 2015、Naharnet, April 17, 2015、NNA, April 17, 2015、Reuters, April 17, 2015、SANA, April 17, 2015、UPI, April 17, 2015などをもとに作成。
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